この地方議員の現状を見れば真の選挙制度を変えるより、我々選挙民の意識を変えるべきだ

 6日、福岡市郊外の公民館。「皆さんの代弁者として、議会でしっかり発言します」。12日の市議選に立候補している60代の現職は、しゃがれ声で訴えた。
  政治と無縁の家系。相続した土地を売り、選挙や政治活動につぎ込んできた。その額、数千万円-。「いつも金には困っとるよ」。政治の世界に「井戸塀」という言葉がある。私財を費やし、井戸と塀しか残らない政治家の例えだ。
  市議の報酬は月88万円。月26万円の政務活動費も別に支給される。そんなにお金がいるのだろうか。
  選挙直前の3月末、朝の県道沿いに彼の姿があった。2時間のつじ立ちで、頭を下げること1200回。昼は老人会の会合に顔を出した。勧められるままビールを5杯と日本酒をおちょこ5杯。カラオケも付き合い、会費5千円を置いて帰った。年末年始や夏祭りの最盛期は、1日10カ所を超す。普段も2日に1回は地元関係者と飲む。
  1カ月の交際費は15万円。こつこつ積み上げた1万人分の後援会名簿が財産だ。年2回、会員に送る議会通信の印刷代と送料だけで約120万円が飛ぶ。
  毎月の支出はほかに事務所家賃や電話代に20万円、秘書などの人件費が40万円…。毎月50万円近い赤字を、蓄えを取り崩して埋める、あり地獄。「やり方を変えないかん」と思うが、票が減るのは怖い。昨年、市内の土地をまた売却した。
  今期で退くベテラン世襲市議は、子どもに後を継がせず、地元で後継者を探した。選考条件は、議員報酬以外の収入で家族を養えること。「ある程度の余裕がないと、市の将来を大きな目線で考えられんよ」
  選挙が頭を離れず後援会活動に追われる同僚の姿を見てきた。いつも誰かに頭を下げ、休みもない生活。ベテランの前妻はかつて「政治家のあなたは嫌い」と家を出た。別の世襲市議の後援会幹部は「世襲は引き継いだ支持者も多く、金は掛かる」と明かす。
  市議選に名乗りを上げた新人は、徒手空拳の戦いを挑んでいる。6畳1Kの部屋は、住まいと選挙事務所を兼ねる。「お金はそんな掛かりませんよ」
  家賃3万円。こたつに座椅子、ロックのCDが並び、学生の部屋のよう。立候補に必要な供託金50万円を払い、預金は50万円を切った。食費は1日1500円ほど。月収約20万円だった会社員時代と、暮らしぶりは変わらない。
  6日、街頭で「議員報酬と定数を2割削減します」と訴えた。ただし、当選しても1年生の野党議員だ。市議会与党に報酬を見直す動きはない。多数派をいかに説き伏せ、公約を果たすのか。「街頭で訴え続け、ムードを変えたい」。しばらく考え込んで言葉を継いだ。正直、ほかの手だては浮かばない。
 国でも地方でも、政治とカネをめぐる醜聞が後を絶たない。報酬や政務活動費が、本来あるべき活動に使われないのは、単にモラルの問題なのか。地方議員たちの本音を探った。

これ「月114万円では足りない?地方議員とカネ」と題した西日本新聞 4月7日(火)9時38分配信の記事である。

 ほぼこの通りと思われるし、これが現状だ。議員は常に選挙が大事第一でとてもじゃないが政治の政策まで頭が回らないだろう。何故か、常に選挙を考えて選挙民との付き合いが一番の仕事だからである。昔から言う。選挙に落ちればタダの人だからである。選挙民も悪い。何でも議員に頼むからである。そんな事までと思えるの数限りなくある。これでは本当に議員は何のために居るのと思う。いろんなところで会っても、会釈や挨拶がないと「何だあいつは」「何だあの議員は」となり、以後一票入れてもらえなくなるからだ。それでも今の議員等まだ良い。昔の議員等大変だった。選挙民の家族や親戚の就職の世話にまたその子供の婚活に仲人までしなければならないし、はたまたその新婚夫婦に子供が生まれれば、お祝いを持って昼夜の別無く駆けつける、それに近所に道路造って、側溝を造って、側溝を直して等枚挙に暇が無いのである。ここまで来ればもう選挙民の下働きでしか無い。選挙民に言わせれば議員何て言うのはそれが仕事だと思っている。私事で恐縮だが、私不動産屋として農地を宅地転用する事多いがこれで失敗した事があった。農業委員会である。これには農家の代表が選挙でや、議会の議員が自動的に数名選ばれる構成だ。ある日私は宅地転用の農地法5条申請を初めてした時に、許可されなかった。何故かと聞いたら、審査する農業委員や議員の農業委員を頼んで経由しなかったからだそうである。こんな理不尽あるのかと憤慨したが、スンナリやろうとするとこれに従うしかなく、そうした思い出がある。今は無いが私のような田舎地方では厳然とそんな事が通用してたのである。万事これだ。これでは本当に地方議員等は褌を締めてかからないと大変な事になる。だから地方では議員本人の前に、選挙民そのものの意識を変えない限り無理であろう。笑い話ではないが、昔少しばかり裕福で他人の世話焼き好きがところどころ居たように、今はお金に困らない高額納税者の上から順に議員やってもらったらと思っている。それが地方議員を批判するより最良の方法と自負してる。