安倍政権自己政策で自分の首を絞め

 円安株高が勢いづいている。市場ではさらなる円安を見込む声が多いが、輸出に追い風となる半面、食料品やガソリンをはじめとする物価が上昇し個人消費を冷やす恐れも指摘されている。安倍政権は株価を重視しているが、景気と株価に温度差が生じているとの声も出てきた。
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  「家計の負担が増え、円安は短期的にみれば悪影響の方が大きい」。SMBC日興証券の丸山義正シニアエコノミストは、一段の円安は、消費税増税の影響でただでさえ元気のない消費に新たな打撃となるとみる。
 第一生命経済研究所の試算では、1/‥‥IOO円から110円に円安が進むと食料品は1・7%、電力料金は3・2%、ガソリンを含む石油製品は3・3%も上がるという。
 円安になると海外での売り上げが円建てで膨らむため、輸出企業の業績を押し上げる効果がある。だが自動車や電機の大手企業は既に海外での生産比率を増やしており、実際の輸出数量は伸びないままだ。ホンダの7月の輸出は、メキシコの新工場が稼働した影響で前年同月の実績から7割以上減っている。
 輸出増が国内の雇用や賃金の増加につながる好循環はまだ始まっていない。BNPパリバ証券の丸山俊日本株チーフストラテジストは「雇用や消費への幅広い恩恵は期待しづらい」と指摘する。
 円安でもうけが膨らむ上場企業に対し、中小企業を中心とする非上場企業は利益が減るI。みずほ銀行の試算では、円安は企業規模による二極化を生む。日経平均株価が上がっても、企業の99%を占める中小企業の業績を含めた経済全体の動きと食い違う可能性がある。
 1/=110円超の円安を見込むニッセイ基礎研究所の櫨浩一専務理事は「今の円安は内需産業にとって厳しい水準。これ以上の円安が手放しに良いとは言えない」と話す。
 中小企業の多くは原材料の調達を輸入に頼っておりコスト上昇分を販売価格に上乗せできないと 「中小企業を中心に業績が悪化し、景気が後退するリスクもある」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)。南氏は、年末の平均株価は現状と同水準の工万6000円前後にとどまると予想する。
 BNPパリバの丸山氏は、年末までは1万6500円、年明け以降は1万7000円を超えると予想ただ「株価と国内の景気に隔たりがある」として、株高が進むほどには景気が上向いていかないとの見方を示した。

これ「円安株高加速 物価上昇消費に打撃も」と題した共同通信の記事である。

 政策の評価は、過日に国民に問えば解かる。思い起こせばこれだけの政策が、施行前に真っ二つに分かれた議論も珍しかったが、あの投げ出し政権から復活した安倍晋三総理のあのバイタリティに臆した、反対派の議論がかき消された結果が、ある意味正しかったと言えたのは皮肉である。
 安倍首相は余りにも机上の論理の経済学のレクチャーに傾斜した結果と言えば言い過ぎか。デフレ脱却が逆に円安を招いてしまった。この責任は安倍政権の中枢の麻生財務大臣財務省そしてそれに煽(おだ)てられた各閣僚にある。つまり経済の解からないバカな閣僚が「アベノミクス」にかこつけ発言した影響大である。我日本は今疲弊している。台風一過の如く「アベノミクス」に湧いたあの現象は何だったのか。輸出産業はこの一瞬を逃すまいと昼夜に問わず仕事に勤しんだ。がその恩恵が報われず今国民生活はバブル以後最低の有様である。政府が言う「アベノミクス」成功の前よりの悪化である。これでもし消費税をまたもや上げれば、個人消費は衰退し、かってない大恐怖を迎えてしまう。そうなれば円の価値は下がり、国債は暴落しこの国は完全に破綻を迎える。そうならないためにも、安倍政権には現実味のある政策を期したい。