これが国会議員だ、選挙の時だけの公約、当選後はひたすら知らないふり

「土下座でもなんでもします。ぜひ、この候補を支援してください」
北海道帯広市。農協関係の支援者の前で参院選候補者とともに両手をついて涙声で訴えるのは、中川郁子・衆院議員(北海道11区)。
 昨年暮れの総選挙で、急死した夫・中川昭一氏の弔い合戦で当選したが、そのときの公約が、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)断固反対」。 「国内随一の食料供給基地である十勝を守ります!」と演説して回ったのだ。
 しかし、自民党が政権復帰を果たすと、安倍首相はTPP参加を表明。中川氏は地元で「アンタ、わしらに嘘ついたんか。十勝を守るんじゃなかったのか!」と罵倒された。それでも支部長として参院選に臨まねばならず、針のムシロだ。
 中川議員だけではない。TPP断固反対を公約に掲げて衆院選で当選した自民党議員は、その数104。
  「TPPに参加すれば、震災で甚大な被害を受けた東北地方、日本の農林水産業は厳しい状況に立たされる」と言った小野寺五典氏、「TPPは絶対反対。日本の農業や公的医療保険制度を破壊する」と演説していた田村憲久氏は、当選後にチャッカリ入閣。それぞれ防衛相、厚生労働相だ。とはいえ、やはり因果応報か。自民党選対関係者は「東北の農家もブチ切れ寸前」と困惑気味である。
 「選挙後のTPPは鬼門。参院選では幸い、保守票は反TPPの野党には流れませんが、怖いのはその後。農業団体から“勝たせてやったから、言うことを聞け。農産物の関税を下げるなら、農家が食えるだけの補助金を出せ”と要求されるでしょうね」(前同)
 ある選挙区の候補事務所関係者も、こう言う。 「自民候補者は演説で、TPPについてサラッとしか触れない。避けたい論点なんです。ただただ、“アベノミクスで景気はよくなる”というのを前面に押し出している人が多い」
ごまかしきれるか。
 

これ『東北農家がブチ切れ寸前 自民党の「軽薄TPP公約」』と題した週刊大衆7月29日号の記事である。
 

 騙す議員が悪いのか、騙される有権者が悪いのか。いつも選挙のたびに見られる光景である。
 しかし、今回の選挙は自民党にとって負けられない選挙だった。
 政権党として、望んだ、第1次安倍政権が2007年(平成19年)7月の第21回参議院議員通常選挙でよもやの敗退で、以後今日までの政治混迷の土台を作ってしまった「ねじれ」の元凶として、次の福田康夫元首相と共に政権投げ出しと言う、前代未聞の政治史にも無い不祥事で政権交代が起きてしまったからである。その汚名を払拭する意味でも、勝たねばならなかったのである。そのためには、この記事にもあるように、ただひたすら嘘をついてもだった。自民の本部は、「アベノミクス」に浮かれ地方末端までその思いを共有してなかった。が地方は記事のように必死だった筈である。時には政治は厳しいものである。政権党とは厳しいものである。何故なら野党のように批判だけしてられないからである。改憲問題しかり、TPP問題しかりである。しかし、サイは振られたのである。地方議員は今後、雲隠れするかの針のムシロだ。いつまで耐えられるか見ものである事は確かである。が、いづれにしても国会議員は結果責任が付きまとう事だけは覚えておいた方がよさそうである。野党も同じである。そうやってグルグル回りまわって、またもや政権が野党に転がってくるかも知れないからである。