負け惜しみでは無いが、都議選での自公の圧勝劇は民主と維新のオウンゴールだ

都議選での自公の圧勝劇は過去2番目の低投票率の中、組織が堅かった自公共が強かっただけです。昨年末の総選挙に続いて非自公の有権者はゲーム感覚で大量に投票をパス、自公に乗り換えぬ意思表示をしました。全員当選で大勝ちした自公政権には、票の移動が無かった点で不気味ですらあるはずです。7月の参院選までの期間が短すぎるので同じ傾向が続く可能性が高いと見られますが、その後は政治的受け皿の出来次第でいつでも大きな様変わり、政権交代があり得る状況が継続します。
昨年の総選挙比例区東京ブロックで、民主が100万票、維新が130万票、みんなの党が76万票を得ています。これと今回の都議選で得た得票数を比べると、失った票は民主40万票、維新100万票、みんな46万票に達します。総選挙から都議選の投票総数の落ち込み197万票が3党の失った票でほぼ説明がついてしまいます。結果としての当選者数は圧倒的ながら、自公に大して票が動いていません。
昨年の「政治から降りずパスした有権者ゲーム感覚に問題」で紹介した石破自民党幹事長の談話「民主党に逆風は吹いているが、『自民党頑張れ』というのとは違う感じを持っている。仮に自民党が多数の議席を獲得しても、錯覚を起こしてはいけないというのが実感だ」は、依然として有効だと思われます。各地の首長選で自民が負けている事実も自民に追い風を感じさせません。
総選挙と比べて大きく票を失った3党の行方はどうでしょうか。民主党は総選挙大敗の上に、総選挙時点からもう一段の有権者離反です。共産に抜かれた第4党15議席の数以上に深刻です。海江田代表の党再生は評価されなかったと見るべきでしょう。細野幹事長のぼそぼそした発言も愚痴にしか聞こえない場面が多いと思います。
比例東京ブロック得票率20%の実績から大躍進を狙った維新は、現有3議席を2議席に減らしました。総選挙から100万票を失い、党としてほとんど終わったと評すべきです。従軍慰安婦をめぐる橋下代表発言が決定的でしたが、その前から何のために存在する政党か説明できなくなっていました。みんなの党は7議席を得たものの失った票は大きく、維新と合わせた第三極運動はしぼんでしまう勢いです。
 

これyahooニュースでの「都議選で再び大量パスした有権者、自公に乗り換えぬ」と題した団藤保晴 ( ネットジャーナリスト、元新聞記者)さんの記事である。
 

 正にこの記事の言う通りで完勝と見える自公、内実そうではなかったと言う証でしょう。維新は善し悪し別に完全に存在感を失ってしまった。来るべき夏の参議院選は野党としての今後を占うみんなの党と自公がどんな戦いをするのか、ねじれを解消出来るのかが焦点となろうが、弱いものいじめの嫌いな日本民族、さてどんな投票行動を起こすのか、私にはまた別の意味で興味深い。