復興費を震災にこじつけ関係ない所で使う これは国会議員が役人に馬鹿にされた証だ

 【古城博隆、座小田英史】東日本大震災の復興予算で2千億円がついた雇用対策事業のうち、約1千億円が被災地以外で使われていることがわかった。被災地以外の38都道府県で雇われた約6万5千人のうち被災者は3%しかおらず、被災者以外が97%を占める。「ウミガメの保護観察」や「ご当地アイドルのイベント」など震災と関係のない仕事ばかりで、大切な雇用でも復興予算のずさんな使われ方が続いている。
 この事業は厚生労働省が担当する「震災等緊急雇用対応事業」で、被災者などの雇用を支援するため、2011年度の復興予算で2千億円がついた。臨時や短期間の仕事に就いてもらい、生活を支える目的だ。
 このうち915億円は、東北や関東などの被害が大きかった9県が運営する雇用対策基金に配られた。11~12年度に計約6万人が雇われ、その約8割を被災者が占める。
 一方、残る1085億円は被災地以外の38都道府県の基金に配られた。朝日新聞が38都道府県に聞いたところ、11~12年度に雇われた人は計約6万5千人にのぼるが、被災者は約2千人にとどまった。
 

これ「復興予算、雇用でも流用 被災地以外に1千億円」と題した朝日新聞デジタル3日朝の報道だ。
 

 東日本大震災の被災地では再建が遅れているのに、復興予算の流用が止まらない。安倍政権の対応も後手に回り、今も放置されている状態だ。
 白浜沿いの道路に「ウミガメ上陸 日本一」の看板が立つ。被災地から遠く離れた鹿児島県屋久島町にある「いなか浜」で、なぜか復興予算が使われた。
 鹿児島県は昨年、ウミガメの保護監視のために約300万円を使った。10人を雇い、浜に上がるウミガメを数えたり観光客にマナー向上を呼びかけたりした。
 お金は、厚生労働省の「震災等緊急雇用対応事業」から出ている。被災者の雇用支援などのために復興予算から2千億円がつき、47都道府県が運営する雇用対策基金に配られた。
 だが、屋久島町では呼びかけはしたものの、被災者の応募はなかった。町の担当者は「島に被災者がいたかどうかもわからない」と言う。雇われた男性(50代)は「ウミガメを数えただけで、安全な場所に卵を移すようなことは求められなかった。被災者どころか、ウミガメのためにもなっていない」とあきれる。
 東京都でも同じ事業で復興予算をもらった基金がいろいろなことに使われた。
 東京都三宅村(三宅島)は昨年度、海岸の清掃に8人を雇った。こちらも、担当者は「被災地から避難してきた方はおらず、島の人を雇った」と打ち明ける。
 東京都青梅市では公立小中学校のトイレ掃除のために32人を雇った。2010年度に1校あたり月4回から2回に減らしたが、復興予算で月4回に戻した。
 岐阜県ではスポーツだ。経営再建中のサッカーJ2「FC岐阜」を知ってもらうため、昨年6月~今年1月のホームゲームがある時に基金のお金を使ってPRイベントを開いた。
 山口県は、ゆるキャラ「ちょるる」を使ったPR隊の結成に使っていた。基金から1400万円が投じられ、20人を雇った。
 ご当地アイドル「バードプリンセス」の活動に4千万円を使ったのが、鳥取県だ。昨年開かれた「国際まんが博」を宣伝するために県が結成し、いろいろなイベントに出向くなどした。
 半分はメンバー7人などの人件費、残り半分は衣装代、レッスン代、レンタカー代などにあてられた。県の担当者は「避難者の応募はなかったが、厚労省の取り決めに沿っていて、なんの問題もない」と言う。
 確かに、厚労省基金に配る時の取り決めで「被災者もしくは震災後に失業した人を雇う」としている。これが復興予算の使い道をおかしくした。
 多くの都道府県は、基金に配られた復興予算を今年度末までにほぼ使い切る見通しだ。沖縄県は32億9千万円のうち3割をこれまでに使い、今年3月には、残る7割も今年度内にほぼ使い切る方針を決めた。
 政府は昨年11月、復興予算の流用が問題になったため、使い道を被災地復興と被災者の生活再建に限ることにした。だが、流用に歯止めはかかっていない。
 ■各省庁、震災にこじつけ
 流用が続くのは、民主党政権が復興予算をつくった時に十分チェックしていないからだ。だが、安倍政権も復興予算を増やすことばかりに気をとられ、流用をふせぐ対策が遅れている。
 流用は昨年秋、復興予算のうち2兆円規模が「沖縄の国道整備」など関係のない事業に使われていたことがわかり、問題になった。
 これを受けて、当時の民主党政権は被災地以外に使わないことにしたが、すでに始まった事業のうち「復興予算にふさわしくない」として停止したのは35事業の168億円分しかない。ほとんどが使われたか、業者と契約済みになっていて後の祭りだったからだ。
 政権交代後、安倍政権は「震災後5年で19兆円」の復興予算の計画を「5年で25兆円」に増やすことにした。だが、流用をチェックする態勢は整っていない。
 今年5月、自治体などの基金に配られた約1・2兆円分も流用されていることがわかったが、把握できなかった。ようやく調査に乗り出したものの、今も対策は打ち出せていない。
 なぜ、流用は続くのか。
 各省庁は予算を獲得しようと「震災の影響で企業が経営難になった」「被災者が全国に避難している」などとこじつけ、流用のきっかけをつくる。「道路や橋が必要だ」と主張して、むだな公共事業をつくってきたのと同じ構造だ。
 監視も行き届かない。とくに各省庁が自治体などの基金に配ってしまうと、何に使われているかを把握しにくくなる。財務省幹部も「各省庁が基金を抱え込み、中身がどうなっているかがみえない」と言う。
 (座小田英史、古城博隆)
 ◆キーワード
 <復興予算> 政府が東日本大震災の復興に使うために一般予算と別に設けている予算。安倍政権は「5年で25兆円」と計画する。このうち10・5兆円は「復興増税」でまかなう。今年1月から25年間は所得税所得税額の2・1%分が上乗せされる。14年6月から10年間は住民税に年に1千円が加わる。
 ■復興予算は被災地以外の事業に多く使われてきた
◇復興予算が流用された主な事業(昨年秋に発覚、計約2兆円)
反捕鯨団体シー・シェパード」対策関連費(農林水産省
沖縄県国頭村の国道工事、小笠原諸島振興開発事業(国土交通省
中国におけるハイレベル交流(外務省)
東京などの税務署の耐震改修(財務省
刑務所で洋裁機器購入(法務省
クールジャパンによる日本ブランド復興キャンペーン(内閣官房
自立・分散型エネルギー導入等によるエコタウン化事業(環境省
国立競技場補修費(文部科学省
◇流用されている主な「基金」(今年5月発覚、計約1.2兆円)
森林整備加速化・林業再生基金農水省
震災等緊急雇用対応事業(厚労省
建築物節電改修支援事業補助金、定置用リチウムイオン蓄電池導入支援事業、エネルギー管理システム導入促進事業、住宅用太陽光発電高度普及促進復興対策基金経済産業省
 

こちらは「ウミガメ数えただけ・ご当地アイドル経費 止まらぬ復興予算流用」と題した同じ朝日新聞デジタルの報道だ。
 

 こんなの良く監視してれば解かるものをと言いたいところだが、官僚・役人におんぶに抱っこの議員先生方は、彼らにコケにされた事すら解かっていない。要するに国会答弁と同じである種のパフォーマンスとしか考えられない。つまり国民向けに、真剣にやってるように装ってるのが国会答弁なのである。本当に政府に質すつもりなら、その検証質疑答弁もあるからであるのに、質問しっぱなしで終わっているからである。これは国会議員が真剣に国民を、国策を自分のように考えていないからである。それとも何か官僚・役人に借りでもあるのかとも言いたくなる。さもあろう。常日頃自分達の仕事である政策立案等を官僚・役人に丸投げしてるだろうから、強く言えない訳だ。官僚・役人もずる賢い。国会議員の仕事を肩代わりしてる訳だから強い訳である。そうしておけば、自分らに都合の良いような政策・条例・規則・規定の可否に便宜をはかってもらえるからである。いわゆるgive and takeなのである。これは今に始まった事では無い。それこそ神代の昔より、染み付いた彼らの「皆で渡ろう赤信号」的集団心理の悪事なのである。彼らは決して単独ではしない。責任を回避するためにいつも集団なのである。この考えは恐らく日が西から間違って上がっても変わらないだろう。
 
 話を記事に戻せば、官僚・役人の彼らは建前だけがあれば良いのである。何故なら誰も国会答弁と同じで、建前の要するに予算さえあればどんなこじ付けをつける事等、今までに培った悪知恵等は朝飯前だ。(笑い)その後に検証等しない事解かってるからである。彼らは議員先生方の特質を知り尽くしてもいるのである。これはある意味馬鹿にされてる事なのだが、肝心の先生方はそこまで考えれる方少ないのである。だからこそ彼らは予算書の読み替えや、こじつけはたまた理由付けお茶の子さいさいである。悲しいかな、頭の構造が官僚・役人と先生方とは雲泥の差だからなのである。
 いつも紹介してるが官僚・役人とは『与えられた仕事は忠実にこなし、決して前例を作らず、前例を踏襲し、「責任」と言う言葉に異常に反応し、それの回避には天文学的才能を発揮する人種である』と言って良いからである。