「アベノミクス」は崩壊する?

 最近の物価の状況は未だに不況期のままである。当然に給料も上がる筈無く、たまたまコンビニエンス業界は、安倍首相の「給与引き上げ要請」に応え、社員の給与を引き上げると発表して男を上げたがしかし、この業界は従業員のほとんどがアルバイトで成り立っており、正社員は全体の微々たるものでしかない。
 企業が給与を上げるとしても、それは正社員からであり、決して、契約社員やアルバイトのためではない。安倍首相の要請を逆手に取ってくだんの宣伝費を給料に向け、それこそ費用対効果以上のイメージアップにつなげた手法は見事と言う他無い。
 思うにこのデフレ不況は、何の事無い、経済的原理を逸脱した、人間の心理の低落に他ならない。つまり理屈では説明出来ないものであると言う事である。簡単に言えば隣がやれば気になりそれに追随する現象に似ているからである。隣が何かを買えば気になり買う?。隣が何も買わなければば気が楽になり買わない?。と言うようでないかと私は思っている。それを「インフレターゲット」に移行すべく無理に、経済的原理手法をとった。人間の心理は数式にそぐわないものである。何故ならこのデフレ不況期に、人間の心理は守りに入り、しぼんでしまったのである。それがデフレ不況の原因である。例え日銀がいくら金をばらまいても、国民が使わなければ黙阿弥である。果たして国民が安倍首相が言われるように、そのだぶついた金を消費に回すかである。守りに入れば入るほど人間の心理は不安になり、持った金を使わず溜め込んでしまうのである。それを「アベノミクス」は強制的に数式に当てはめようとしたのである。「アベノミクス」は完全に間違った事が1つだけある。それは給料がいくらかでも上がれば消費に向かうと考えた事と、それをサラリーマン世帯しか見なかった事にある。小泉改革でやった、派遣法を頭に入れなかった事である。私が前記した正社員と派遣社員やアルバイトとの比率を見誤った事である。それでも「アベノミクス」に功は無い訳でも無い。少なくとも「アベノミクス」により物価が上がり、給料が上がると言う期待感だけはいくらか浸透したと言う事である。だがそれは為替に群がった一攫千金を夢見た、机上でしか商売しない、額に汗して働かない人種にしか恩恵は無かったのである。逆説すればそれこそ為替による格差社会を生んだ最悪の政策と言えよう。
 「アベノミクス」は失敗したのである。このまま物価が上がらず、また給料が上がらず、消費が増えなかったら、安倍首相はどう責任を取るつもりなのか、聞いてみたいものである。経済原理と机上の計算だけを信じ、それこそと思った経済学者に安倍首相は翻弄されたのである。