あの夕張市の今は?

財政破綻から5年。破綻した夕張市の財政は今、どうなっているのか?私は知りたくていろいろ調べたら、それに関した記事を見つけたので紹介したい。
 
 9月末に総務省が発表した全地方自治体の財政悪化度の調査結果によると、破綻懸念のある「財政健全化団体」は青森県大鰐町大阪府泉佐野市の2市町村、破綻状態の「財政再建団体」は2007年に破綻した北海道夕張市のみだった。
財政破綻から5年。今、夕張市はいったいどうなっているのだろうか。
破綻した自治体はまず国(総務省)の管理下に入り、容赦ないリストラを受けるハメに。「夕張市の場合、給与は約4割削減され、破綻前にいた職員300人が現在は120人ほどに激減しました」(夕張破綻を調査する北海学園大学の西村宣彦准教授)。
“これじゃやってられん!”とばかりに幹部候補の若手職員の多くが自主退職の道を選んだ。続けて市役所の取引業者が市外へ撤退。連鎖的に関連業者も後を追う。「結果的に、市商工会議所の会員数は破綻前の300社から200社に減りました」
人口流出が止まらなくなり、夕張市の場合は06年の約1万3000人から6年間で約3000人減少。「このペースでいけば、財政再生計画が終了する2027年には5500人前後にまで減る計算になります」
町に残る住民は「全国最低の行政サービス」と「全国最高の市民負担」を強いられる。夕張市の場合、市民税3000円⇒3500円、軽自動車税1.5倍、入湯税(150円)導入、下水道使用料1470円⇒2440円、ゴミ処理手数料新設などが負担増。
一方で、集会所、公衆便所、公園、小中学校などの公共施設が休・廃止される。「夕張市内の公園はすべて維持管理がストップし、草はボーボー。古い遊具も放置されて誰も寄りつかなくなり、計9校あった小中学校は2校に減って転校児童の何人かが不登校になりました」
今年2月には閉鎖中の市立美術館が雪の重みで倒壊。除雪予算が削られ、除雪車を出動させる降雪基準が破綻前の10cm以上から15cm以上に引き上げられたことがその背景にある。
さらに命に関わる問題も。「破綻後の病院の閉鎖や縮小に伴い治療も廃止されます。夕張市の場合は透析治療が市内で受けられなくなり、腎臓病の患者は約40km離れた隣町の病院まで通っています」
忘れてはならないのは、夕張並みに悪化しているのが日本全体の財政だということ。同じことが全国で起きる可能性もある……。     (取材・文/頓所直人 興山英雄)

 
週プレNEWS 10月17日(水)の記事である。
 

 
 思うに夕張市民は言葉にならないほどの苦しみを味わったろうと思う。しかし、これが現実とも言える。
 私はこう言う時にいつも役人・公務員の事を思う。給与が約4割も削減されたらやはりやっていけなくて、転職の道を選ぶだろう。彼らはよもや自治体が破たんするとは思わずに、夢を持って夕張市を選んだと思われる。昔から良く言われてた。民間会社はいつ倒産するかもわからないが、役所はそんな事絶対無いと皆そう言ってたし考えていた。だから地方では、給料はあんまり良くないが安全・安心だとして永久就職としての職業のトップを飾っていたのは事実である。しかし、夕張市がそのタブーを侵してしまったのである。だが戦後の復興の旨味を知ってしまった国民は、何故か危機感を持たず、一種の特異現象としか考えず、そんなに深刻さも無く現在に至っているのではないだろうか。恐らくこのまま行けば数年後には再建団体を脱却するからである。確かに国や地方自治体、特に東京都の援助を仰ぎここまで来た。それも自治体同士の横のコミニケーションの結果だろうとも思う。夕張市には悪いが、潤ってる財源での手の差し伸べ、私は何か東京都の援助は不純さがあるようで不満である。そりゃそうだ、夕張市への人的援助の費用など東京都にとっては、蚊に刺された位しか無い。懸念するのは東京都の属国になりゃしないかと思う事だけである。
 
 私は市民もそうだが、それを経験した夕張市職員がこうなった原因と現状を全国の自治体職員に発信して頂きたいと願い記事にした。