京都市の財政危機は革新府政や市政に行き着く?

財政破綻の危機 市民は怒りをあらわに・・・

市民たちは怒っていました。

 

「本当に情けないと、私は思っています!」

「福祉を削ってお金を振り向ける、こんなことをコロナ禍でやらせていいのか!」

 

その矛先が向けられているのは…世界的な人気を誇る古都・京都市

 

京都市 門川大作市長)

「このままでは10年以内に、京都市の財政は破綻しかねません」

 

なんと、財政は火の車。将来見込まれる借金などの負担の重さを示す「将来負担比率」が、政令指定都市でワースト1、実質的な借金の残高は8500億円に上り、財政破綻の危機に直面しているのです。

 

今後5年間で、1600億円の収支改善を目指すという京都市。伝統と文化の街で、いま何が起きているのか?その原因と将来の姿を徹底追及しました。

 

■なぜ?京都市が財政危機に瀕したワケ

 

新型コロナウイルスの感染拡大前は、多くの観光客で溢れていた京都市。財政危機の原因は何なのでしょうか?2021年6月、赤羽国土交通大臣とオンラインで面談した京都市門川大作市長。その口から飛び出したのは…

 

京都市 門川大作市長)

「経営危機に直面する、市バス・地下鉄事業への支援でございます」

 

新型コロナの影響で収支が悪化している、市営地下鉄への財政支援の要望でした。財政危機の大きな原因となっているのが、この地下鉄です。バブル期に建設を続けた市営地下鉄・東西線は、事業費が想定より膨らんだ一方、1日の利用客は、当初見込んだ数に一度も達していません。収支は独立して成り立たず、2004年~2017年までで、京都市が借金で約1000億円を穴埋めし、その返済が財政を圧迫しているのです。

 

さらに、京都市は“支出”だけでなく、“収入”でも不利な構造を抱えています。地方財政に詳しい、立命館大学の森裕之教授によると…

 

立命館大学 森裕之教授)

「市町村の税収の中心は『住民税』で、これは住んでいる方の所得にかかってくるお金です。そしてもう一つが『固定資産税』という、土地とか建物にかかってくるお金です。この2つが大きいんです」

 

ところが京都市では、景観保護のための厳しい高さ規制のために、固定資産税が見込める高層マンションなどの建設が難しく、税収を増やしにくい構造になっています。その一方、固定資産税がかからない神社仏閣は多く、“古都”という側面が、税収が増えない要因になっているのです。さらに、人口の約1割に相当する15万人の大学生を抱える“大学の街”であり、住民税を納める人の割合は約43.1%と、政令指定都市で最低です。

 

一方、コロナ禍が収束すれば、観光客の増加が見込まれますが、財政の改善への影響はそれほど大きくないといいます。

 

立命館大学 森裕之教授)

「観光客の人が来られて、例えばお土産を買うと、そこの企業やそこで働いている人の給料になります。その給料などに対して税金がかかっているので、京都市の税収が上がるということは間違いありません。でも、上がり方がどうなのかというと、そこまで大きくはないんです。観光客で財政危機の事態が改善するということにはならないんです」

 

■遂に“禁じ手”まで… 改革案には、またもや市民の怒りが

 

税収が増えにくい構造の中で、地下鉄建設の借金返済が重くのしかかる京都市。しかし、高齢者が一部の負担でバスや地下鉄に乗れる「敬老パス」など、独自の行政サービスは維持し続けた結果、収入の不足を穴埋めする“禁じ手”に手を出しました。それは、将来の借金返済のために積み立てた、基金の取り崩しです。

 

立命館大学 森裕之教授)

基金は、借金の満期が来たときに返すお金として積んでいるので、積み立てたお金があるからといって収入の不足を埋め合わせるために使っていたら、借金の返済が来た時に、返済へ回すお金が不足しているという状況が起こるわけです。通常で考えるとやるべきではない。これが京都市の場合は恒常的に行われているんです」

 

京都市は、2005年度からこの基金を取り崩していて、このままでは5年後に底をつく見込みです。10年以内には、企業の“破産”に当たる「財政再生団体」に転落するおそれがあります。

 

全国で唯一「財政再生団体」に転落した、北海道・夕張市では、公共施設が次々と閉鎖。市民税や下水道料金は値上げされ、家庭ごみの処理が有料になるなど、市民サービスは大幅に削られました。かつて約11万人いた人口は、7000人余りに激減したのです。

 

財政危機が深刻化する中、2021年6月に京都市がまとめた行財政改革の計画案では、2025年度までの5年間で、1600億円の財政改善を目指すとしています。計画案には「聖域なく不断の見直しを行う」と明記され、5年間で市の職員を550人削減し、給与カットにも乗り出すとした上で、 「敬老パス」の見直しなど、市民サービスの大幅な削減も盛り込まれました。これに対し、市民たちからは怒りの声が上がっています。

 

京都市行財政改革計画(案)に物申す!怒りの集会・7月2日/京都市内》

「はっきりしているのは全部の世代、全ての階層に対する福祉と住民サービスの削減です」

「お寺が多い!1000年前から分かっていた!地下鉄赤字!作る前からわかっていた!市長はいったい何してたん!」

 

■大きな影響を受ける“子育て世代”

 

さらに不安が広がっているのが、“子育て世代”への影響です。京都市は独自の補助金で、保育士の配置数を国の基準より多くしてきました。しかし今回の計画案では、この人件費などが含まれる年間60億円の補助金も、見直しの対象となっています。

 

一乗寺保育園 荒堀育子園長)

「給与に影響があるということは、働き続けようという気持ちが持てないことに繋がるので、これはとっても危機感を感じました」

 

さらに京都市は、保育料の値上げも含めた検討を進める、としています。

 

一乗寺保育園 荒堀育子園長)

「子育て世代の方が『これやったら、かなわんな』と、京都市で生活するのをやめておこうとなって、人口そのものも減っていくと、京都市自体が破綻するのではないかというくらい、心配が膨れ上がっています」

 

実は京都市では、すでに30代の“子育て世代”の市外への流出が始まっていて、ここ5年は毎年、転出が転入を1000人以上、上回る状況が続いています。その背景には“京都市特有”の原因があるのです。

 

■住宅価格を高騰させる“別荘”

 

実はいま京都市内の住宅が、“別荘”として中国の富裕層に人気となっているのです。

 

(京都で不動産会社を経営 王頴 社長)

「中国の上海に在住しているお客様が、セカンドハウスとしてお持ちの住宅もあります。京都の街づくりは、全体的には昔の中国の西安からそのままこっちで作られているので、一つ一つの町屋の建物も、昔ながらのものがそのまま残されているというのが、すごく魅力だと思います」

 

その“人気”ゆえに、京都市内の住宅価格は高騰。家を持ちたい“子育て世代”が、市外へ流出する一因と指摘されています。そこで、京都市が検討しているのが、人が住んでいない住宅の所有者に対し税を課す、いわゆる“別荘税”です。

 

京都市税制課 中上博幸担当課長)

「空き家、別荘、セカンドハウスといった、居住者のない住宅に対して新たな負担を求めることによって、土地建物の有効活用や居住の促進を図る、ということです」

 

これには、住宅価格の高騰を抑え、“子育て世代”の流入を図る狙いがあります。京都市内に別荘を所有する中国人男性は、こう話してくれました。

 

京都市に別荘を所有 中国人男性・35歳)

「投資家としてみたら税金が無いに越したことはないが、京都が好きな者として、そういうことも仕方がないのかなと思うし、理解できます」

 

しかしそれでも、別荘税から見込まれている税収は、8億円から20億円程度です。

 

京都市税制課 中上博幸担当課長)

京都市の財政の状況を、抜本的な改善につなげていくような規模にはならないんじゃないかと考えています」

 

■“子育て世代”にはすでにしわ寄せが―

 

財政難でさらなる流出が懸念される“子育て世代”だが、すでにしわ寄せが及んでいるといいます。長女を市営の保育所に通わせている、育休中の40歳の女性は、2020年10月に2人目の子どもが生まれ、1人目と同じ保育所への入所を希望していました。ところが…

 

(育休中の女性・40歳)

「今その保育所が、新規入所の募集を停止しているということで、入れない状態になっています」

 

京都市聚楽(じゅらく)保育所は、市の財政難などで民間に移管される予定でしたが、事業者側が辞退。市営保育所として残ったものの、0歳児などの新たな受け入れを停止しました。その結果この女性は、2人目の子どもを同じ保育所に預けることはできず、職場復帰をするには別の保育所に預けざるを得ないといいます。

 

(育休中の女性・40歳)

「いろんな子育てのサービスが書いてある封筒をもらうのですが、そこには『子育て・教育環境日本一』と書かれています。さらに、その封筒の中には市長からの手紙が入っていて、『子どもは社会の宝ですから、大事にみんなで地域で育てます』と。その手紙の内容自体は素晴らしいんですけれども、やっていることと言っていることが全然合っていないなと思って…」

 

“子育て世代”へのさらなる負担増につながる財政の改革計画案は、8月にも正式決定される予定です。

 

(育休中の女性・40歳)

「もちろん財源に限りがあるというのは当たり前のことなんですけれども、この“子育て世代”を手厚くすることが、財政を圧迫するほど、本当にそんなにお金がかかることなのかなと思います。未来のある子どもに、よりお金を使ってほしいなと願っています」

 

立命館大学 森裕之教授)

「大切なのは『将来像』なんです。『将来像』をきちんと描いて、何を残し、何を削り、何を我慢するのか、ということを考えていかないといけないんです」

 

危機に直面する京都市は、未来の世代に何を残すのでしょうか。残された時間はわずかです。

 

(かんさい情報ネットten.  2021年8月3日放送)

 

 

これ『【特集】京都市が“破産”危機!借金8500億円…10年以内に財政破綻…伝統と文化の街にいったい何が!?』と題した読売テレビ8/6(金) 12:31の配信ニュースである。

 

 

昔の日本の首都京都の財政難は、革新政治に身を任せるような姿勢をとった市民の自業自得と言える。

半世紀にも及ぶ政治を蜷川虎三さんをはじめとする左翼政治家に牛耳られ、資本主義の根幹である収支経済を取らず、革新政治家特有の住民の社会保障費を優先した結果である。しかもそれをコロナにかこつけ、確かにそれもあったろうが、以後の政治家たちがそれらを顧みず慢性的に普通の市政をとった結果でもある。また古都京都は景観保護のための厳しい高さ規制のために、固定資産税が見込める高層マンションなどの建設が難しく、税収を増やしにくい構造になっていた事も影響し、自治体特有の首長や職員の養い税である固定資産税を取れなかった事も影響したと言えるが、府や市の首長や職員が自治体の将来を左右する経済観念の欠如が財政圧迫の背中を押したとも言える。第三者的に見れば、府や市のトップを選んだのは間違いなく府民や市民だと言う事を京都県民や京都市民は忘れてるのが実情だ!