医療費の高騰 病院に昼近くにたむろする医療営業者も同罪か

 京都大学大学院薬学研究科の元男性教授が公的研究費を流用したとされる問題で、元教授による04~11年度の業者との取引状況の全容が分かった。毎日新聞の情報公開請求に京大側が応じた。それによると、元教授は186業者・個人と金銭をやりとりしていたが、取引件数の約4割、金額ベースでは5割以上が、「預け金」をしていたとされる東京都世田谷区の医療機器販売会社に集中。同社と元教授との癒着ぶりが鮮明になった。
 情報公開されたのは、元教授がセンター長を務めていた「最先端創薬研究センター」や研究室など、元教授が研究費を管理できる部署における04年度以降の8年間の取引記録(03年度以前は公開対象外)。契約日、業者名、品目、金額などが記載されている。
 取引記録によると、同センターや研究室は全1万1796件の物品購入のうち約4割に当たる4713件について世田谷区の医療機器販売会社と契約。金額では総額9億7175万円のうち4億9702万円、51%を同社が占めていた。
 大学関係者によると、大半の研究者は癒着を疑われることを避けるため、取引先を分散させているという。京大薬学部の関係者は「問題の会社は消耗品から実験機器まで一手に引き受けており、元教授との関係はかなり特殊。学内では『元教授のお抱え業者』という認識だった」と、元教授と同社との特異な関係を証言した。
 同社は元教授が91~03年に在籍していた「国立成育医療研究センター」(世田谷区)とも取引があった。元教授は同センター在籍当時から、実際には物品が納入されていないのに納入されたと偽って同社に代金を支払い、その支払金をプールさせる「預け金」をしていた疑いがある。
 同社は元教授が02年5月に同センターの薬剤治療研究部長を兼務したまま京大に着任すると、03年7月に京大薬学部の近くに「京都オフィス」を開設した。しかし、11年10月に経営破綻し、同センターに対しては約3億7900万円の債務が残っている。
 
 
この記事毎日新聞の報道である。
 
 

 この記事を見てなるほどと思った事がある。一般の皆さんご存じないかも知れないが、私みたいに病気で入退院の繰り返しをしているものには良く解かる。がそれに興味のない人間は只見過ごしてしまうが、私みたいに暇で興味旺盛だと、看護師さんや病院関係者に根掘り葉掘り聞いて情報としてインプットしておくのである。
 
 最近の医療費の高騰、青天井である。とても年金問題なんて問題にならないくらいかもしれないと思っている。
 話を戻そう、この病院に昼近くにたむろする医療営業者を通称プロパーと言っているらしい。新薬や、医療器具等の売込みらしい。病院でこれらを使用する場合にはやはり医師の許可は当然、あるいは医師当人の指示によるものが殆んどである。最終的には病院の経営委員会等の判断によるが、ほぼ医師の判断つまり現場に任されると言って良い。病院は普通の企業と一緒だから8:00から17:00に終わる筈である。手術等の特殊事情は除かれるが、概ねその通りである。と言う事は、何もお昼頃でなくても良い筈なのだが、病院は患者の診療が仕事である。と言う事は医者はその診療が終わるまでは、時間は無く、お客さん(患者)が居なくなるまでが仕事なのである。と言う事は仕事中にそのプロパー、コンタクト取ろうものなら、医師にこっぴどく怒られ、以後出入り禁止と相成る。だからこそお客さん(患者)が居なくなる、お昼過ぎと言う事になる。 このプロパー、自社の製品(薬や医療器具等)使ってもらわないと会社をクビになってしまう。とにかくシビアな商売なのである。
 
 患者の皆さんは病院に行って気付く事あると思うが、医師がたまに「別の薬使ってみましょうか」と言う事がある。これは何の事が無い、新しい薬つまり新薬である薬を、このプロパーから紹介されたから、じゃあ使ってみようと言う事で早速医師が患者に処方するのである。何の事はない我々患者はモルモットと言ってよいのである。つまり臨床実験者であり、その使用感と不具合を調べるため、医師は必ず次回に「どうでしたか」と聞くのである。その使用結果データがその医師を通して製薬会社に流れるのである。新薬の開発にはこのように、我々患者の使用データがかなり貢献してるのである。これはほぼ氷山の一角で、患者の許可を得ず使用されている薬も数多いと聞く。だからこそこの記事の様な不正が横行するのである。とにかく実力のある医師の場合は独裁者と同じと言える。当然そこに金が動くのである。これは神代の昔から変わらない。普通の病院でさえこれである。これが大学病院になれば、聞かなくてもお解かりと思う。教授となれば絶対である、山崎豊子の「白い巨塔」そのものなのであるし、汚い「白い巨塔」なのである。政治より汚いと言えるかもしれない。
 
 その「白い巨塔」に汚されたのが現在の医療費の高騰と言えなくも無い。
 
 私たち国民である患者は、何も知らないのである。国民(社会)健康保険と言う魔術に掛かっていると言って良い。何故ならその掛かった医療費、全部払わなくて良く1~3割の自己負担で済むからである。しかし、医師や病院に払うお金は結果的に我々の税金として間接的に自分で負担してるのである。一番大変なのは、若い比較的病気しない国民であろう。この若年者が間接的に医療費を負担してると言って良い。良く考えれば非常に不公平と言わざるを得ないが、これも神代の昔からの互助の精神があるからであろう。だったらそれを身近な自分の事として実感出来得る医療システムに今変えないと、ここ数年で破綻は目に見えている。それを解決するのが、行政や国会議員の仕事と思えるが、その国の行政と国会議員何を勘違いしたのか、ただその高騰部部分を消費税増税で補えると思ったとしたら本当に浅はかである。静岡の先生が言っていたが、消費税増税は間接税でなく直接税である。と言う事は上がれば上がるほど、輸出関連大企業は「輸出還付金制度」を利用して儲かる仕組みとなり、法人税減税と合わせ、笑いが止まらない。だからの経団連の消費税増税擁護論である事、民自公ご存知か。
 それとお年寄りが増え、暇なお年寄りが行き場を失った地方都市は無残である。暇で体も元気なお年寄りが、お年寄りの集まる病院等医療施設を余暇気分で利用してる実態を見て背筋がゾッとするのを感じている。この年寄り達、只遊びにいけないから、体が悪くなくても診療し、薬をいっぱい貰ってくるのである。また医療機関も心得て、「じいちゃん、ばあちゃん、また明日も来るんだよ」と言われて喜んで毎日病院通いなのである。これで医療費高騰しない筈が無い。これの繰り返しである。
 
 国、自治体、国民と一体となり、それこそ「税の一体改革」そのものの抜本改革を急ぐ方が、消費税増税論より先と思うが、それに気付かない政府・官僚・国会議員である。情けない限りである。