放射能測定器(線量計)は正しいか

 福島第一原発事故から半年。政府や東電のお粗末な対応が生んだ不信感は、いまだに消えていない。
「最近は自己防衛に走る人たちが多い。放射線被害から身を守るために、放射線測定器(線量計)を購入する人が増えています」(大手紙記者)
 事故後、国産の線量計は品薄状態となり、輸入品が増えた。価格は一万円台からあり、ネット通販でも購入できる。こうした製品で測った食品、飲料水などの放射線量がネット上に飛び交い、「政府や自治体の発表した数値より高い」「すぐに避難」といった情報が流れ出る。専門知識の乏しい消費者は、行政サイドが発表する数値と比較して、ますます混乱するばかりだ。
 こうした線量計の数値は、どこまで信頼できるのか。先ごろ、国民生活センターが、価格が五万円前後の線量計九機種の性能テスト(半減期三十年の放射性セシウムの測定)を行った。いずれもネット通販で「売れ筋」「おすすめ」の上位機種で、自治体が貸し出しているものもある。
「消費者が知りたいことは大気中、食品、飲料水の放射線量数値ですが、テストした機種には、消費者が求める性能はありません。これらの機種は外部被曝放射線量を測るものです。大気中の放射線測定ではばらつきがあり、低線量を正確に測定することはできません。数値をうのみにすることは危険」(国民生活センター
 内部被曝は、一台一億円といわれるホールボディカウンター(WBC)で計測できるが、設置している医療機関は少ないため、すぐに検査ができない状態になっている。
 それを“当て込んで”というわけではないだろうが、「簡易型」WBC内部被曝検査を行う病院も出てきた。
「その病院が内部被曝検査で使用する機種のカタログには、人体の内部被曝線量を測れるとは書かれていない。簡易型とは名ばかりで、環境中の放射線をより正確に測定できる線量計にすぎません。また、酸化ストレスマーカーを使って内部被曝を推測し、治療するという病院もありますが、これも誤解を生む。いずれも自由診療で医療費もばかにならない」(放射線の専門医)
 できるだけ正しい情報を集めて冷静に対処したい。
 
週刊文春 2011年9月29日号の記事である。
 

 3.11の大震災による東電原発事故以来毎日のように、放射能の測定の値により危険地域の箇所や、その測定値による風評の被害らしきものが紙面を賑わしている。はたまた、ブログでも毎日のようにこの事を取り上げ、今では、その放射能の権威者とも言われるようになった京大の小出裕章先生や医者であり血管システム科学者の東大の児玉龍彦先生のお話を聞くまでも無く、原子力による放射能の恐ろしさは今では殆んどの方は解かっていると思われるが、肝心な国の一定の基準が定まっていないため、そしてそれを測定する放射能測定器(線量計)ははたして正しい数値を測定出来ているるのかと言う事を私は常々感じていた。まず理屈より、正しい放射能測定が先であると感じている。
 
 余談で失礼であるが、我々建設業関係者は、測定種類は全く違うが、我々建設には切って切れないコンクリートと言う材料がある。これは数日のうちに固まり、設計強度になっているかどうかを簡易的に調べる測定器(強度計)があり、名をシュミットハンマーといい、固まったコンクリートに打ちつけ、その反発により強度を調べる測定器である。この測定器、法律で定められた期間(半年~1年と言うような)に、はたして正しい数値であるかの検査、つまりJIS(日本工業規格)検査が義務付けられているのであるが、そう言う観点からのデータの信頼性が降って沸いたような放射能の測定値に反映してるのかいつも不安に思っているのである。
 
 いろんな事も大事だが、まずその入り口の整備が先ではと思っている次第である。あくまでもこの考えは、素人の目から見ての考えである事をお断りしての話しである事を承知して頂きたい。