国家試験等の手数料は何故高い?

 総務省は14日、国の資格・検査検定制度に関する調査結果を公表した。抽出した139制度のうち、中小企業診断士など32制度で手数料や受験料、講習テキスト代などの料金設定が不適切だったと指摘。制度を運営する23公益法人で不必要な積立金が計121億円あることも判明した。総務省は同日、制度を所管する13府省庁に料金の引き下げや運営の適正化などを促すよう勧告した。
 調査は昨年7月から今年10月にかけて、全447資格・検査検定制度のうち利用者の苦情などを基に、142公益法人が運営する139制度を抽出して行われた。
 不適切な料金設定の内訳は(1)手数料を実費より高く積算した(消防用設備認定など4制度)(2)資格試験で以前合格した科目分を受験料から割り引かなかった(中小企業診断士など24制度)(3)講習で不要なテキスト代を受講料に含めていた(水道技術管理者講習など17制度)―などだった(重複を含む)。これらの制度は2009年度、検査検定で約184万件の申請があり、資格試験で約150万人の受験者がいた。 
 このほか、必要な提出書類が多過ぎたり願書の郵送を認めなかったりするなど手続きの改善が必要なものが、建築士など29制度で見られた。
 不必要な積立金があった公益法人は全国農協観光協会などで、将来特定の支払いに充てる目的で積み立てていながら、実際は具体的な計画はなかった。総務省は法人の内部留保を少なく見せる意図があったとみている。(了)
 総務省が勧告した13府省庁は、内閣府警察庁金融庁消費者庁総務省法務省財務省文部科学省厚生労働省農林水産省経済産業省国土交通省環境省
 
時事通信の報道である。

 
 それでは独立行政法人とはどう言うものであるか。独立行政法人通則法(第2条第1項)では、「国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人」と言う事になっているが実際簡単に言えば、今まで国でやっていたが、ある時期に旧大蔵省や旧建設省、旧農水省などで天下りが問題になったために、グッドタイミング(役所=官僚側から見れば)で行政改革大綱とかと言って行政のスリム化という名目で国立大学や営林署などの現業部門を国の組織から切り捨てて、半民営化したんだ。簡単に言えば、そうやって出来た組織が『独立行政法人』である。 独立行政法人が行う仕事は、本来国が採算度外視で行っていた業務。だから採算性が悪く、なかなか民間企業ではうまみの無い、いわゆる「やり手の無い仕事」であるのである。
 
 財源としては、いちおう利用者から利用料等を得ているが、殆んどは国からの委託事業に対するお金の収入である。これらの積み重ねで出来た内部留保のお金がいわゆる埋蔵金である。
 
 先日私が書いたように、官僚のシステムは事務次官レースに敗れた同期のキャリアがはじき出されて、行き場を失い、それを救済するためにこの独立行政法人があるのである。だから彼らはサイクル的に、法で新しい規制を作り、そのために資格を作り、将来の自分の行き場の確保の為に独立行政法人を多数作っていると言っても過言ではないのである。それが、受験者数を増やし、独立行政法人の売り上げも上がるシステムとなっているのである。
 
 私は何度も言ってきたが、こう言う事に関するひらめきには本当にビックリするくらいの天才的頭脳を発揮する。それが官僚であり、官僚機構・制度なのである。