ノーベル賞山中教授の論文までもが不正か、だとすれば我建設業界ほど厳しいところ無い

 ◇画像や図に疑問点指摘で記者会見
 
 京都大iPS細胞研究所は28日、ノーベル医学生理学賞受賞者の山中伸弥所長が2000年に発表した論文の画像や図に疑問点が指摘されたとして記者会見し、不正はなかったと発表した。ただ、山中所長以外の共同研究者のノートや資料は保管されておらず、山中所長の資料からも問題の画像や図の生データは発見できなかったという。山中所長は「約15年前はデータ保存の意識が十分でなく、研究者として心より反省している」と話した。
 論文は、ES細胞(胚性幹細胞)の分化で重要な役割を果たすNAT1という遺伝子を分析した内容。山中所長が奈良先端科学技術大学院大学助教授だった時に、欧州分子生物学機構の学術誌「EMBOジャーナル」に掲載された。山中所長は「ES細胞研究を始めるきっかけになった思い入れのある論文」と説明した。
 記者会見した山中所長らによると、昨年4月、論文の画像と図の計2点についてインターネット上で疑問点が指摘されていることに気付き、森沢真輔副所長を中心に調査を開始。山中所長は実験ノート段ボール5箱分や過去の資料を提出したが、留学生ら他の共同研究者の資料は保管されていなかったという。
 指摘された疑問点は、(1)NAT1遺伝子を失ったES細胞ができたことを示す画像で、隣り合う二つのバンドが類似している点と、(2)NAT1遺伝子を失ったES細胞の性質を示した棒グラフで、一部の数値がほぼ同じなのは不自然という点。
 研究所は調査の結果、画像や図の実験は1998年ごろに山中所長と複数の共同研究者が行ったと確認できたと説明。この時のES細胞は現在も研究所で使用され、論文の内容は再現されているという。その上で、(1)については、二つのバンドは酷似しているが同一ではなく、コントラストを変えても切り張りした痕跡は認められない。(2)は、論文の図の生データは見つからなかったが、同様の実験の生データがあり、同じ傾向の結果が出ているとして、不正はなかったとした。
 山中所長は「適切でないことを行った記憶もないし、その必要性もなかった」と説明する一方、「日本の科学者の見本となる立場で、ノートの付け方などを学生に厳しく指導している私が、不十分な資料の保存をしていた。心から反省している」と話した。【畠山哲郎】

これ『iPS細胞:山中所長「2000年発表論文に不正ない」』と題した毎日新聞04月28日 21時04分(最終更新 04月28日 23時13分)の報道記事である。

 驚く他無い。ノーベル賞受賞者の論文がと言うより、最近の研究論文の低落である。
我々素人からすれば不思議でしか無い。何故ならその論文、如何にして精査するのか。今までのこれらの論文、放し飼いみたいなものである。つまり書きさえすれば、研究論文と言うのは全て通ると勘違いし兼ねない。例えて悪いが、我々建設関係業者は、公共の工事を受注し完成すれば、それの完成の検査を受け、それが合格して尚且つ所定の申請によって初めて文書課にそれらが回り、所定の手続きによって初めて請求がなされ、尚且つ何10日後に工事代金を受領出来るのである。そこまでの過程においては、専門の知識を持った専門検査員の何重もの検査を受け、そして終わっても、2年(今は10年もの)瑕疵を受け、会計検査院の検査にも縛られ、その瑕疵担保の次第によっては返金や無償手直しの恐れも出てくるリスクをも持ち合わせる。それだけ厳しいのである。研究者から見れば考えられないくらいシビアである。お金を頂くと言うのはそう言う事なのである。研究者は少なくとも、理研に例えれば、何千億に近い税金である予算を頂きこの有様である。我々国民はそう言う意味において今後は、研究者の方々をまるで違った目で見るであろう。もうそれなりの人たちとは決して見ないであろう。