原発事故の影響による電力需給逼迫に思う

 東北6県と新潟県に電力を供給している東北電力電力需給が連日逼迫している。東北電は9日午前、気温上昇に伴う電力需要の増加を見込み、東京電力から最大限の140万キロ・ワットの融通を受けた。
 さらに電力融通枠を拡大することで8日夜、東北電と東電が合意。両社は9日未明、共同出資している常磐共同火力勿来発電所福島県いわき市)について、東電分の60万キロ・ワットを、東北電が受けられるよう工事を行った。
 一方、東電の9日の供給力は、東北電に140万キロ・ワットを融通するため5460万キロ・ワットとなる見込み。ただ、東電は同日の管内の最大電力使用量を4800万キロ・ワット(午後2時台)とみており、供給力に占める電力使用率は87%にとどまると予想している。

読売新聞の報道である。
 
 
 電力の需要・供給を根本から考えると、原発の停止がかなり影響しているのは否めない事実である。 3.11の大震災の以後、連日新聞テレビのメディアではこの原発の危険による停止により、電力会社の節電の要請が行われて来た。ところがそのメディアや当局は決してそうでは無いと数値を示し、否定して来た事も事実である。つまり全国にある55基の原発を全て停止しても、電力供給能力は足らない位あるとの結論付けなのである。電力会社による節電要請は原発維持のための誘導だと言いたい訳だ。確かに原発を入れない火力と水力や、微々たる風力や太陽光を合わせれば電力供給能力は足りる計算にはなる。がしかし、その計算にはリスクは計算には入っていないのであって、ギリギリなのである。それは夏場の最大電力使用時を想定しての事でもある。そう言う見方をすれば、計算上は電力供給能力は足らない事にはならないのである。
 
 この原発設置時の仕様を見れば明らかに解かる。ちょうど、パソコンに詳しい方は解かると思うが、セキュリティ保存のRaidを組む時に似ているのである。
 
 我々商売でパソコン(あくまでもパソコンである汎用では無い)を酷使する人間は、パソコンを採用するに必ずRaidを組むのである。それは何故か、作ったデータや書類等を消滅させないために、あらゆるセキュリティを考えて対処しなくてはならない。だから保存するハードディスクは2台、3台と複数台同時に活用し、全く同じものを2ケ用意し、同時に同じデータを書き込むのである。万が一どちらかが故障しても、片一方は生きているのである。同時に駄目になる確率は非常に少ないのである。これをPCの世界では、Raid1(ミラーリング)と言っているのである。もうここでお解かりになった方は、PCと原発行政に明るい方だと思う。
 これを原発に当てはめれば、原発設置時に同時に同規模発電量の火力発電所も申請してるのである。だからこそ原発が無くても電力は賄える事になる訳なのである。
 
 だからと言って私は原発推進派と言う訳でも無い。強いて言えば「minimum原発いづれは無くする)派」と言えようか。私はどちらかと言えば最近はあまりにも現状の理解無しの「即脱原発」に疑問を抱いたからである。確かに人間の命は尊いし、何ものにも代え難く重いのは承知をしている。しかし人間の平等の権利である、解かっていながらその意思表示を出来ない人間も居る事も考えたいからである。
 
 だからと言って私は旧来の自民党政権時の「原発推進政策」は決して支持はしてない。