ある結婚披露宴での挨拶でのあせり(その1)

 私は商売柄良く結婚披露宴に来賓として招かれる事が多かった。(過去形なのは、ここ3~4年病気療養中で、それ以前の事なので)
 何の事は無い、親戚・縁者でも無く、要するに挨拶だけで招かれるのである。
 何時だったか本人(勿論私)にとっては笑えない事があったので、紹介したい。
 
 私が所属する業界の社長さんの息子さんの結婚披露宴に招かれた。私の務めは無理なく穏便に、主役である新郎新婦を褒めちぎり、皆さんに如何に良いご夫婦なのかを紹介する事にある。当然姓名は必須事項なのである。私は招待状を何度も読み返し姓名は絶対間違えられない事なので必死に暗記する事が必須である。(本当に丸暗記なのです)
 
 披露宴直前まで間違えられないと言うこのプレッシャー、本当に大変なのである。(私は心臓に毛が生えておりません)(笑)
 
 さてある結婚披露宴当日、ホテルに着いた。一応来賓だから鷹揚に構えて受付しようと思ったら、あっ!あら!不思議、受付が無いのである。私はあせった。そんな筈は無い、受付が無いなんてそんな事は。当然私の頭の中は真っ白になった。場所を間違えたのか、それとも日にちを間違えたのか、私は必死に招待状を何度も見返した。(どういう訳か招待状はしっかり持っていた。心配だったのだろう)
 傍にいたホテルマンに問い尋ねたら名前は合ってるが姓が違いますよと言われた。えっ!何でっ。
 
 さて、この後どうなったのかは次号で。とんでもない考えられない事でした。