ほのぼのと「クスッと笑える」女の気持ちのコラム見つけた

 今朝表題のコラムを見つけたので紹介したい。「女の気持ち」というか「性」と言うかいつまで経っても女性は可愛いもんだと言っても良い。
 脚本家・内館牧子のコラムだった。題は「そこのばあさん」と言う。
 
■8月26曰のあるローカル紙の「読者欄」には笑った。△△△市の女性○○○さんの投稿である。○○○さんは72歳、ご主人と買い物に出かると、駐車場で若いガードマンの声がした。「そこのばあさん」そう呼び止められたのが自分だとは思わすにいると自分だった。ガードマンはわざわざ呼び止め、親切に注意してくれたのだ。「ばあさん、急ぐな車くるぞ」○○○さんはその親切に感謝しつつも、「ばあさん」と呼ばれたことで外見の老化を認識させられた。そして、内面も外見も老化を最小限にとどめる努力をしようと結んでいる。
 ガードマンの言葉を「セクハラ」だの「無神経」だのと怒ることは簡単だが、○○○さんは自身への警鐘ととらえている。みごとである。「自分では考えもしなかったけど、はたからはばあさんに見えるのね」と確認したことで手も打てるし、先にも進める。恐らく、年代にかかわらず、全女性の9割は「自分の外見は実年齢より若い」と思っている。9割という数字に何の根拠もないが、私は勝手にそう思っている。
 というのも、私の周囲でも○○○さんと似たような経験をして怒っている人が非常に多い。年代はどうあれ、怒るということは、自分の外見は若いと思っているからだ。自分は「オバサン」や「バアサン」には絶対に見えない自信がある。なのに、そう呼ばれたとなるから怒る。
 むろん、はたから見ても「ウソ!50代なの?」とか「とても70歳には見えません」という人たちはいる。そんな人たちと会っているうちに、私は彼女たちが持つ共通点に気づいた。
 それは「実年齢より若く見える」のではなく、「実年齢がわからない」という共通点。言うなれば「年齢不詳」のカッコよさである。たとえば、彼女は60代には見えないが、そのシワやタルミは50代のものではない。さりとて、本当の50代と並ぶと、何だか彼女の方が若くて、きれいに見える。彼女の年齢は本当によくわからない。こういうことだ。つい先日も、ステキな90歳女性と食事をしたのだが、年齢不詳の美しさと若さを持つ人の、外見の共通点として、まず「若作りしていない」という事がある。実年齢より若く見せようとか、「若-い!」と言われたくて、娘と服を共有するとか、それも時にはいいが、私が出会った限りにおいて、年齢不詳の美女たちは、若作りしていない。
 二つめの共通点は「化粧がうまいこと」だ。絶対に濃くせず、なのに口角を上げて口紅を引いたり、ポイントを押さえている。幾人かは「化粧品店で美容部員に似合う化粧品を選んでもらって、メークも教えてもらうの」と言った。これは、ヘア&メーク・アーティストの山本浩未さんも勧めている。
 3つめの共通点は「アゴ下に肉がついてないこと」である。美容ジャーナリストの斎藤薫さんが、月刊「ミセス」9月号に、「女と"オバさん”の境目は、よくアゴに出ると言われるが、アゴ全体がもたついてくると、もうそれだけで、顔が"女の顔”ではなくなっていく」と書いておられる通り、年齢不詳の美女たちは、実年齢が40代でも90代でもアゴ下がすっきり。たぶん5分間でもマッサージを続けている成果だと思う。
 4つ目は「姿勢がいいこと」。これは非常に大切。私は姿勢が悪くて、よく注意されるが、彼女たちは背筋を伸ばすことや、歩き方などをかなり意識している。
 4つの共通点は、あくまでも私が感じた「外見」のことであり、「内面」もいろいろと考えられるのは当然だ。
 ○○○さんが書かれるような、老いを「最小限にとどめる努力」とは、これらを面倒くさがらないことではないか。(脚本家・内館牧子)■