“第2の森友問題”と呼ばれる加計(かけ)学園(岡山市)の疑惑は、次なるステージに突入。“腹心の友”への便宜供与を裏付ける文書の存在が報じられ、安倍総理は追い詰められたかのように見えた。だが、官邸は窮余の一策で文書をリークした官僚の風俗通いを暴露した。
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喧騒と猥雑さが漂う新宿・歌舞伎町の中心部。その一角に建つ雑居ビルに、目的の店はあった。
エレベーターを2階で降り、入り口で入場料の6000円を支払ってから仕切りのカーテンを開け、薄暗い店内に足を踏み入れる。
すると、中央のバーカウンターを挟んで、約10人ずつの男女が左右に分かれ、スツールに腰かけている姿が目に入った。
女性の年齢層は20代から40代後半といったところか。無料で提供される清涼飲料水などを飲みつつ、暇を持て余した様子で携帯電話をいじったり、化粧を直したりしている。
男性の方も年齢層はまちまちだが、みな食い入るように女性たちを見つめ、品定めに余念がない。
「あの子を」
男性陣は次々に店員に声をかけ、気に入った女性を隣の席に連れてきてもらっている。
実はこの店、“男女の出会いの場を提供する”と謳っているものの、その実体は入場料無料で女性を集め、目をぎらつかせた男性と売買春させる“出会い系バー”なのだ。
あくまでも女性との交渉次第だが、だいたいの相場は、店外で一緒に食事をするのに5000円、さらにホテルへ誘うとなると2万~3万円が必要になる。
■「よく来てた」
記者は、常連だという30代前半の女性を指名し、事前に用意してきた、ある顔写真を見せた。
――この人、知らない?
そう訊ねると、
「誰? あ、何度も見たことがある! 私が来ると必ずいた。カウンターでご飯を食べながら、ジッと女の子を見ていた。黒髪で清楚な感じの女の子がタイプだったと思う」
――だいたい、何時ごろに来ていた?
「オープンしてすぐの時間の夜9時ごろ。女の子を誘わずに、12時ごろに帰っていったことも何度かあった。なんだか、不思議な人だった」
続いて、20代後半の女性にも、同じように顔写真を見せたところ、
「ああ、知ってる、知ってる。冬くらいまで、よく来てた。女の子を買ってたかって? そりゃ、ここに来るのは女の子とホテルに行くのが目的でしょ。話をするだけなんてあり得ない。いつも、スーツ姿で来ていた」
――お気に入りの女の子がいた様子だった?
「お気に入りの女の子ができたら連絡先を交換して、個人的に会うようにしたらいいじゃん。店におカネを払う必要もなくなるし。でも、何度も店に来たってことは、色んな女の子とヤリたかったんじゃないのかな」
――どれくらいの頻度だった?
「週3、4回くらいじゃない。1年ちょっと前から来るようになって、そのあとはバーッて連続してた。私もこの人とヤッたかもしれないんだけど、覚えてないんだよね。ここに来る女の子はみんなサバサバしているからさ、寝た男のことなんて、すぐに忘れるよ」
■リークの張本人
実は、その渦中に前川前次官が登場するのである。
愛媛県今治市は、これまで15回にわたって獣医学部の新設申請をしたものの、いずれも却下。ところが、第2次安倍政権が発足以降、トントン拍子に話は進み、国家戦略特区に指定され、昨年11月には52年ぶりに獣医学部の新設が決定した。そして、事業者として認められた加計学園の運営する岡山理科大には約37億円相当の市有地が無償譲渡され、県と市から96億円が助成されることになったのだ。
安倍総理に、“お友だち”に便宜を図ったのではないかと疑いの目が向けられるなか、今度は、文科省の役人が作ったとされる文書が流出した。それには、〈これは官邸の最高レベルが言っていること〉〈総理のご意向だと聞いている〉などの文言が並び、まさしく安倍総理の“はたらきかけ”を裏付けるかのような内容だった。
その文書をマスコミにリークした張本人と見られているのが、何を隠そう、前川前次官なのである。
「問題のその文書は、社会部の文科省担当記者が前川さんから貰ったものに間違いありません」 とは、NHK関係者。
「しかし、文書自体は正式な報告書などではなく、前川さん自身か、もしくは部下が作成したであろうメモの類です。実は、前川さんのインタビューも収録済み。ですが、未だにそれは放送されていない。というのも、前川さんに“買春疑惑”が持ち上がってきたからです。そんな破廉恥な元役人の話に丸乗りして、安倍総理を追及するのは危険ではないかという判断が、局の上層部であったみたいです」
しかし、先に触れた新宿・歌舞伎町の“出会い系バー”通いが原因で、インタビューはお蔵入りとなったわけなのだ。しかも、それは安倍官邸による計略の結果だったという。
その内幕を明かしてくれるのは、朝日新聞の関係者だ。
「うちのネタ元も前川さんです。ただ、記事にしたあとに、官邸スタッフから、“安倍総理周辺は、どこかのメディアと組んで前川さんに人格攻撃を仕掛けようとしている。その結果、前川さんの出した文書の信憑性が問われ、丸々報じた朝日も恥を掻くことになるから”と言われました」
つまり、安倍官邸は警察当局などに前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させ、彼に報復するとともに口封じに動いたという。事実、前川前次官を貶(おとし)めようと、取材を進めるメディアがあった。
前出の“出会い系バー”にいた20代後半の女性によると、 「あなたが来る2日前から、読売新聞の2人組がここに来ていた。最初は名乗らず、あなたと同じ写真を見せながら“同じ会社のすごい人なんだ”とか言って、何人もの女の子を食事に連れ出し、色々と話を聞き出そうとしていたよ」
その結果、安倍官邸の目論見通り、前川前次官の信頼や名声は、あっけなく地に落ちたのだ。
特集「加計学園疑惑の場外乱闘! 安倍官邸が暴露した『文書リーク官僚』の風俗通い」より
この問題では恐るべき首相官邸と言うしかない!
このように指示したの、首相官邸を守ると言うより、菅官房が自分を守り現在の地位を守るがための作戦であろうと思われる。