「学生さん寒いのに大変ね、あったかいミルクでも飲んで行って頑張りなさい」。
役40余年前の東京都下の大晦日のある公務員の奥さんの言葉である。時は昭和42年12月31日、私が大学1年の冬三越のお歳暮回しのアルバイトの1コマである。
当時の東京の冬は寒く手袋してても寒さで手がかじかむほどであった。とにかく寒かったので良く覚えている。私は早く終わらして学生寮に帰りたかったが、この奥さん話好きでミルクを飲みながらしばし付き合った。話からして、公務員、今で言う高級官僚のご夫人だと悟るのにそんなに時間は掛からなかった。その奥さんが言うには「宅の主人なんかお国の為に身を粉にして働いても、大企業の重役の給料貰えないのよ、こんな不公平ある?・・・・・・・・・・・・・・・・・・」。いくらグチ聞いても私はしがない大学1年生でそんな話解る筈も無く、ミルク貰った気遣いからグチに付き合った。今思い出せばその奥さん、要するに寝食忘れてお国の為に働いたから、天下りしてその後その対価を頂いても罰は当たらないと言ってるのだという事が今ようやく解った次第である。日本の官僚=天下り天国。この事についてはこの過去ブログを見て頂ければお解かり頂けると思うが、前政権のツケと言い、全くギリシャの破綻原因とそっくりである。
ギリシャは人口1100万人程度の小さな国だ。国が小さいからといって、それ自体が悪いこととはいえないが、小さいにもかかわらず大国並みのパフォーマンスを演じようとすれば、おのずから無理が出る。
まずギリシャの産業構造をみると、誰もがびっくりするに違いない。この国では最大の産業は国家そのもので、公務員の数はなんと100万人に達する。その家族を含めればギリシャ人の相当数は、国から支給される賃金で暮らしていることになる。
一方民間の分野はどうかといえば、これが健全な資本主義経済の姿とは程遠い。ギリシャにはいわゆる闇経済がはびこっていて、その規模は市場全体の三分の一にも達するという。闇経済の最大の問題は、相応な租税を負担しないということだ。
収入が少ないにかかわらず支出は多い。公務員の数が多いという事がそれを物語っている。これでは財政が破綻するのも無理はない。
我日本も財政赤字を続ければいづれギリシャの二の舞は避けられない事を知り「礼記・王制」から『入るを計りて出を制す=入計出制』の経営方針をもう一度実践すべきと考える。