G20共同声明の要旨

 【ワシントン共同】20カ国・地域(G20)の財務相中央銀行総裁会議が採択した共同声明の要旨は次の通り。
 一、世界経済の回復はG20の異例の政策協調で想定以上に進んでいるが、国や地域でばらつきがあり、失業率は多くの国で依然高く、異なる政策対応が必要だ。
 一、回復が景気刺激策に依存する国や地域は民間主導の回復が定着するまで政策支援を維持。危機対応からの出口戦略を取っている国もあり、各国の状況に応じて出口戦略を練るべきだ。
 一、財政健全化や物価安定のため、調和のとれた経済対策が必要。成長余力のある国は内需を拡大すべきだ。貯蓄を増やし、財政赤字を減らす必要がある国は需要減少の影響を吸収できる。
 一、各国の政策枠組みの相互評価は第1段階を実行した。今後の政策シナリオ案作成の原則で合意。6月のG20首脳会合(金融サミット)で検討するための選択肢を作成する。
 一、2010年末までに銀行資本の質と量を改善する規則を策定。12年末を目標に、金融情勢が改善し、景気回復が確実になった時点で段階的に実施する。
 一、金融システムを修復する政府介入の負担に関し、国際通貨基金IMF)の最終報告を期待。政府介入が生じる場合にも、国内金融機関に負担を求める選択肢の検討を要請。
 一、単一の質の高い国際的な会計基準、報酬慣行に関する国際的基準の重要性を強調。
 一、11月の金融サミットまでに、IMF新興国投票権拡大を含む改革案をまとめるよう強く促した。世界銀行の改革は今回の開発委員会での合意を期待。
 一、世界経済の強固で持続可能、均衡ある成長を達成するには需給や雇用のギャップを早急に埋め、財政や物価、金融の安定が不可欠。貿易の不均衡是正が重要。