自民VS民主 第2回党首討論の詳報

 ▽信頼裏切れば退陣を?谷垣氏

 ▽私は腹案持っている?首相

 【不祥事】

 谷垣禎一自民党総裁 鳩山政権発足以来、いろんな不祥事があった。国民の治安を守るべき中井洽国家公安委員長が、警護官を連れずに夜の町に出たことは危機管理上、問題があると考えるか。

 鳩山由紀夫首相 一番大事なことは説明責任を果たすことだ。国家公安委員長本人がしっかり説明している。警護官を連れなかったことは配慮がなかったが、本人も大いに反省している。二度とないようにさせる。

 【偽装献金問題】

 谷垣氏 首相の元公設秘書の公判が結審した。これまで裁判が終わったら書類を全部出して国会で説明すると言ってきたが、果たす気があるか。

 首相 元秘書の件は大変残念で、誠に申し訳ない思いだ。身を粉にして働き、政権交代で政治を変えたいとの国民の期待に応えることにより、責めを果たしたい。

 【普天間移設】

 谷垣氏 米軍普天間飛行場の移設問題で政府案を3月末までに一本化すると言いながら、その後に「今月でなければならないとは法的に決まってない」と発言したのか。

 首相 5月末までに必ず沖縄や国民、米国に理解を求め、政府方針をつくると約束した。そのためには3月末ぐらいまでに政府として考え方を決める必要があるという思いだ。私は腹案を持ち合わせている。関係閣僚もその認識で行動している。法的に3月末までに何かを決めなければならない状況ではない。全国の皆さんが沖縄の今日までの貢献に感謝しながら、負担を分かち合う思いを共有してもらいたい。

 谷垣氏 3月中に方向を出すと言ったが、今日は3月31日だ。いつまでに決めるのか。

 首相 普天間飛行場の危険性除去がなぜこんなに長くかかっているのか。それだけ難しい仕事を新政権で果たそうとしていることを理解してほしい。腹案はこの地域と言ったとたんに難しいとの声を頂くのは分かっている。

 谷垣氏 われわれは米国、地元の同意を取り付け、(日米合意に基づく移設完了予定の)2014年に出来上がるところまで来ていた。抑止力と沖縄の負担軽減を両立する唯一の解が(名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てる)現行計画だったのに、それをめちゃくちゃにした。移設先は沖縄県内か、県外か、国外か。

 首相 現行案で決まりかかっていたと言うが、辺野古の海に、くい一つ打てなかったではないか。地元の本当の同意がなかったために現行案では無理だと分かったから新しい移設先をつくろうと努力している。県内、県外かは答えられない。水面下の交渉を含め、腹案を国民に大っぴらにする時期ではない。

 谷垣氏 いつになれば明らかにできるのか。

 首相 5月末のある程度前までには決めて公表する。

 谷垣氏 話せる時期になれば首相自身が行って、住民とひざを交えて説得する用意があるか。

 首相 ある時期には地元を訪れ、国民の平和を維持するために理解を願いたい。住民と真剣に対話したい。

 谷垣氏 現地の了解を取り付けるのか。

 首相 現地の了解がなくて案を進めることはない。そのために全力を傾注することを約束する。

 谷垣氏 首相の腹案は、抑止力の維持、沖縄の負担軽減、普天間の危険性除去、国民負担の四つの要件で、現行案よりも優れているとの自信はあるのか。14年までに普天間の危険性を軽減することはできるのか。

 首相 腹案は、沖縄の負担軽減、抑止力も含め、現行案と同等か、それ以上に効果があり、認めてもらえる案だと自信を持っている。普天間の危険性除去は14年より遅れることはできない。その前に解決したい。

 谷垣氏 5月末までに政府案を固め、現地の了解、米国の同意を得るという三つを実行するか。

 首相 連立政権としての考え方を米国に提示して理解を求め、沖縄とは限らないが新しい移設先にも理解を求める。結果として政府案として認めてもらうプロセスにする。それが5月末までに私が果たすべき役割だ。

 谷垣氏 5月末までにできなかったらどうするのか。

 首相 米国に強く交渉する立場で、できなかったらどうするという弱い発想を持っていたら交渉にならない。命懸けで、体当たりで行動し、必ず成果を挙げる。国民も政府を信頼してほしい。

 谷垣氏 5月にできなければ日米両国間の信頼を決定的に損なう。沖縄の住民をはじめいろんな方々の心をもてあそび、政治と国民の信頼関係を裏切ったことになる。そのときには退陣すべきだ。退陣しないなら信を問うべきだ。受けて立つ。

 首相 全力を挙げて問題解決に努力する。成果を国民に認めていただくよう頑張る。