沖縄翁長知事と安倍首相との会談はひとえに菅義偉官房長官の失敗による?

 【東京】翁長雄志知事は17日、首相官邸安倍晋三首相と就任後初めて会談した。安倍首相が冒頭、米軍普天間飛行場返還問題について「辺野古への移転が唯一の解決策だ」と新基地建設を進める考えを示す一方、翁長知事は「知事選、衆院選で新基地建設反対の圧倒的な民意が示された」とあらためて建設に反対する考えを強調、双方の主張が対立した。知事が発言の最中、官邸側が報道陣に対する公開を打ち切ったため、知事の「絶対、辺野古への新基地は造らせない」という発言が報道陣に示されず、会談後、知事が報道陣に説明する場面もあった。
 両氏の会談は約35分間で、冒頭発言の約6分間、報道陣に公開され、以降は非公開だった。
 知事は会談後、記者団に「(報道陣の退出後に)絶対に基地を造らせないことを伝えた」と強調。26日から日米首脳会談で訪米する首相に対し「県民は辺野古移設に明確に反対していることをオバマ米大統領に伝えてほしい」と求めたことも明らかにした。
 また、首相に「辺野古が唯一の解決策という固定観念に縛られず辺野古への移設作業を中止すべきだ」と要求。普天間飛行場の5年以内の運用停止について首相は「(要求は)生きている」としたが、米側との交渉の有無も含め、明確な返答はなかったという。
 首相は会談で「普天間の危険性の除去はわれわれも沖縄も思いは同じ。(沖縄の)理解を得るべく努力を続けたい」と辺野古移設推進の姿勢を強調。首相は、沖縄の振興策の必要性を繰り返し述べたが、沖縄の民意を米側に伝えることは明確に回答しなかった。
 知事は会談で、1999年に当時の稲嶺恵一知事と岸本建男名護市長が辺野古受け入れを認めた閣議決定は2006年の新たな閣議決定で廃止されたと指摘。「知事や市長が受け入れを決めた前提条件はなくなった。(沖縄が新基地を)受け入れたというのは間違い」と政府を批判した。翁長氏によると、首相から具体的な反論はなかったという。
 また、沖縄の米軍基地について歴史を振り返り「自ら土地を奪っておきながら老朽化したとか、世界一危険だからとか(移設が)嫌なら代替案を出せと言う、こんな理不尽なことはない」と厳しく批判。政府が進める負担軽減策についても「スピード感を含め、県民の気持ちに寄り添っていない」と指摘した。会談は菅義偉官房長官と安慶田光男副知事が同席した。

これ「翁長知事、辺野古で民意訴え 安倍首相と初会談」と題した沖縄タイムス 4月18日(土)5時40分配信の記事である。

 これは完全に政府側の完敗である。ひとえに菅官房の作戦の失敗による。このような国の末を左右する案件には、トップ級の会談は絶対阻止しなければ出来ないと言う、定石を菅官房は外してしまった。これでは軍師は勤まらない。常に勝てる状況以外には、トップ級の会談は行ってはならないのである。最後まで翁長知事の作戦にはまってしまった。と言うよりは、修羅場経験の差と言うべきであろう。完全に翁長知事の術中にはまってしまった。どちらが総理か解らない会談であった。この後26日からの日米首脳会談の前の政府としての最大の汚点と言えよう。これが日米戦略の最大の懸案事項となるは必定である。この後は菅官房の更迭以外は考えれないであろうし、最近の菅官房への安倍首相の不信感の増幅は、今までにない規模となるは必定だ。