衆議院総選挙が終わった

 解散から40日と言う長い総選挙ドラマは終わった。あえてドラマと言わしてもらえば本当に近年に無い心の躍る劇場を見てるようだった。選挙を真面目に戦った側から見れば、何を不謹慎なと言うだろう。しかし、我々選挙民から見れば、普通選挙には筋書きは無いものだが、今回だけは政権交代と言う筋書きがあり、それを1つ1つ紐解くように、つまりは偉くなり選挙区を忘れ何年も選挙民が居たことさえ忘れた、元首相を含む自民党公明党の大物代議士たちが、 民主党などの刺客候補に、バッタバッタと斬られていくさまは、民主党に一票をいれた我々選挙民には痛快時代劇を見るようだった事は確かだ。
 何故に自民党は負けたのか。
 これを考える前に、選挙者と被選挙者との関係は人と人との関係である。つまりは人の付き合いと同じなのである。それがただ面識がないだけなのだ。そう考えると簡単だ。またそれに選挙の場合は、政策と実行と言う事情が絡んでくるだけの話だ。今度の場合は長年付き合ってきた自民党と言う人が、毎日遊びに来て食事をしながら、今度うまい物があったので持ってくるよと言って忘れて、1ケ月ぶりでまた遊びに来たようなものだ。前に言った事を忘れてしまう、つまり、人の付き合いの原点である約束を守ると言う1番大事な事を、忘れるような人間と皆さん付き合いますか?。政治も同じと思う。
 今回の政権交代と言う現象はけっして民主党が良かったからでない。自民党が悪すぎた。
 もう1つ忘れてならないのは、選挙と言う戦いの仕方ではないだろうか。やはり小沢一郎の存在無くては語れないと思う。それは田中角栄竹下登譲りの人の付き合い方の実践の勝利と私は思う。 田中角栄竹下登小沢一郎の嫌いな方には恐らく解からないと思う。私も若い時に真似して見たが出来なかったけれど、1つだけは出来たことがあり今も重宝し、ボケ防止に役立っている。彼らは何をしたかと言えば、まず、付き合うために、相手の情報の全てを自分の頭つまり脳に書くのである、今はパソコンや携帯電話があるから、簡単に情報を入れる事が出来るが当時はない。時の田中角栄は何百人もの相手の誕生日と電話番号を頭にインプット出来たそうである。一度会えば決してその相手を忘れなかったそうだ。また、彼は何度も当時大蔵大臣を拝命し、小学校しか出ていなかった彼が何故東大卒の官僚を操れたのか、それは官僚の家族の誕生日を皆覚えていたからだそうな。時に官僚が家に帰ると、花束が届いてる何の事だと奥さんに尋ねると、その奥さんの誕生日なのだそうだ。旦那が忘れてた自分の奥さんの誕生日に田中角栄と言う大蔵大臣が、わざわざ花束を届けるなんて、普通は考えないし、考えてもしないだろう。でも、貰ったその官僚とその家族は気持ちとして一生忘れないだろう。私も電話番号を頭に書いてみたが何とか30人位まで出来て、今でもスラスラ言えるが、携帯電話に一度でも登録しちゃえばすぐ忘れてしまう。小沢一郎が今回の選挙でそれをしたかどうか知らないが、いずれ、自民党の方々よりは、ましな付き合い方をしたのは間違いないと思う。だからこそその差が出たのではと私は思っている。これは真似て出来るものではなく、ある程度性格によると思う。とにかく律儀でなければならず、ズボラには絶対出来ない事は確かだ。このまま来年の参議院選挙に入れば、またもや自民党は小沢戦略に負けるだろうと私は思っている。