東芝の半導体メモリー子会社「東芝メモリ」の売却交渉 東芝ガンバレ!

 東芝半導体モリー子会社「東芝メモリ」の売却交渉が最終局面で足踏みしている。有力候補の米ウエスタンデジタル(WD)は強硬姿勢を崩さず、融和ムードだった東芝は態度を再び硬化させた。ただWDにも譲れない事情がある。売却先によっては東芝メモリと協業する米サンディスクの巨額買収が失敗と評価される可能性が高まる。東芝と同様にWDもまた追い詰められている。
 8月中旬、東芝とWDの交渉は前進していた。スティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)は綱川智社長との電話会談でこれまでの経緯に対し謝罪までしている。そのうえで「法廷で争っている場合ではない。協業関係を築いていこう」と切り出した。
 それでも両社はWDの将来の出資比率など一部の項目で折り合えなかった。28日に両トップが都内で会談した際も双方ともに新たな譲歩案を示していない。間隙を突くように米投資ファンドベインキャピタルが新たな買収案を提示。東芝31日に「3陣営と継続交渉する」と表明した。
 両社の協業関係は浅い。WDが東芝17年間の提携関係にあった半導体モリー大手の米サンディスクを170億ドル(約1兆9千億円)で買収した2016年5月に始まった。
 WDはハードディスク駆動装置(HDD)世界首位。データセンターの記憶装置がHDDからフラッシュメモリーに変わる構造転換に直面し、伸び盛りのメモリー事業を傘下に収めた。動画視聴に使うメモリーの需要が拡大する追い風もあって買収直後からWDの業績は急拡大し、株価も2倍以上に上がっていた。
 
 ミリガン氏が国際仲裁裁判所や米カリフォルニア州の裁判所に法的措置を求めたのは、順調だった協業のメモリー事業が他社に渡る事態をどうしても避けたい事情があるからだ。そもそも東芝メモリの経営に競合企業が参加すれば協業の枠組みが崩れかねない。WDがサンディスク時代から共同投資した生産設備、蓄積した技術資産を横取りされるとの懸念もある。
 主力のHDD市場は長期的な縮小が避けられないという事情も焦りの背景にある。サンディスク買収はHDDとフラッシュメモリーの市場のカニバリズム(食い合い)を恐れずに下した果敢な経営判断との自負がある。しかし、工場の運営を東芝に依存しており、提携関係を維持できなければメモリー事業は立ちゆかなくなる。
 サンディスク買収によりWDの「のれん」は4倍の1兆円規模に膨らんでおり、思惑どおりに収益を得られなければ巨額の減損リスクにさらされる。7月下旬の決算発表でミリガン氏は「四日市工場からのメモリー供給を東芝に止められるリスクはないのか」とアナリストに突き上げられた。
 WDの最高財務責任者だったミリガン氏は日立製作所に請われ、09年から日立のHDD子会社CEOとして経営再建を果たした。同子会社を古巣のWDに売り抜く段取りをつけ、自らはWDに返り咲く離れ業を演じた豪腕経営者だ。東芝との交渉でも自社が掲げた条件を諦めない姿勢を貫いてきた。自他共に認める日本通でもある。
 株式市場は東芝との対立を不安視している。6月に東芝が優先交渉先として日米韓連合を選んだ際や7月に米裁判所がWDの申し立てを認めなかった際に株価は大きく下げている。逆に東芝との最終交渉が伝わった8月下旬には買いが入った。
 年間売上高を超える巨費を投じたWDに四日市工場を手放す選択肢はない。対抗軸となる日米韓連合の提案はまだ素案の段階で、東芝にとって早期売却の実現性が最も高いのはWD陣営であることは変わらない。「3陣営と継続交渉する」という8月末の東芝の発表は、ミリガン氏にもう一段の譲歩を促すメッセージが込められている。
 
 
これ「WDも必死、東芝半導体交渉 譲れぬ事情」と題した日本経済新聞電子版2017/9/2 1:10の配信記事である。
 
 
私は商売とPC及びビデオ収集の趣味で、ハードディスク2~3TB10ほど所有している。予算の関係で殆どが内付けのHDDだ。ケースを買って外付けとした方がかなり安く使えるからである。唯難は3TBが中々読めない事だけである。
その製品の殆どが米ウエスタンデジタル(WD)製である。
今や半導体モリーで頑張ってる国産会社は東芝(製造は海外委託で中国・台湾・ベトナムだが)だけである。特にSDカードやmicroSDも国産で頑張ってるの東芝だ。私等こぞって高くても信頼性を優先し東芝製品である。それが東芝の不振により今度売却だ。それもトップの無能によって一番益性の良い半導体部門の子会社「東芝メモリ」の売却である。これを売ってしまえば東芝はもう終わりである。現トップの一過性の成績を重視した目先の欲での東芝本体の消滅は本当に悲しい限りである。独禁法にひっかからなければ米ウエスタンデジタル(WD)だろう。が日本連合にも頑張ってもらいたい気持ちもある。だがいづれにしても生き残るよう東芝には頑張ってもらいたい。