生前退位、皇室典範諸々改革における安倍首相の天皇家に対する姿勢

 これは明らかに、天皇の安倍首相に対する怒りの表れだろう。本日19日、天皇と安倍首相らとの宮中午餐(昼食会)が予定されていたのだが、今朝になって、宮内庁がこれを取りやめたことを発表したのである。この昼食会は天皇が皇居に首相や閣僚らを招いてねぎらうという年末の恒例行事。宮内庁天皇16日から風邪の症状をみせていることを理由にしているが、現在は微熱といい、また天皇誕生日を前にした記者会見が延期になるという情報は現段階で入ってきていない。
宮内庁内では、今日の宮中午餐の突然の中止は、生前退位をめぐる安倍首相の姿勢に、天皇陛下が激怒されて、会いたくないとキャンセルされたのではとの見方が広がっています」(宮内庁担当記者)
 本サイトで何度も伝えてきたように、安倍首相は「生前退位」の問題で、有識者会議委員やヒアリングメンバーに自分の人脈や日本会議系の極右学者たちを配置、天皇が望む恒久的制度化を否定する流れをつくりだし「一代限りの特別法」で対処する方針を打ち出した。しかも、安倍首相がヒアリング対象者にねじこんだ平川祐弘東大名誉教授は、11月、記者団にたいして「天皇はおかしい」とまで発言した。
 天皇、皇后がもともと安倍首相の戦後民主主義を否定する姿勢に危機感を抱いているのは有名な話だが、「生前退位」問題でその亀裂は決定的になったのである。
 実際、先週の「週刊新潮」(新潮社)1222日号でも、宮内庁関係者によるこんなコメントが掲載されていた。
「陛下が有識者会議の行方を御憂慮されているのは間違いありません」
「陛下は2回目のヒアリングが終わった頃から、いたくご気分を害されている。その後も新聞
 
 しかし、だとすると、俄然注目されるのが、誕生日前に設定された明日20日の記者会見だ。こうした安倍政権のやり方について、天皇が否定的反応を示すのではないかと観測されている。
「退位の問題については、宮内庁記者の質問事項にも入っています。陛下が退位の制度について踏み込んで発言され、官邸や有識者会議、ヒアリングメンバーを批判するようなことを口にされるのでは、という観測も流れ、官邸はかなり焦っています」(官邸担当記者)
 しかも、天皇が明日の“誕生日会見”で語るのは、こうした「生前退位」をめぐる政権への苦言だけではない可能性も十分にある。というもの、天皇、そして皇后は、これまでも安倍政権の憲法改正や歴史修正の動きに呼応し、そのたびに“反論”を行ってきたからだ。
 たとえば、第二次安倍政権成立から約1年となった2013年末には、天皇日本国憲法を「平和と民主主義を守るべき、大切なもの」と最大限に評価した上で、わざわざ「知日派の米国人の協力」に言及し、「米国による押しつけ憲法」という安倍首相ら右派の主張を牽制するような発言をした。また、美智子皇后2013年の誕生日に際し、明治初期に民間で検討された「五日市憲法草案」などの私擬憲法について語り、「市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして、世界でも珍しい文化遺産ではないか」と、基本的人権の尊重や法の下の平等言論の自由、信教の自由などが、けっして右派の言うような「押しつけ」などでないことを示唆している。
 さらに皇后は2014年の誕生日に際した文書コメントでも、自ら「A級戦犯」について踏み込んだ発言をした(過去記事参照)のだが、実はその発言の2カ月前には、安倍首相がA級戦犯として処刑された元日本軍人の追悼法要に自民党総裁名で哀悼メッセージを送っていたことが報道されていた。連合国による裁判を「報復」と位置づけ、処刑された全員を「昭和殉難者」として慰霊する法要で、安倍首相は戦犯たちを「自らの魂を賭して祖国の礎となられた」と賞賛したという。
 しかし、こうした天皇、皇后の発言を黙って見過ごすわけがない安倍首相は、宮内庁に対しての締め付けを陰に陽に強めていった。とりわけ天皇の誕生日会見に関しては、前述した“護憲発言”のあった13年以降、安倍首相の歴史観憲法観と対峙するような発言を自重せざるをえなかった。
 
 だが、明日の誕生日会見は、これまでとはまったく状況が異なる。
 実際、例のビデオメッセージでも天皇は何度も「憲法」「象徴」という言葉を口にし、「生前退位」に関してもただ自らの高齢化だけを理由にしたのではなく、「国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます」と強調。さらには「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました」と締めくくった。
 これは、日本国憲法下で天皇が模索してきた“象徴としての在り方”を、次世代の皇太子にも引き継がせたいという意思に他ならない。明らかに、天皇の元首化をはじめとし明治憲法的な改憲を目指す安倍自民党に対する疑義だった。
 だからこそ、天皇は明日の会見で、「生前退位」に関する心境だけでなく、日本国憲法に対しても、いままで以上に踏み込んだ発言を行う可能性がある。天皇は「普段は穏やかですが、ご自身の信念は頑強と言ってよいほど貫き通す方」(前出・宮内庁記者)という。今日の安倍首相らとの午餐を回避したのは“事前交渉の拒否”と考えることもできる。いずれにせよ、安倍首相は気が気でないだろう。(編集部)
 
 
これ「昼食会を拒否、天皇はやっぱり安倍に激怒していた! 誕生日会見で生前退位憲法への姿勢を批判する可能性」と題した「政治・政治家に関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ=Litera1219日の記事である。
 
 
皆さんご存知のように、日本国の君主である天皇日本国憲法の第四条に、天皇は「国事に関する権能を有しない」と規定している。と言う事は政治に口出しが出来ない事となっている。例え象徴天皇と言えども我々国民と同じ人間である。当然に人間としての「喜怒哀楽」はお持ちであると言う事だ。だが人間表向きはそうであっても、時にはその感情が表に出る時もある。今回の上記事によれば、人間天皇もついに「堪忍袋・・・・」ではないが腹に据えかねたのではと私は思う。事天皇と内閣の問題である一国民としての私が物言うの差し控えたいが、ここまでの安倍首相の変な自信に満ちた政治・行政の時には「横暴」と見える運営に、口をはさめないからのお気持ちの表れが宮中午餐(昼食会)の取りやめと過日に行われた「天皇のお気持ち会見」だったのではと私は思っている。最近の安倍首相天皇を余りにもないがしろしてるように見える。歴代の首相は、例えどれだけの権力者であっても、国民に接するように天皇にも、かなり「謙虚さ」があったように見受けられる。これは安倍首相と言うより、安倍家に連なる岸信介元首相の天皇家をないがしろにしたとみられる「憲法改正論」に行きつき、それを使命・遺言と感じてる狂人安倍首相の運営方法が多分に影響してると私は考える。
 
※「憲法改正論」者が異口同音に日本国憲法は「占領下の押し付け憲法だから変えるのが当然」と言うのには私は組しない。何故なら憲法はその国のルールである。その作られた状況過程ではなく、その中身がルールとして受け入れられるかと言う事だと思っているからである。