維新の党を離党した地域政党・大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長が28日、府内であった所属する地方議員や国会議員が出席した全体会議で「大阪維新の会を国政政党化する。年内には道筋をつけたい」と発言したことが分かった。複数の出席者が明かした。橋下氏が離党後初めて大阪系国会議員らが参加する新党設立を明言したことで、党分裂の可能性はさらに高まった。
出席者によると、橋下氏は「国政政党にこだわるわけではないが、大阪の課題を解決し、大阪を東京に並ぶ二極にするには政治力が必要」との考えを示し、「大阪維新の会という看板で、全国に向け力を見せていく」と国政政党化を明言。離党した維新の党について「党の比例代表で選ばれた人の多くは大阪維新を信用した票で当選しただけ」とけん制。27日に離党の理由を「党を割るつもりはない」と発言したことについて、「党は割らないが、入れ替えたいと思っている」とし、大阪維新が国政の場で第三極となるよう目指す考えを表明した。さらに「維新の中で主導権争いは意味がない」と党代表選には大阪系から候補を擁立しない可能性を示唆した。
ある大阪維新幹部は「国政政党化は幹部の間では共有できている。代表は松井(一郎・大阪府知事)氏を考えている」と明かし、地方議員は「時期は(11月にある府知事、大阪市長の)ダブル選の前では」と推察。大阪系国会議員は「国会会期末の9月27日から党代表選告示の10月1日の間では」との見方を示した。別の国会議員は「安易な野党との連携を模索する党執行部をけん制する発言だろう」と分析した。
橋下氏は27日の記者会見では、自身の離党について「ダブル選挙をしっかり取り組んでいくため、大阪に軸足を移す」と国政に関与しない考えを表明。「今、安保法制は重大局面だ。党内で内紛やってる場合じゃない。大阪維新の国会議員も、すぐここで出るのではない」と、大阪系国会議員の集団離党も否定していた。