安倍政権「重厚」布陣で足固めだから秋の解散無い? 冗談じゃ無い、だからやるんでしょ

 [東京 3日 ロイター] - 第2次安倍改造内閣と党役員人事の布陣は、派閥領袖などベテランを要のポストに置く、重厚で実務型の陣容となった。リベラルな考え方で知られる谷垣禎一氏を幹事長に起用することで、党内融和・挙党態勢を再構築する狙いがあるとみられる。
  斬新さに欠けるが、連立を組む公明党との関係強化も意識し、政権基盤の強化を図ったかたちだ。永田町では、早期の衆院解散・総選挙の可能性は後退したとの見方が支配的となっている。
  <挙党態勢の構築が狙い、対中関係改善や消費税増税への対応も> 人事刷新から浮き彫りになった安倍晋三首相の狙いのひとつは、集団的自衛権の行使容認をめぐって対立した公明党との関係強化だ。保守派とのバランスをとり、来年の通常国会に提出される関連法案の審議を円滑に進める狙いがあるとみられる。
 谷垣新幹事長は安全保障政策でハト派のイメージが強く、公明党山口那津男代表とは司法修習生同期。山口氏を「なっちゃん」と呼ぶ良好な関係にある。加えて総務会長に就任した二階俊博氏も公明党と太いパイプを持っていることで知られている。
また、懸案の対中関係改善に対する首相の意欲の表れとの声も聞かれる。幹事長、総務会長ともに中国との関係は良好で、政治アナリストの伊藤惇夫氏は「三役のうち2人が親中派ということは、中国との関係改善に意欲を示した強いメッセージだ」と評価した。
 経済運営上は、消費税率10%への引き上げという懸案での「重し役」の狙いもあるとみられる。
 首相は年末までに、消費税率を10%に引き上げるかどうかの最終判断を下す。谷垣氏幹事長は、野党時代に自民党総裁として社会保障・税一体改革を主導し、民主・公明両党とともに消費増税に関する3党合意をまとめた。
 党内には再増税への慎重論もくすぶっており、財政タカ派の谷垣氏を幹事長に据えることで「党内の引き上げ反対派を抑え込み、党と内閣の意志を統一させて踏み切る可能性が高い」(伊藤氏)との声も聞かれる。
 安倍首相と考え方で距離のある谷垣氏を、あえて党運営の要の幹事長に据えることで、挙党態勢を作り上げる狙いもあるもようだ。萩生田光一総裁特別補佐は2日のBS番組で「安倍首相とは思想や政策の違いはあるが、党の幅の広さを維持しながら自民党が前に進んでいくには良い人事だ」と評価した。
 政治評論家の有馬晴海氏は、集団的自衛権行使容認に対する不満を収め、法案を通そうとすると「党運営に経験が必要と判断したのだろう。斬新さより経験をとった」とみている。
 午後に正式発表される第2次安倍改造内閣では、麻生太郎副総理兼財務・金融担当相、菅義偉官房長官甘利明経済再生担当相、岸田文雄外相など内政・外交の主要閣僚は留任し、政策の継続が重視された。
 <支持率上昇も>
 内閣改造は支持率を引き上げ、政権浮揚を図る狙いがある。しかし、民主党政権下では、内閣改造後、逆に支持率が低下するなど、期待通りにいかなかったケースも少なくない。
 安倍内閣の支持率は最近でも50%を上回っている。集団的自衛権行使容認や原発再稼働など国論を二分する懸案事項が表面化すると40%台に低下することもあったが、直近では持ち直し傾向を示し、発足後1年8カ月を経た政権としては異例の高い支持率を維持している。
 「株価と支持率にこれほど神経質な政権はない」(与党筋)──。支持率低下の要因分析をしながら、こまめに軌道修正を行うち密さが功を奏しているという。
 今回の内閣改造・役員人事でも「支持率は一時的には多少上がるだろう」(伊藤氏)との声も聞かれた。
 <年内解散遠のく、今の安倍内閣は「平時」>
 女性や若手を幹事長に抜てきする「サプライズ人事」は見送られ、党内融和が優先されたことで、早期解散は遠のいたとの観測が、政界関係者の間で急速に広がっている。
 「サプライズ人事」なら、そう遠くない時期の衆院解散・総選挙の可能性もあるとみていた伊藤惇夫氏は「当分、安倍首相の視野に解散は入っていないと言える」と指摘。解散時期については、来秋の自民党総裁選前の通常国会終盤が最も高いと見通した。
飯島勲内閣官房参与は2日のBS番組で「谷垣氏は乱世には向かないイメージがある。平時の谷垣。考えようによっては、今の安倍内閣は平時だ」と語った。もっとも、年内は、苦戦が伝えられる福島県知事選と沖縄県知事選、消費増税の判断など厳しい政治環境が控えている。
 有馬氏は、拉致被害者が戻ってくる以外に支持率が上がる要因は乏しいと指摘。「抜き打ちで、集団的自衛権行使と消費税率10%を国民に問う」判断があってもおかしくなく、年内解散の可能性も残るとした。ただ、そのタイミングを見送れば、自民党総裁選前の来年7、8月ごろの可能性が高いと見通した。
 <内閣改造と役員人事同日実施で、権力の掌握へ>
 今回の内閣改造では、党役員人事も同日に行ったことが注目された。通常は、党役員人事の翌日に内閣改造を行い、副大臣政務官は党が官邸と調整しながら決定する。このケースでは、党に裁量余地が残る。
 しかし、今回は内閣改造と党役員人事を同日に行って、党の人事も含めてすべて安倍首相が主導する意思を示したとも言える。
 改造後も盤石な体制を整え、安倍政権は、年末の消費増税の判断や来春の統一地方選を乗り切り、長期政権への歩みを着実に進めようとしている、との見方が早くも永田町でささやかれている。(吉川裕子 石田仁志 編集:田巻一彦)

これ『焦点:安倍長期政権へ「重厚」布陣で足固め、早期解散後退の声』ロイター 9月3日(水)12時44分の配信記事である。

 申し訳無いが私は全く反対の「抜き打ち解散派」である。私はこのロイター伝、少し甘いと思う。
 私は国会法やそのその手法には疎いので解からないが、もし、国会が開けるとしたなら、私は内閣改造をやらずに、自民党役員を変えるのみ(幹事長を変えるために)で抜き打ちで国会を解散する。何故なら民主や維新の野党の体制が整なわぬ内に、さっさと解散してしまう。今だったら野党は壊滅的な打撃を受ける事必定と思う。今だからこそ出来る最大のチャンスと私は思う。「重厚」布陣の内閣で足固めして長期政権を狙うより内外の敵を倒しつつ出来る最大の効果と思うし、やるべきと思う。アンチ自民の私としては今やられるほど怖い事無い。それが解る策士果たして永田町にいるかどうかである。じっくり拝見しようと思っている。これは見ものである。