北朝鮮ナンバー2の張成沢の粛清はドラマと同じだ

 【ソウル聯合ニュース北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)第1書記の叔父で実質ナンバー2だった張成沢チャン・ソンテク)前国防委副委員長の最後の姿は、あまりにも惨めなものだった。
  特別軍事裁判の被告人席で両手首をロープで縛られ国家安全保衛部員とみられる2人に首や腕をつかまれたまま立っている張氏の姿は、北朝鮮の中枢にいた人物とは思えないほどだ。
  朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」が13日に公開した写真を見ると、張氏は普段と同じように紺色の人民服姿で黒い色が入った眼鏡をかけているが、金第1書記に随行して公開活動していた姿と比べると、髪も薄くなり明らかにやつれた様子だ。
  頭を下げ腰を若干折り曲げて目を閉じた姿は、全てを諦めただ処刑されるのを待っているかのようだ。
  張氏の向かい側には死刑を宣告した裁判官3人が人共旗(北朝鮮国旗)をバックに厳しい表情で座っている。3人の前には書記官1人が座り裁判内容を記録している。
  北朝鮮で40年余りにわたって実力者として君臨した張氏は落ちぶれた姿となって刑場に消えた。
  張氏は金日成総合大在学中から交際していた故金日成(キム・イルソン)主席の長女で現党書記の金慶喜キム・ギョンヒ)氏と1972年に結婚。
  最高指導者の一族に名を連ねた張氏は、朝鮮労働党で出世街道を突き進み青年事業部長や組織指導部第1副部長などの要職を歴任した。
  金正日キム・ジョンイル)政権下の2004年には「分派行為」を理由に職務停止処罰を受けたが、2年後にナンバー2の座に返り咲いた。
  金正恩体制に移行してからは国防委副委員長、党行政部長、人民軍大将などを務め金第1書記の「後見人」としての役割を果たしてきた。
  だが、おいの金第1書記によって「国家転覆陰謀罪」とされ、今月8日に全役職から解任された上に党からも除名された。それから4日後の処刑となった。
 

 これ『「あまりに惨め」 北朝鮮が公開した張氏最後の姿』と題した聯合ニュース 12月13日(金)13時6分配信記事である。

 
 正に韓国ドラマを地で行った北朝鮮の権力趨勢であった。
 私はここ2,3年NHKでやってた「イ・サン」「トンイ」と立て続けに見て、朝鮮王朝の権力の様に惹かれ、必死に録画し、今まで都合3回は見たであろうか。
 このドラマ見るまでも無く、朝鮮王朝史は正に権力の歴史と言って良い。わが日本も同じであるが、まだ朝鮮王朝よりえげつ無くは無い。同じ身内を裁くにもである。この現代の北朝鮮国は、例えどんな罪であっても、容赦は無いみたいである。情も無いみたいである。それは裁いて即日に死の処刑を見て明らかである。普通、死に至る過程においては人生最後の情けである。わが日本国でも、「刃傷松の廊下の罪人・浅野長矩(内匠頭)が切腹と言えども、少なくとも武士の情けの腹切りである。ここが根本的に違うのである。私は金正日の後継時を見た時に、即座にその後を継いだ金正恩その人の顔を見て、何てふてぶてしい、とても末っ子には思えない顔に、さすが北朝鮮、良く見て決めているなと思ったものである。この手の顔は、沈着冷静、冷徹な何者にも動じない精神力と胆力の持ち主ではなかろうかと思ったものだった。何かわが日本の現在の権力者を見た時に、なんてお坊ちゃまなのか、と意味深な思いが頭をよぎったものである。それはさておき北朝鮮の後継者はある意味当たっていたと言わねばなるまい。それにしても冷徹極まりない粛清である。今後への見せしめであろうが、そのやり方をみれば、北朝鮮として見た場合、功をそうしたと言って良いが、反対に権力者のその末路を予想される思いでもある。