銀行の実態についての問題提議

1】「今週の必読!」
 高校2年生の女の子から本誌編集部に、こんな質問の手紙が来ました。
〈お父さんはシャープの子会社で働いていて、物が売れなくて困っている。日本の銀行もお金を貸してくれないので韓国のサムスン電子に助けてもらったらしい。そこで質問です。日本の銀行は暴力団や(日本に嫌がらせをしたり変な判決をする)韓国にお金を貸すのに日本の大企業にお金を貸してあげないのですか? 半沢直樹みたいな人は嫌われるから?〉
 もちろん事実誤認の部分もあるでしょうが、少女の素朴な疑問は胸に響きました。本来、こうした「疑問」にわかりやすく答えるのが、マスメディアの責任ではないか。 ちょうどこの手紙を読んだ直後に、ユニクロとの訴訟で、文藝春秋が勝訴したという第一報が入ってきました。
 今週号の『ユニクロはやっぱり「ブラック企業」』で詳しく報じていますが、最大の争点は、「過剰労働」の有無です。本誌2010年5月6・13日号に掲載された『ユニクロ中国「秘密工場」に潜入した!』を基にした単行本『ユニクロ帝国の光と影』(横田増生著)には、仕事量に関し、こんな記述があります。
〈現役店長はこう説明する。(中略)「11月や12月の繁忙期となると、今でも月300時間を超えています。そんな時は、タイムカードを先に押して、いったん退社したことにしてから働いています。〉
 ユニクロ柳井正社長はこうした記述に激怒し、文藝春秋に対して、2億2000万円の損害賠償と書籍の回収を求めた訴訟を起こしていました。
 10月18日の判決では、土田昭彦裁判長が〈(記事の)重要な部分については真実である〉と認めました。
ブラック企業問題」は、言うまでもなく、新聞が率先して取り上げてきたテーマです。しかもユニクロという日本を代表する有名企業が労働者を酷使し、搾取していた事実が判決によって認定されたわけですから、各紙とも大々的に報じるかと思いきや、ほとんどベタ記事扱い。ユニクロが「ブラック企業」か否か、は多くの読者が抱いている「疑問」でしょう。ところが、そこに踏み込んだメディアは皆無と言っていい。
 ちなみにユニクロの昨年度の広告・宣伝費は約400億円です。
  高2女子の手紙にはこんな一文もありました。
〈お父さんが「文春は朝日新聞より勉強になるから読んでみなさい」と言うので読んでいます。〉
 手前ミソとのお叱りは覚悟の上ですが、相手にとって「不都合な真実」であっても、書くべきことは書く──勇気を与えてくれた一通の手紙でした。
(週刊文春」編集長 新谷学)
 

これ10月23日の「週刊文春メールマガジンである。
 

 一般の素人が考える至極当然な疑問である。
 しかし、長年商売をして付き合ってる企業人としては、その裏を考える。
 何か皆さんは銀行は公共的な聖職に近いと考えがちであるがそれは間違いである。
 銀行それは一般の営利企業そのものであり、むしろ昔の金貸しに近い存在である。
 銀行はシビアである。
 私は親父から会社を引き継ぐ時、絶対銀行とは友達になるなと言われた。こちらから友達にならなくても、会社の業績が良くなれば自然と友達になりたくて近寄って来ると言う訳である。しかも銀行はおかしなところでお客様には頭を下げず、別のところに頭を下げるからである。
 銀行でお客様と言えば、金を貸して金利を払ってくれる人の筈なのだが、実はその貸す金を預けてくれる人が客と勘違いされるような対応をしているのが現状である。とにかく銀行と言うところ全てが一般企業と逆なのである。経理・簿記をした方は良く解かると思うが、簿記で言うところの左は借方であり、資産の増加であり負債の減少である。そして貸方は右であり資産の減少、負債と資本の増加であるのに、銀行の預金通帳は、払い出しは借方の左であり、入金は貸方の右である。これは銀行側から見れば、預金が借金で、払い出しは資産の増加から来ているからだろう。だから銀行からの一般企業に天下った根っからの銀行マンは、それに慣れるまでかなりの時間を要した事は事実である。正直に言えば使い物にならなかったのである。それが銀行の実態である。
 私は銀行マンでなかったが、金貸しのノウファはかなり勉強したつもりである。
 ある2つの会社があった。1つの会社は営業利益は十分あったが金が無く借金体質依存で支払い金利が多くて常に経常利益は大幅な赤字であった。もう1つの会社は業績は余り良くなかったが、先代からの蓄えで何とか黒字を確保していた。さてここで問題だが、この2つの会社に対する銀行の査定はどうなりこの2つの会社から借り入れ申し込みが出された場合銀行はどう対処するのだろうか。これが銀行と友達にならなくても良い証と言える一番良い例である。
 答えは、翌日にお知らせしたい。