今回の省庁幹部人事は何の事無い風見鶏こと菅義偉官房長官のパフォーマンスである

 夏の中央省庁のトップ人事で官邸主導の人選が際立っている。キーワードは「女性登用」と「脱民主党色」で、入省年次や経歴を重視する「霞が関の論理」からは一線を画す。幹部人事への関与を強めることで、官僚ににらみを利かす安倍政権の狙いがありそうだ。
 「全くスムーズにいっている。どの点をもってスムーズでないというのか、(意見が)あればどうぞ」。菅義偉官房長官は21日の記者会見で各省幹部人事について問われ、こう切り返した。
 政府は20日、菅長官と加藤勝信世耕弘成杉田和博官房副長官で構成する人事検討会議を開き、各省幹部人事を了承した。目玉の一つは、厚生労働事務次官への村木厚子社会・援護局長の抜てき。次官級では文部科学審議官に板東久美子高等教育局長が起用される。いずれも成長戦略で「女性の活躍」を掲げた安倍晋三首相の強い意向を反映した。 
 一方、外務次官に昇格するのは、北朝鮮による日本人拉致問題で首相と気脈を通じる斎木昭隆外務審議官だ。退任する河相周夫次官は昨年9月の民主党政権時に就任したばかりで、1年足らずの退任は異例。首相が民主党色の払拭(ふっしょく)を狙ったとの見方が強い。経済産業次官には立岡恒良官房長が起用されるが、局長経験のない同氏の昇格も官邸主導の一環と受け止められている。
 人事検討会議をめぐり菅長官は、政権発足直後に複数の候補者を官邸に提示するよう各省に指示した。各省の次官が事実上握ってきた人事権への「介入」を意図したもので、政府高官は「役所が官邸を怖がって、情報が集約できるようになる」とほくそ笑む。
 安倍内閣の支持率が高止まりしていることもあり、政権のこうした姿勢に対する官僚側の反発は表面化していないが、ある外務省幹部は「霞が関の合言葉は『官邸はどう考えているか』だ」とため息を漏らした。
◇起用が固まった各省事務次官
省名   氏名    年齢 現在のポスト
総務   岡崎浩巳  60 消防庁長官
外務   斎木昭隆  60 外務審議官
財務   木下康司  56 主計局長
文部科学 山中伸一  59 文部科学審議官
厚生労働 村木厚子  57 社会・援護局長
経済産業 立岡恒良  55 官房長
環境   谷津龍太郎 60 地球環境審議官
 

 これ『省庁幹部人事、際立つ官邸主導=「女性登用」「脱民主」』と題した時事通信の報道だ。
 

 さも自民党は「政治主導」をしてるかのような記事であるが、そうでは無い。今正に政治の先行き不透明のため、官僚・省庁が大人しく、様子見であるためだ。とにかく役人と言う種族は「先を見る目」だけは抜かりない。例え政権党がどこでも誰でも同じなのである。要は自分らの意見を汲み上げてくれるところならどこでも良いのである。民主党政権時代は、民主の面々が政権交代によってさも勝ち誇り、何でも出来るがの如く、官僚・役人を見下し命令したから、元々自尊心の高い彼らの心を傷つけたからに他ならないのである。元々役人気質とはそう言うものである。彼らはそう言う意味に於いては、政権交代は決して無駄ではなかったのである。それより返って自民党で良かったのである。その交代劇が官僚・役人を見直し、それこそ今は官僚・役人の天下と言っても過言では無いのだ。
 恐らく、記事にあるような今回の人事劇、それを理解してる、風見鶏官房長官こと菅義偉の演出に過ぎないのだ。