温泉の大浴場に1人で入る事出来た

 また先日の泊りの話で恐縮であるが、2日目の13日は日曜日と言う事で泊り客は僅かだった。それが功を奏し真剣に人を頼らず入る事が出来た。
 
 私はいつも、温泉にはこの通りの体(小脳出血で、バランスを失ったため自立歩行困難)なので、貸切風呂か、部屋付き温泉風呂を選ばずを得なかった。でも最近のリハビリと毎日の1km自立歩行訓練のお陰で、何とか少しは自信が付いたので、この際試してみる事にした。あまり人の居ない時にと夜9時過ぎに大浴場に行って見た。案の定2人ばかりだったので入ってみる事にした。
 
 自立歩行困難者から見れば、外や廊下等は滑らないから安心であるが一番怖いのが大浴場の床が滑る事である。本当に怖い・恐ろしいとの表現がピッタリである。これでいつも入れないのである。孫と一緒の場合は、いつもその肩を借りて入るのが常だったが、今日はそれも無い。出来なければ犬みたいに4つ足で這って歩けばと覚悟を決めて入った。何とか大浴槽の傍まで来たが、洗い場は遥か端にあった。浴槽の深さが浅かったが歩いてみたら結構楽に歩けた。笑い話であるがこのような体の場合は、湯水の中や、無重力の宇宙空間では普通の人と対等だと解かった。(笑)
 
 何とか洗い場に漕ぎ着け、普通の人と同じように体を洗い、髪を洗って終わる事が出来た。本当に目出度し目出度しである。この1時間が何と長かった事か、終わって脱衣籠の長椅子に、グッタリしゃがみこんでしまっていた。その夜はグッスリ寝たのは言うまでも無かった。
 
 あくる朝どう言う訳か早く目が覚めた。妻も起きたみたいだったので、風呂にでも行くかと相成り、それではと行って見る事にした。
 
 早かったので誰も入ってなかった。それこそ大浴場の貸切風呂である。
 
 昨日の経験を糧にと思いきや、あれっ!、だれも入ってなかったから、タイル床が乾いてる。思わず「チャンス」と口走ってしまった。こんな好条件二度と無いのである。
 いつもの自立歩行のつもりでこちらの浴槽あちらの浴槽と入り回りした。あまりの調子良さに、よし露天風呂に行ってみようと考え行って見た。発病以来一人で露天風呂に入ったの何年振りであろうか、発病が平成19年の12月の下旬だから、ほぼ4年振りと言う事になる。露天風呂に一人で入ってて、自然と涙が出てくるのを覚えた。こんな気持ちになったの初めてである。
 
 私はこのブログで紹介した事を覚えてるが、ホント真剣にブログのタイトル「私のライバルは長嶋さん」とするつもりであった。かの長嶋さんは、脳梗塞発病以来6年目にして歩けるようになったと聞いた。私もいづれは長嶋さんのようにと思って考えたタイトルだった。
 
 その私もこの12月より5年目に入る。何としても長嶋さんのようになりたい。歩きたい。それが今の私の最大の望みである。