古賀茂明氏の退職に見る「正義の味方月光仮面の難しさ」

 枝野幸男経産相(47)が、「改革派官僚」として知られる経産省大臣官房付の古賀茂明氏(56)を退職に追い込んだ。「仕事をさせてほしい」という古賀氏の直訴に対し、退職勧告で応じたという。「財務省支配」といわれる野田政権だけに、抜本的な行革をする気がないのか。
 古賀氏は15日朝、テレビ朝日系「モーニングバード」に生出演し、14日に枝野氏あてに「仕事がないなら辞めるしかない」というメールを送信したことを明らかにした。同省関係者によると、15日に人事責任者の官房長が「枝野大臣は『辞めてもらっていい』と言っている。手続きを進めてほしい」と伝えたという。退職は26日付になる見込み。
 古賀氏は東大法学部を卒業後の1980年、旧通産省に入省。福田康夫政権から鳩山由紀夫政権初期にかけて、国家公務員制度改革に携わり、「年功序列人事の廃止」「天下り規制の強化」「事務次官廃止」など急進的な提案をし続けた。
 しかし、財務省を中心とする霞が関から批判が噴出。09年12月に経産省官房付という閑職に飛ばされた。その後も「民主党政権公務員制度改革を後退させている」と政権批判をしたほか、福島第1原発事故を受けて「発送電分離」を強く唱えるなど、突出した活動を続けていた。
 昨年10月には、参院予算委員会参考人として出席した古賀氏を、当時の仙谷由人官房長官(65)が「彼の将来が傷つき残念だ」と恫喝。今年7月には事務次官から退職勧告を受けていた。仙谷氏の言葉は、弟分とされる枝野氏が「古賀氏を退職させる」という形で結実した。
 
 私は昨日この古賀茂明氏に対しては付き合い方が下手だと辛口記事を書いたばかりだが、世の中のルールを改変するには、早急には無理である事を言いたかった事にある。
 前記記事はそれを良く物語っている。私はその改変は駄目だと言っている訳では無く、早急さが駄目と言ってるのである。
 解かり易くするためにこの問題を視点を変えて見れば良く解かる。例えばある会社の役員が合議で決まった事を外向けに批判をしたらどうなるかと言う事である。その事が正しい事かどうかは、別問題である。当然会社のトップは批判をし退職を勧告するだろう、今回の事は正にそれである。全ての事と組織の在り方はそうなのではないだろうか。私は何でも全て長いものに巻かれろと言っているのではない。もし、本当に組織の根本を変えたいのならば、組織のトップに理解をして貰う?、それにはどうするか、民間会社だったら、改変を共有できる人間に代える事である。手法としては、その会社に資本参加し、意見・主張を共有できる人選をしてトップを奪えばすべてが考え通りにいく。私はこのように容易周到にするには時間が掛かると言う事を言いたい訳である。
 話は180度変わるが、「脱原発」も同じではとも考えている。
 私は物事を変えるにはそれなりに時間が掛かると思う。こんな事をを言えば、原発反対派の、小出先生や、児玉先生には、命の保障には時間は無いと怒られそうであるが、それでも私は、人間として付き合いの中には理屈では割り切れないものがあると思っている人間であるから、声を大にして、「即脱原発」には賛成できないのである。
 話を古賀茂明氏に戻せば、改変する猶予期間を設けて、その事によっていくらかでも被害を被る方々の処理を終えるまでの、いわゆる期間の利益を保障してからと言いたい。 つまり、何事も正しい事に変えるのは結構だが、正しい事に立ち向かう正義の味方「月光仮面」になるにはそれだけ難しいのである。