温水洗浄トイレの思い出

 以前にこのブログでも書いた事があるが、私にはこの温水洗浄トイレの忘れられない思い出がある。何故今頃こんな話をするかと言うと、毎日の政治風刺ブログに最近どうも気が乗らなくて、モチベーションが持続できないのである。恐らく最近の菅内閣の政局の程度の低さにウンザリしての事だろうから、チョっと道草をという事で表題になったのである。
 
 
 私は昭和62年に自宅を新築した。当時より私は痔の気があり悩んでもいた。また、妻は便秘症で悩んでいた。私たち夫婦の思惑が一致したのである。当時珍しかったこの温水洗浄トイレを、意を決し導入した。結構高かったのを覚えている。がそれ以上に生活感覚が一変したありがたさに歓喜したものである。とにかく言葉では言い表せない気持ち良さであった。今でこそ何処でも標準装備であるが、当時は変な目で見られたのを覚えている。
 
 この温水洗浄トイレ、当時の呼び名はメーカーの呼び名だった、つまり、早かったTOTO製品はウォッシュレット(我が家はこれである)、National(今はPanasonic)とINA製品はシャワートイレと言ってて誰も温水洗浄トイレ等と言う者はいなかった。
 私が一番困ったのは、何処にも無かった(少なかった)ために、自宅以外で大のもようしがあった場合である。笑い話でないが、仕事で20~30km離れていた所にいても我慢出来無く時速100km位の速度で自宅に帰り用を足していたのであった。最近は結構普及されて来て、その時は近くのホテルか民間のショールームで用を足す事が出来るようになったが、まだ100%とはいかないのが現実である。
 
 7~8年位前に、家族で泊りがけで旅行に行った時の事である。松島の高級旅館「壮観」である。私は旅行に出かける時には必ずその「ウォッシュレットの有無」を聞く。例えネットの予約で有と書いてても直に電話で有無を聞く。ところが最近「ウォッシュレットの有無は?」と聞いてもフロントで解らない時が多い。私はあっ!と思い言い直して「温水洗浄トイレの有無は?」と聞く。話を戻せばその「壮観」に今回私は聞かなかった。これが間違いの元だった。私は高級旅館だから聞くまでも無く、有ると思ったのである。ところが行ってみると、そのあるべき「温水洗浄トイレ」無かったのである。私はあせった、家族もである。もうその「温水洗浄トイレ」から離れなくなっていたからである。困った、早速仲居さんに聞いたが、何の事ですかと言われ、あせってしまったら、その仲居さん支配人さんを連れて来た。ところがその支配人さんも聞いた事が無いと言う。私は唖然として言葉を失った事を今でも覚えている。考える事は、さあ明日の用便どうしよう私はその事ばっかり頭から離れず、旅の楽しさ半減である。ところが人間苦境になると強いものである。(笑)以前この「壮観」に隣接する「松島一の坊」に何度か来ているのを思い出した。(どうも思い出すのが遅い)よしっ!明日の用便は隣の「松島一の坊」でと考えたらどう言う訳か落ち着いて来た。
 しかし、こんな高級旅館でも客の満足を知らない事があるんだと変に感心した。出発の朝アンケート用紙に書いた。妻はしきりに止めたが私は我慢がならなかったからである。
 
 後日談、翌年「松島一の坊」に泊まり「壮観」に黙って顔をだしたら、驚く事なかれ、全室にその「温水洗浄トイレ」が付いてた事である。
 
  7~8年位前の「壮観」の支配人さん、もしこのブログ見てたら、ゴメンナサイ。宿の名前まで出して。しかし、その時私が言わなかったら、もっと遅れてたのではと思うと、間接的には私は感謝されても良いのでは。今では殆んど常識の設備なのだから。