8月の臨時国会で実施予定だった安倍晋三・元首相の追悼演説が先送りされることになった。麻生派の甘利明・前幹事長が演説することに、安倍派をはじめ自民党内から批判の声が相次いだためだ。
きっかけは甘利氏が7月20日のメールマガジンで書いた内容だった。甘利氏は安倍派について「『当面』というより『当分』集団指導制をとらざるを得ない。誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」と指摘した。
これに安倍派が猛反発。翌日の同派会合で最高顧問の衛藤征士郎氏が「こんなに侮辱されたことはない」と憤慨。派内からは「甘利氏こそカリスマ性がない」「小選挙区で落ちて有権者の支持も得られないのに何を言うか」などと批判する声が相次いだという。
演説は遺族である昭恵夫人の意向だったとされている。たしかに、甘利氏は安倍氏の盟友としてアベノミクスの推進に貢献、麻生太郎氏と頭文字を並べて「3A」とも称された。麻生氏が葬儀の弔辞を読んだこともあり、夫人が甘利氏を希望したのは自然なことだったといえる。
しかし、甘利氏の党内での人望のなさは想像以上だった。立憲民主党の関係者はこう呆れる。
「総理大臣経験者が亡くなった場合は、野党第1党の党首クラスが追悼演説を行なうのが慣例とされているため、立憲としては『慣例から極めて逸脱している』と反対しました。が、先送りになったのはむしろ自民党内の反発が強かったからでしょう。こんなに甘利氏が党内で嫌われていたのかと驚いたくらいです。自民党関係者から『甘利氏がやるくらいなら野田佳彦・元首相にやってもらったほうがいい』という声があがっているとも聞きました」
そんななか永田町では今、NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の登場人物になぞらえて、「甘利明=梶原景時説」が飛び交っているという。ベテラン政治ジャーナリストは言う。
「権力闘争が好きな政治家たちはけっこうあのドラマに嵌まっているのですが、ちょうど『鎌倉殿』では最高権力者だった源頼朝が死に、13人の御家人が合議制で進めていくことが決まりました。新体制において、頼朝が忠臣として高く評価し、頼朝の妻である政子の信任も篤かった梶原景時がイニシアチブを握ろうとしますが、他の御家人たちから嫌われていたため猛反発を食らい、あっさり失脚に追い込まれた。
今回の甘利氏の追悼演説が決まったところから党内の反発に頓挫するまでの流れや置かれた立場が非常に似ているとして、甘利=梶原説が飛び交っているのです。有能すぎるゆえ、周囲からは疎まれるということでしょうか」
梶原景時に復権の機会は与えられなかったが、甘利氏の場合は果たして。
これ『安倍元首相の追悼演説が頓挫した甘利明氏に「まるで『鎌倉殿』の梶原景時」説 あまりの人望のなさに驚きの声も』と題したNEWSポストセブン7/30(土) 11:15配信の記事である。
これ実力よりもパフォーマンスと悪知恵が働き嫌われたからだろう。
風貌を言ってはならないが、見た目から見ても上から目線の気(け)が取れない。