戦後の最長期の記録的な政権を維持したが何もやらなかった安倍元首相に比べ、部下だった菅官房長官(当時、その後の前首相)の株が飛躍的にあがった!

 自民党の菅前首相が、党内でじわりと存在感を高めている。新型コロナウイルスワクチンの接種を進めたことなど、首相在任中の成果が再評価されているためだ。公明党日本維新の会とのパイプも健在で、党内では自らに近い議員らと「菅派」を結成し、政局に備えるとの見方もくすぶっている。

 

■在任中の成果 再評価

 

 「菅政権のもとで歴史的な変革を成し遂げることができた」

 

 自民党有志による「不妊治療への支援拡充を目指す議員連盟」(会長=甘利明前幹事長)が15日に国会内で開いた会合で、野田少子化相は、菅氏が尽力した不妊治療の保険適用が4月に実現することを歓迎した。

 

 菅氏は不妊治療への保険適用を掲げて自民党総裁選を勝ち抜き、首相となってからは、適用の議論に道筋をつけた。9日のツイッターに「誰もが治療を受けやすくなり、願いがかなえられることを望みます」と書き込み、17万件を超える「いいね」がついた。

 

 岸田内閣のワクチン接種の遅れに不満の声が出る中、「1日100万回」の目標を達成した菅氏の手腕を評価する声も上がる。

 

 菅氏は12日、石川県加賀市で演説し、「10万人の感染を防ぎ、8000人を超える人が亡くなるのを防ぐことができた」とレガシー(政治的遺産)をアピールした。菅氏は昨年12月からテレビ出演やインタビューに積極的に応じ、政治活動を活発化させている。

 

 岸田内閣の発足後、自民は夏の参院選での相互推薦などを巡り、公明党との隙間風が目立ち、是々非々を掲げる維新も政権批判の姿勢を強めている。このため、公明や維新とパイプを持つ菅氏が改善に向けて動くことへの期待が高まっている。

 

 菅氏は、公明の支持母体の創価学会佐藤浩副会長と蜜月で、維新の松井代表(大阪市長)とも気脈を通じる。昨年12月には、安倍・菅内閣で懐刀として重用した和泉洋人・元首相補佐官大阪府・市の特別顧問に就いた。「菅氏と維新の関係が途切れていない証拠」(自民党関係者)とも指摘される。

 

 無派閥の菅氏は首相と距離を置く一方、党内第5派閥の「二階派」(44人)を率いる二階俊博・元幹事長や第6派閥「森山派」(7人)の森山裕総務会長代行との関係は良好だ。

 

 党内では「『菅派』の結成に踏み切るのではないか」との観測が絶えないが、菅氏は1月のBS番組で「ずっと否定的だ」と述べた。菅氏と近く、麻生派に所属する佐藤勉・元総務相は15日、国会近くで森山氏らと昼食をともにした。佐藤氏が派閥離脱に向けて調整に入ったとの見方も出ている。

 

 とはいえ、菅氏が在任中、新型コロナへの対応で説明不足と批判され、国民の支持を失った経過は、自民党議員に生々しく記憶されている。マイナスイメージを完全に払拭(ふっしょく)するには、なお時間がかかりそうだ。

 

 

これ「菅前首相の存在感じわり…公明や維新とパイプ・派閥結成の臆測も」と題した 読売新聞 2022/02/16 20:28の記事である。

 

 

7年8日月もの長期の政権を頂きながら何もやらなかった安倍元首相に比べ、部下だった当時の菅官房長官(その後の前首相)の存在感が飛躍的に上がったのは、如何に安倍元首相が何もやらなかったよりも政治の私的利用の方がクローズアップされたのはいかに質が無かったかの証とも言えよう。恥ずかしい限りである。