原発対応内閣官房参与に首相反論の愚

 菅首相は30日午前の衆院予算委員会で、東京電力福島第一原子力発電所事故の対応のため、内閣官房参与に任命した小佐古敏荘(こさことしそう)東大教授(放射線安全学)が辞任し、「首相官邸の対応は場当たり的だ」と批判したことについて、「参与の意見も含め、議論の結果に基づく原子力安全委員会の助言で対応しており、決して場当たり的な対応とは考えていない」と反論した。との報道だ。
 
 小佐古内閣官房参与がもっとも問題視したは、文部科学省福島県内の小学校・幼稚園などで屋外活動を制限する放射線量を「年間積算放射線量20ミリシーベルト」と設定したことだが、これについて首相は30日の衆院予算委で「安全委の助言を得ながら最終的な判断をした」とあっさり認めた。これに対して福島県の内堀雅雄副知事は30日の復興構想会議で「同じ政府関係者なのに言うことが違うと何を基準に安心を実感したらいいのか分からなくなる」と不信感をあらわにした。との事を考えると、学者等を次から次へと内閣官房参与に登用し、指示・命令系統を混乱させた首相自身こそ「場当たり的だ」といわれるのは当り前である。