安全保障関連法案を巡り形作りに維新に秋波 それは自民の「背水の陣」だが終わりだろう

 安全保障関連法案を巡り、政府が維新の党との距離を再び縮め始めた。与党と維新の修正協議は衆院採決直前で一度は決裂したが、安倍晋三首相は29日の参院審議で政府案の修正の可能性に言及した。内閣支持率は安保法案の衆院採決を巡る混乱などを背景に急落している。衆院では見切った維新を取り込み、参院での円満採決につなげようとの思惑がにじむ。
 「維新案は大きな方向性では一致している」。首相は29日の参院平和安全法制特別委員会で、他国による日本への武力攻撃が発生していない段階での自衛権行使を認める維新案を評価した。「(与党と維新の)協議で合意が得られれば真摯に対応したい」とも言及。政府案の修正に応じる可能性をちらつかせた。
 日本への武力攻撃に至らないグレーゾーン事態対処のための「領域警備法案」を巡っては、さらに首相の「秋波」が鮮明に。維新の片山虎之助参院議員会長が法案の検討を持ちかけると、首相は「委員会で議論が進むことを期待したい」と応じた。28日の審議では、同法案を衆院で維新と共同提出した民主党の議員の質問を「現時点で法制化の必要はない」と切り捨てていただけに対応の違いが浮き彫りになった。
 首相が維新と再び協力を探る背景には、急落する内閣支持率への危機感がある。怒号が飛び交う衆院採決は世論の批判を集めた。追い打ちをかけるように、礒崎陽輔首相補佐官が安保法案をめぐり「法的安定性は関係ない」と発言をし、野党の批判を浴びた。
 政府高官は「進めたい政策に取り組むためには支持率を回復しなければならない」と指摘。参院では強行採決と見られかねない状況の回避に努める考えだ。
 片山氏は29日の記者会見で、参院でも対案を提出し、政府案と並行審議させる考えを表明した。公明党石井啓一政調会長も「協議で合意できれば、修正するにやぶさかではない」と強調。法案を巡る与党と維新の距離は衆院での決裂以前に戻りつつある。
 とはいえ、法案の根幹を巡り維新との溝が埋まる余地は少ない。首相が集団的自衛権行使の例としてあげる中東・ホルムズ海峡での機雷掃海について、維新幹部は29日「政府がホルムズをあきらめない限り折り合うのは難しい」と断言した。
 「集団的自衛権の限定容認は合憲だ」。29日の特別委で、新党改革荒井広幸代表は強調した。参院の審議には、衆院では参加しなかった少数会派も含めた全政党が加わる。次世代の党など政府方針を支持する政党もあり、政府・与党は少数会派もにらんだ野党の切り崩しを図る。

これ『首相、維新に再び秋波 安保対案「真摯に対応」  』と題した日本経済新聞電子版今日30日1:30の報道記事である。
 
 要するに「背水の陣」と言う事だろ。現状では民主主義による数では満足していながらも、先日の衆議院強行採決により、確実に内閣支持率は急落し、来年夏の参議院選は敗退が決まったも同然である。と言う事はまたもや国会の「ねじれ」が再来し政治は混迷。それだけは避けたい現われである。だが残念ながら国民はバカではなくしっかりと見ている。例え維新が自党案を協議され賛意をとったとしてもそれは形作りのパフォーマンスに過ぎない。当初より自民に賛同してる、次世代の党や新党改革の党等はあんなの政党ではないから同じである。