選挙前 雑感 私の自民党感その2

 自民党は常に政権党であり得た。それは派閥政治と言う他国で言うところの、2大政党と一緒の補完政治が存在したからだ。だがそれも日本独特の「中選挙区制」だったからに他ならない。今政治は時代と共に急速に変わりつつある。現在選挙形態は1994年の法改正により中選挙区制は廃止され、衆議院においては「小選挙区比例代表並立制」が導入され、1996年よりその制度で行われ今回で5回目になる。この制度のお陰であまりにもトップの権限が強化され、ボディブローのように叩かれ派閥政治が衰退してしまった。そして、その典型として小泉元首相の出現により「自民党をぶっ壊す」と言う彼の言葉が現実になり、本当にその通りに壊れてしまった。しかし、小泉元首相は本当に自民党を壊そうと思いやった訳ではない。そんな高等に物事を深く考える人間でない事は今回、引退するに当たり自分の次男に世襲した事を見ても解るし、ちまたで言う小泉チルドレンに対する、いわゆる小泉総裁の時の武部元幹事長が麻生総裁をコキおろした時に言った徳と、信念のない扱いを見ても明らかだ。彼はただ単純に自分の師匠であった故福田赳夫の無念を晴らすべく、自分の親の仇とでもいうべき憎き田中派、その後橋本派(旧竹下、田中派、現津島派)の解体に執念を燃やしたに過ぎない、怨念の政治家だけの事だ。
 この伝統の日本の歴史に残る自由民主党を本当に解体したのは、何も小泉元首相1人だけでは無い。本当のA級戦犯はもっと他に居る。そう安倍元首相である。2007年の参議院選挙で与野党逆転を許したにも拘らず、辞職もせずに追い込まれて途中で責任放棄し、それを病気(あれは病気のせいじゃない)のせいにしたその人である。この人達が例え状況が許したとしても、本当の意味の自民党ぶっ壊しのA級戦犯である。恐らく日本の歴史に名を留めるであろう事は想像に難くない。