■愛媛県と安倍首相 どっちが本当なのか
ウソをつきまくる安倍政権のひどさに怒りを忘れてはならない。
その加計新文書の中から「加計学園の加計孝太郎理事長が、安倍晋三首相と2015年2月25日に面会し、学部の新設計画を説明した」「安倍首相はそういう新しい獣医大学の考えはいいねなどと語った」との記載が見つかったのである。
安倍首相はこれまで国会で「私の地位を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もない」「獣医学部新設に関して相談や依頼があったことは一切ない」と答弁し、さらに加計学園の獣医学部新設の計画を知ったのは「国家戦略特区諮問会議で加計学園が学部設置の事業者に決まった2017年1月20日だ」とも説明していた。
加計新文書と安倍首相の答弁は大きく食い違う。どっちが本当なのだろうか。
■真実を語るチャンスを逃すな
加計新文書の内容に対し、安倍首相は22日、首相官邸で記者団に「ご指摘の日に加計孝太郎理事長と会ったことはございません。念のために昨日、官邸の記録を調べたところ、確認できませんでした」ときっぱりと答え、否定していた。
記者団とのやり取りは、テレビでも放映されたので見た方も多いと思うが、あそこまで明確に否定できる自信はどこから生まれるのだろうかと思う。口調ははっきりしていたものの、表情はどこかうつろだった。
政治家がウソをつくのはいまに始まったことではない。
最初はどの政治家も「知らない」と全面否定していた。しかし二度、三度と自宅や議員宿舎に足を運ぶうちに「調べてみたら秘書が譲渡を受けていたことが分かったよ」と秘書のせいにしながらも、譲渡の事実を認め出したのである。
安倍首相も政治家だ。最初はウソでもいいだろう。しかしこのままでは、本当のことを話すチャンスを逃してしまう危険性がある。まして日本の国を背負って立つ現役の首相だ。政治家がどうあるべきかはよくご存じのはずだ。
■何かやましいことでもあるのではないか
安倍首相は加計学園の計画を知ったのは「2017年1月20日だ」と繰り返す。加計理事長と古くからの親友である以上、加計理事長から何らかの便宜を期待されても不思議ではない。逆に便宜を期待されない方がおかしいともいえる。
ただ何らかの便宜を頼まれたとしてもそれをきっぱりと断っていれば問題はない。それなのに行政の文書(加計新文書)と大きく矛盾してまでも、最初の答弁にこだわって変えようとしない。
もし最初の答弁が違っていたのだとしたら「私の勘違いでした」で済むはずだし、国民も野党もそれで納得するだろう。
安倍首相がかたくなに「2017年1月20日」を主張すればするほど、何かやましいところでもあるのはないかと勘ぐってしまうのだ。問題はそこにある。
安倍首相だけではない。
そんな重要な時期に内閣総辞職ではどうしようもない。安倍首相にはそうなる前にうまく動いてほしい。それが政治家だろう。
■安倍首相の答弁がウソと強調したい朝日
持論を交え、安倍首相や安倍政権を批判したが、新聞の社説(5月23日付)も読売新聞を除く全国紙すべてが、今回の加計新文書を社説のテーマに取り上げて安倍首相を厳しく批判している。
その筆頭は朝日新聞である。
「安倍首相の国会答弁の信憑性にかかわる重大事態だ」と書き出し、「首相はこれまで、学部新設を知ったのは、正式に決まった17年1月だと繰り返してきた。県の文書が事実なら、その2年前から知っていたというにとどまらない。『加計氏と獣医学部の話をしたことはない』という説明も偽りだったことになる」と指摘する。
朝日は安倍首相の答弁や説明がウソだと強調したいのである。
■2人でこっそりと会ったのかもしれない
朝日社説は「官邸への出入りの記録は残っていないという。新聞が報じる首相の動静も、記者が確認できたものに限られる。気づかれずに会う手段はある。会っていない根拠の提示は全く不十分だ」とも指摘する。
加計理事長と安倍首相は古くからの親友だ。朝日社説の指摘のように2人でこっそり会うことはいくらだって可能だ。
さらに朝日社説はこうも書く。
「首相も学園もともに、面会の事実を否定しているが、リスクを冒して虚偽のやりとりを書き留める動機が県職員にあるとは思えない」
こうした朝日社説の指摘も理解できる。
後半で朝日社説は「一連の文書からは、競合する新潟市などに対抗するため、学園が政権への働きかけを強め、首相と加計氏の面会後に計画が加速化したという流れが見て取れる」と書いているが、これが加計学園問題の大きな流れだったのだろう。
■日経までが「異例の状況だ」と指摘する
社説の後半では次のよう指摘している。
「文書の記載がどの程度正確なのかは分からない。しかし獣医学部新設のため国家戦略特区に認定する過程で、文部科学省や愛媛県から首相と加計氏の関係に触れる資料が次々と見つかるのは異例の状況だ。一方で誘致先の同県今治市の記録も明らかにしてほしい」
この事実に対し、安倍首相はどう思っているのだろうか。何も考えていないのかもしれない。
それゆえ首相は加計理事長との関係について「私の地位を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もない」「計画を知ったのは17年1月20日」などと国会で繰り返し答弁できるのだろう。
■国民が怒りを爆発させるときだ
日経社説は最後にこう主張する。
なぜ、1年以上も国会で審議されたというのに疑惑が晴れないのか。それは安倍政権が虚偽の答弁を繰り返しているからだ。
国会でウソをいうことは、国民にウソをつくことである。安倍政権は安倍首相をはじめ閣僚みなが、国民を愚弄している。怒り心頭に発す。いまこそ、国民が怒りを爆発させるときだ。
これだけウソを並べ立てる政権も珍しい。戦後、こんな政権があっただろうか。
ジャーナリスト 沙鴎 一歩
これ「これだけウソを並べる政権が戦後あったか」と題したPRESIDENTOnline 5/25(金) 9:15の配信記事である。
正に驚くしかない。
良く平気でいられると思う。それも選挙民の支持があるとの後ろ盾か。
ここまで来れば安倍晋三さんも考えた方が良い。まかり間違っても政治史上平成の長期政権、崇める総裁とは認められないからである。だったら潔く下野すべきである。こんな醜聞他に無い。「モリカケ」問題の関与がない事を否定すればするほど、醜聞が増幅する。それの解らない安倍晋三さんではないでしょう。本人にその気がなくば、側近の誰かが鈴をつけるべきである。師匠の小泉元首相に引導を渡されたらそれこそ政治家としての汚名を着る事になる。考えた方が良い。