石油輸出国機構(OPEC)総会で減産合意 これにて「アベノミクス」が破たんの坂道を転げ落ち安倍政権は日本国の破たんの先駆者となるだろう

 【ウィーン時事】石油輸出国機構OPEC)は30日、ウィーンの本部で総会を開き、低迷する原油価格の押し上げに向け原油の減産を協議した。
 加盟国の減産規模をめぐり対立していたが、OPECの盟主サウジアラビアが決裂回避のため最終局面で譲歩し、日量120万バレル規模の減産に合意した。減産合意は2008年以来8年ぶり。
 【ウィーン=黄田和宏、久門武史】石油輸出国機構(OPEC)による8年ぶりの減産合意は、原油価格の安定という共通の利益を優先した結果だった。ロシアなど非加盟国にも協力を呼びかけ、減産協調の枠組みを確実にする構えだが、その枠外にある米国ではトランプ次期大統領がシェールオイルの増産に意欲を示す。米国の動向は、価格の安定に向けたOPECの戦略に影を落とす。
 「とても幸せだ」。1130日の総会後、いち早くウィーンのOPEC本部を立ち去ったイランのザンギャネ石油相の表情は晴れやかだった。イランは自らの主張に近い生産量を確保。一律の減産を求めるサウジアラビアから譲歩を引き出した。
 総会直前まで平行線だったサウジとイランを説き伏せたのはアルジェリアのブーテルファ・エネルギー相。総会前、急きょ開いた非公式会合で合意の筋書きをまとめた。イランの生産量は過去の最高水準からみれば「減産」だが、現状では増産余地を残す――。そんな折衷案に面目を保ったサウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は総会後、「市場の均衡への動きが加速するだろう。良い日だ」と語った。
 OPECは今回、加盟国全体で日量120万バレルの減産に合意した。今後はロシアなどの非加盟国にも減産を働きかけ、計60万バレルの削減を要請する。合計で180万バレルの減産は世界の生産量の約2%に当たる。OPECは非加盟国と9日にカタールの首都ドーハで閣僚会合を開き、減産協調の枠組みを固める方針だ。
 ロシアのノワク・エネルギー相は「2017年前半に徐々に日量30万バレルを減産する」と、いち早く協調する考えを表明した。このほかオマーンアゼルバイジャンカザフスタン、メキシコなど、10月にOPECとの専門家会合に出席した非加盟6カ国が協力的だ。
 ロシアの協調姿勢には訳がある。ロシアは今年初めからOPECとの生産調整の協議を進める一方で、生産量を過去最高の日量1100万バレル超に引き上げてきた。すでに増産余地は限られ、小幅な減産に協力して原油価格を押し上げる方が自国の利益にかなうのだ。
 OPECにとって、当面の課題が非加盟国を減産協調の枠組みに確実に取り込むことだとすれば、原油価格決定の主導権の奪還を狙う中期的な戦略を狂わせるリスクとなるのがトランプ氏だ。
 トランプ氏は規制緩和によるシェールオイルの増産を重要政策に掲げる。原油価格が上昇すれば、採算の合う油井が増える米シェールの生産は勢いを増す。そこにトランプ政権による政策的な後押しという要因が加わる。米国発の供給増はOPEC主導の減産効果を打ち消し、「原油価格が押し下げられる可能性がある」(英オックスフォード・エコノミクスのパトリック・デニス氏)。
 生産効率の向上などで、米シェールの競争力は徐々に高まっている。シェールとの競争が再び激化し、サウジやベネズエラといったOPEC加盟国は米国への輸出シェアを失う恐れも生じる。「米国第一」をうたうトランプ氏が繰り出す政策がOPECによる減産協調の実効性を揺るがし、加盟国の足並みの乱れを誘う事態も予想される。
 
 
これ「OPEC原油減産実行、トランプ氏が影 シェール増産、協調の足かせ」と題した日本経済新聞12月2日027の配信記事である。
 
 
 米国にとってはトランプ効果と言える。何故なら、原油価格の主導権者「OPEC」の盟主サウジをはじめとする中東産油国の後塵を拝して来た経済大国米国が、トランプと言う実業家を擁し、シェールと言う切り札で産油国の主導権を握ったからだ。原油価格の下落によって世界最大の原油輸入国日本の経済はこれにより、家計や企業の負担は増加し、原油安の物価低迷に陥り、安倍政権の重点政策「アベノミクス」が空中分解の可能性が確実となってしまう。従来からの机上の経済政策デフレ脱却の切り札「物価の2%上昇」を目論む政府の政策を根底から覆り、日銀の金融緩和策にも影響を与える。このような状況で、どうして繰り延べた社会保障手当の消費増税が出来るのか。今安倍政権は岐路に立っている。適切な処置を間違わないでしないと、下手すれば安倍政権は日本国の破たんの先駆者となるだろう。