南シナ海の領有権問題を棚上げした比に見習えとは言わないが、対米重視一本やりからの外交政策を見直すべき時では?

 フィリピンのドゥテルテ大統領南シナ海の領有権問題を棚上げし、「米軍は去るべきだ」と唱え、「親中」姿勢を鮮明にした。日本政府が巡視船を供与するなどフィリピンへの軍事支援を強化している時で、安倍首相が狙った「中国包囲網」は完全にはしごを外されてしまった。
 ドゥテルテは25日来日して安倍首相と会談するが、「協議のほとんどは経済協力」と語っている。軍事面で“ともに中国に対抗”という話にはなりそうもない。
 日比の軍事協力は親米だったアキノ前大統領の時からの話。日本は米国の要求に応じる形で、中国を牽制するため、比に新造巡視船10隻の供与を決めた。ところがドゥテルテは、南シナ海での日米共同のパトロールに参加しないことを表明。何のために巡視船を供与するのか、訳が分からない状況になってしまった。
 安倍政権の比に対する前のめりな軍事援助について、昨年からコラムなどで警鐘を鳴らしていた軍事評論家の田岡俊次氏はこう言う。
「船は寿命が30年以上あり、公海上で活動するから目立つ。国際情勢が変化し、比が中国と和解すれば、供与した巡視船は日本が比と中国を対抗させようと狙った“記念碑”になりかねない。比の大統領がドゥテルテ氏に代わって早くも情勢が変化したわけです。間の悪いことにドゥテルテ氏の暴言騒ぎの最中、8月18日に日本で建造した最初の巡視船1隻がマニラ湾に到着し、残り9隻も今後2年間に次々到着する予定です。さらに、全長90メートル級の大型巡視船2隻の供与や海自の双発練習機5機の貸与も決まっています。その教育訓練に教官や整備の技術者も派遣される。反米・親中の国の軍隊の訓練を日本の自衛官がするのだから、気まずいでしょう」
 安倍首相は、ドゥテルテの地元ミンダナオ島の農業開発支援に50億円の円借款を用意して、何とかドゥテルテを取り込みたいと考えているようだが……。
「フィリピンはかつてスペイン領。米西戦争で米国支配下に入った点でキューバと似ている。ドゥテルテ氏は共産党シンパらしく、なかなかの調略家ですから、懐柔は難しいと思います。フィリピンに限らず、豪州でも昨年、首相が親中派に代わっています。『中国包囲網』は妄想に過ぎなかった」(田岡俊次氏)
 対米従属と嫌中の結果がこれだ。安倍政権は滑稽極まりない。
 
 
これ『比大統領にハシゴ外され 安倍首相「中国包囲網」は大失敗』と題した日刊ゲンダイ1025日の記事である。
 
 
正に対米従順がもたらした結果である。普通であれば比は親中では無い筈だが、中国の色んな攻勢と裏取引がもたらした結果とも言える。アメリカの権威の喪失と言えそうだ。日本もいつまでも米の従国でいて良いのかと言う事をまざまざと見せつけられたと言って良い。世界は変わっているのである。少なくとも現在中国を無視出来ないところに来ていると言って良いのである。戦後の敗戦国日本は、米にそれなりの借りは返した筈である。もう良いではないか。沖縄のためにも、比を見習えとまでは言わないが、そろそろ対米重視一本やりからの外交政策を見直すべき時ではと私は考える。今年暮れの米大統領選のトランプの言葉をもう一度考える時ではと思う。