長野県軽井沢町でのスキー客死亡事故は建設工事下請負と同じ構図であり正に瓜二つだ

 長野県軽井沢町で、スキー客らを乗せたバスが崖下に転落し、運転手2人を含む14人が死亡し、26人が重軽傷を負った事故で、長野県警は15日午後、軽井沢署に捜査本部を設置し、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で、バスの運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)を家宅捜索した。運行や運転手の健康管理が適切に行われていたか整備や勤務記録を調べる。
 バスは15日午前1時55分ごろ、下り坂の緩やかな左カーブで、対向車線に入り、ガードレールを越えて崖下に転落した。バスは1車線の下りを走行。対向車線は登坂車線含め2車線だった。事故当時、軽井沢の天候は晴れまたは曇りで、路面は凍結していなかったという。
 県警によると、死亡が確認された乗客12人は、東京都小金井市の小嶋亮太さん(19)、さいたま市の阿部真理絵さん(22)らいずれも大学生の19~22歳の男女で、全員の身元が確認された。死因は頭蓋内損傷や頸椎(けいつい)損傷などだった。他に男性2人が重体。
 一方、死亡した運転手土屋広さん(65)は運転席で、交代要員の運転手勝原恵造さん(57)は車外に投げ出された状態で見つかった。県警は土屋さんが運転していたとみている。
 国土交通省やイーエスピーによると、同社は昨年2月の監査で、運転手13人中10人が健康診断を受けていなかったことが判明。定められた適性診断も14人中2人が受けておらず、国交省は改善を指示。今回の事故2日前にはバス1台を運行停止処分にしていた。土屋さんは昨年12月に契約社員として採用され、同27日に行われた健康診断は受けていなかったという。
 事故を起こしたバスは2002年10月に登録され、直近では15年9月に車検を受けた。自動でブレーキがかかる「衝突被害軽減ブレーキ」搭載は義務付けられていなかった。
 国交省は事故を「特別重要調査対象事故」に認定し、事業用自動車事故調査委員会が、調査員を現地に派遣。調査員は「タイヤの痕が1本しかない。かなりスピードを出していて車体が傾いていたかもしれない」と話した。
 スキーツアーを企画した旅行会社「キースツアー」(東京都渋谷区)によると、事故が起きた国道18号のバイパスを通る予定は、イーエスピーに渡した手配書にはなかった。高速道路の松井田妙義インター(群馬県)で乗って、佐久インター(長野県)で下りる行程になっていた。
 キースツアーは「バス乗務員がその場で判断したとしか考えられない。峠は道路幅が狭く危険が増す」と主張した。(2016/01/16-00:33
 
 
これ「バス転落事故で運行会社捜索=健康管理、整備など-予定と異なるルートか・長野県警」と題した時事ドットコム1月16日0033の報道記事である
 
 
 亡くなった若者には言葉もない事故である。憤って哀悼の意を表したい。
 これは氷山の一角であり、日本の経営経済の縮図でもある。事あるごとに日本の行政は、スワッーと検査体制を強化する。日本の役人は普段何もしないでと言うより、普段はやってるふりして穏やかだが、いざ事が、何かが起こると、間髪も入れず、直ぐ電光石火の如く、その問題企業に査察に入り粗を探して行政指導と称しいじめに入る。もちろん人間等の命が奪われれば当然の事ではあるが、交通安全規則違反が警官に見つからなければ、違反にならないように、このような事が起きて初めて役人は動くのである。今回のこの事件も、就業体制を調べられ、従業員の定期健康診断をしてないとか、事前の輸送ルート通りに通っていない等、問題が炙り出されている。私はこのバス会社を肯定はしていないが、大手旅行会社の孫請けに近い状況での今回の事故、事故を起こしたバス会社より、そこに下請けに出した元請け大手旅行会社に責任大と見てる。全てはカネ次第である。末端のバス会社は大変だろうと思う。とにかく大手元請け旅行会社は絞られるだけ絞り、その中で一番安いバス会社に外注に出すだろう。請け負った末端のバス会社はそれこそ経費を切り詰めるだけ切り詰めようとしなければ、採算は合わず、経営としては成り立たなくなる。自ずとその結果、高速料金を切り詰めようと、一般道に出ては入りの連続ではなかったのか。ために夜中走行だ、一般道でスピードを出して行程に間に合わせようとしたのではと私は見ている。何の事無い、黙ってて何もしないで左で団扇煽(うちわあお)いでいる、元請け大手旅行会社濡れ手に粟である。全く同じ状況が建設工事のスーパーゼネコンとその下に連なる、下請け孫請け工事会社の関係と全く同じである。スーパーゼネコンは請負額の2割をピンハネし、そして常駐する自社社員の給料を残り8割で発注した下請け会社の工事金額からむしり取る。いくらマーケット原理とは申せ、これが現実である。一番難儀をしても尚且つ儲けの残らないのが、下請け企業以下の、日本で言う99%の企業なのである。その1%の大企業に、現与党安倍政権が追銭の如く保護し莫大な富を与えた元凶でもある。更にそれで好況になり「アベノミクス」政策が「デフレ不況」を克服し、さも成功したように見せつけているのは無知な国民は信ずるだろうが、それなりの識者は騙されないと思っている。そう言う意味において、現状が続く限り、このような事故は防ぐことは不可能と思っている。その末端の中小企業・零細企業に金が回らないのだから、景気など良くはならないのも道理である。それを政府は解ってても、自分らの政党に献金する大企業に施さなければ、自党の将来が無いからの理屈でもある。つまりは日本経済はそう言う輩たちに道具にされていると言っても過言ではない。