東京都知事選(2月9日投開票)が始まりました。選挙運動期間は告示日から数えて17日間。参院選と同じ日数ですが、衆院選は12日間、政令市は14日間、都道府県議は9日。知事選は最も長い期間を戦う選挙戦だけに、何気ない一言や、選挙とは一見関係ないように思える出来事が流れを変えていく可能性もあります。
23日、主要候補は選挙の第一声を都庁のある新宿か、人が途切れない渋谷で始めていました。
主要候補や応援弁士の中で、注目して聞いたのはやはり話題の人、小泉純一郎元首相です。
午前中に行われた都庁の正面での演説では、真っ白になった“ライオンヘアー”をなびかせて街宣車の上に上がりましたが、惜しむらくは“逆光”。われわれ聴衆がいる方向からは何とも眩しいのです。明るい太陽の光を背に、という演出なら仕方ないですが、表情をはっきり見て取れないと聴衆は感情移入しづらいでしょう。
多少、滑舌がおかしいといわれたのは、興奮のためと思われます。オーケストラの指揮者のような、大きな身振り手振り、緩急付けた劇的な話し方は記憶に残る小泉氏のままでした。
その小泉氏の演説で注目したのは、次のくだりでした。
「東京オリンピック、パラリンピック。原発ゼロで成功させたいと言ったら、『何と無責任なことをいうんだ』と。オリンピックの関係者が言い出した。原発なしで、オリンピックなんかできるのかと。小泉批判を始めた」
というのも、先週たまたま見ていたテレビ東京の番組で、五輪大会組織委の会長に就任した森喜朗元首相が、都知事選で争点の1つになっている脱原発について
「私の立場から言わせれば、6年後の五輪、電気も必要だ。今からゼロにしろ、と言うと五輪を返上するしかない。世界にご迷惑をかけることになるから」
と話していたのを思い出したからです。
小泉氏はくだんの発言の後、五輪招致委が昨年の招致活動で世界やIOCに対し、「東京五輪は、原発なしでやっていけると世界に宣伝していた」と語り、改めて原発ゼロで五輪開催が可能だと世界に発信すべきだと訴えました。
確かに、五輪招致委の開催計画書は「既存の配電システムで、2020年東京大会で発生する(電力の)追加需要に対応することができる」としていましたから、森氏のこの発言はやや勇み足のきらいは否めません。
一方で、小泉氏も、自身の発言が、森氏に対する反論などと明示していません。それでも森、小泉両氏が、やり合っているようなさまには隔世の感があります。
森、小泉両氏は清和政策研究会という同じ派閥の出身で、現役時代には手を携えて政局に臨み、同派を最大派閥に育て上げてきました。もちろん、両氏はすでに国会議員を辞めていますから、派閥など、おかまいなしで自由に振る舞って当たり前といわれればそうだし、むしろ引退しても後輩政治家にあれこれ介入するほうが本当はおかしなことです。
とはいえ2氏に加え、今政権を運営している安倍晋三首相も含めれば、清和研出身の3人の首相たちが今、それぞれが各々の思う方向に進んでいると改めて感じました。
ところで、都知事選はまだ始まったばかりではありますが、不出馬を表明された東国原英夫元衆院議員を今回の都知事選の功労者の1人としてたたえたいと思ています。
東国原氏は猪瀬直樹前都知事が辞意表明する前というタイミングに、日本維新の会の橋下徹共同代表と会談し、その際「東京都知事選か、宮崎県知事選に出たい」と伝えた、と報じられました。
宮崎県知事を1期で退任したのはそれなりにお考えがあったでしょうが、衆院議員を1年足らずで辞職し、再び都知事選や県知事選に意欲あり、というのは疑問の残る姿勢と受け取るのが普通でしょう。
都知事選となると、必ず立候補する常連さんは今回も散見されますが、知名度に任せ、われもわれも、と選挙戦をめったやたらな方向で盛り上げてくれるような候補者たちが今回、あまり現れなかったのは、東国原氏の「功績」といっていいと思います。
また、有権者の側も、実績よりも知名度で勝負という人物に支持を寄せることに慎重になった方や、本当に4年の任期を任せるにたる候補かよくよく見極めて投票しようと考えるようになった方も、少なからずいるのではないでしょうか。
大相撲のように“敢闘賞”が選挙にあるならば、差し上げたいところです。
23日、主要候補は選挙の第一声を都庁のある新宿か、人が途切れない渋谷で始めていました。
主要候補や応援弁士の中で、注目して聞いたのはやはり話題の人、小泉純一郎元首相です。
午前中に行われた都庁の正面での演説では、真っ白になった“ライオンヘアー”をなびかせて街宣車の上に上がりましたが、惜しむらくは“逆光”。われわれ聴衆がいる方向からは何とも眩しいのです。明るい太陽の光を背に、という演出なら仕方ないですが、表情をはっきり見て取れないと聴衆は感情移入しづらいでしょう。
多少、滑舌がおかしいといわれたのは、興奮のためと思われます。オーケストラの指揮者のような、大きな身振り手振り、緩急付けた劇的な話し方は記憶に残る小泉氏のままでした。
その小泉氏の演説で注目したのは、次のくだりでした。
「東京オリンピック、パラリンピック。原発ゼロで成功させたいと言ったら、『何と無責任なことをいうんだ』と。オリンピックの関係者が言い出した。原発なしで、オリンピックなんかできるのかと。小泉批判を始めた」
というのも、先週たまたま見ていたテレビ東京の番組で、五輪大会組織委の会長に就任した森喜朗元首相が、都知事選で争点の1つになっている脱原発について
「私の立場から言わせれば、6年後の五輪、電気も必要だ。今からゼロにしろ、と言うと五輪を返上するしかない。世界にご迷惑をかけることになるから」
と話していたのを思い出したからです。
小泉氏はくだんの発言の後、五輪招致委が昨年の招致活動で世界やIOCに対し、「東京五輪は、原発なしでやっていけると世界に宣伝していた」と語り、改めて原発ゼロで五輪開催が可能だと世界に発信すべきだと訴えました。
確かに、五輪招致委の開催計画書は「既存の配電システムで、2020年東京大会で発生する(電力の)追加需要に対応することができる」としていましたから、森氏のこの発言はやや勇み足のきらいは否めません。
一方で、小泉氏も、自身の発言が、森氏に対する反論などと明示していません。それでも森、小泉両氏が、やり合っているようなさまには隔世の感があります。
森、小泉両氏は清和政策研究会という同じ派閥の出身で、現役時代には手を携えて政局に臨み、同派を最大派閥に育て上げてきました。もちろん、両氏はすでに国会議員を辞めていますから、派閥など、おかまいなしで自由に振る舞って当たり前といわれればそうだし、むしろ引退しても後輩政治家にあれこれ介入するほうが本当はおかしなことです。
とはいえ2氏に加え、今政権を運営している安倍晋三首相も含めれば、清和研出身の3人の首相たちが今、それぞれが各々の思う方向に進んでいると改めて感じました。
ところで、都知事選はまだ始まったばかりではありますが、不出馬を表明された東国原英夫元衆院議員を今回の都知事選の功労者の1人としてたたえたいと思ています。
東国原氏は猪瀬直樹前都知事が辞意表明する前というタイミングに、日本維新の会の橋下徹共同代表と会談し、その際「東京都知事選か、宮崎県知事選に出たい」と伝えた、と報じられました。
宮崎県知事を1期で退任したのはそれなりにお考えがあったでしょうが、衆院議員を1年足らずで辞職し、再び都知事選や県知事選に意欲あり、というのは疑問の残る姿勢と受け取るのが普通でしょう。
都知事選となると、必ず立候補する常連さんは今回も散見されますが、知名度に任せ、われもわれも、と選挙戦をめったやたらな方向で盛り上げてくれるような候補者たちが今回、あまり現れなかったのは、東国原氏の「功績」といっていいと思います。
また、有権者の側も、実績よりも知名度で勝負という人物に支持を寄せることに慎重になった方や、本当に4年の任期を任せるにたる候補かよくよく見極めて投票しようと考えるようになった方も、少なからずいるのではないでしょうか。
大相撲のように“敢闘賞”が選挙にあるならば、差し上げたいところです。
猪瀬都知事の辞任を受けた出直し選挙が始まった。地方に居る私たちには理解の出来ない選挙戦である。我が国のこの不況期に国政を占う選挙なんて正直私には興味がない。一地方とは言え首都の首長を選択する選挙である、そんな事は言ってはいけないのだろうが。正直私にはどうも理解しがたい選挙ではある。
昔には考えられない、80歳に近い首相経験者によるタッグと、政策の主張に隔たりがあっても、勝つためだけにそれを封印しての立候補者舛添さんとの実質の戦いだろう。人間としては心情的に見れば私は細川さんとなろうが、私は「脱原発」は解かるが、私は現実的でないと思っているのでそうにはならない。私は「即脱原発」派ではないからである。それより、都政は「脱原発」だけでは無く、それも一つの選択肢には入るだろうが、この時期もっと大事な政策が私はあると思ってる1人だ。かと言い舛添さんには自民が後ろにいるから私には選択の余地は無い。共産と社民の推薦候補は論外であるし、とんびから鷹の立候補者とその支援者には見て考える余地も無い。じゃあ他の人と考えれば、唯単純に売名行為としか考えられない人たちばかりである。私が心配して始まらないだろうが、都知事選挙の供託金300万円は大きかろうと老婆心ながら思うばかりである。