検察の河井克行・案里議員に見る強引操作は安倍政権のやり過ぎに反発した結果か?

■夫妻は都内ホテルに潜伏
 TBSの動画ニュースサイト「TBS NEWS」は3月5日、「広島地検が河井夫妻の携帯押収、“関与”捜査へ」と報じた。
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 河井夫妻とは、前法務大臣河井克行衆議院議員(56)[自民党広島3区]と、河井案里参議院議員(46)[同・広島県選挙区]の2人を指す。
 2人の秘書が逮捕された公選法違反事件、その捜査の一環だが、原点は週刊文春の報道だった。
 同誌は2019年11月7日号で「法務大臣河井克行>夫婦のウグイス嬢『違法買収』」との記事を掲載した。
 報じられた疑惑は、19年7月の参議院選挙で、河井案里議員が13人の“ウグイス嬢”に3万円の日当を払ったというものだった。
 公職選挙法はウグイス嬢を「車上運動員」と呼び、その日当を「1万5000円を上限」と定めている。3万円を払っていたのが事実なら、確かに法律違反だ。
 更に文春は、夫の河井克行議員が、妻の選挙で指揮を取っていたと指摘。そのため「夫婦」の疑惑として報じた。
 この報道を受け、広島の市民グループなどが広島地検に告発。地検は受理し、20年1月に夫妻の事務所が捜索された。
 この時、NHKなどが「ウグイス嬢は2種類の領収書にサインを求められた」と報じた。1枚は公選法通りの金額が書かれ、もう1枚の額を足すと、文春が報じた3万円になったという。
 3月3日、広島地検特別刑事部は、河井案里議員の公設秘書や河井克行議員の政策秘書など3人を公選法違反(運動員買収)の容疑で逮捕。そしてTBSが5日に、携帯の押収を報じたわけだ。TBS NEWSの記事を引用させていただく。
《地検が秘書らを逮捕した日の夜、滞在先のホテルで捜査に関わる令状を示したうえで、河井議員夫妻から携帯電話を押収したことが関係者への取材でわかりました》
 あっさりとした記述だが、実際はそんなものではなかったという。阿鼻叫喚の大騒動と形容してもオーバーではなかったようだ。自民党関係者が明かす。
「河井夫妻はマスコミから逃げるため、都内のホテルに潜伏していました。秘書が逮捕されたのは3月3日のことでしたが、その日の深夜、広島地検の係官が部屋を訪れたそうです。地検サイドは令状を示し、夫妻の携帯電話を押収しようとしました。すると夫の河井克行議員が激しく抵抗。口論どころか、もみ合いになったそうです。克行議員は『足をケガをした』として、翌4日に都内の病院で治療に行ったとの話も出ています。ひょっとすると診断書を取って、地検の捜査に問題があるとアピールするつもりなのかもしれません」
 更に衝撃的なのが、妻の河井案里議員に対する“捜索”だったという。
「地検の係官は同じように、妻の案里議員に携帯電話の引き渡しを要求したのですが、夫と同じように拒否したそうです。結局、地検は案里議員の携帯を押収するのですが、この際、係官は持ち物検査で『何か隠しているのではないか』と疑い、服を脱がせようとするなど、かなり強引なことをしたそうです」(同・自民党関係者)
 これには「検察は、さすがにやりすぎ」との声も出ているという。政治担当記者が続けて言う。
「ただ永田町では、それ以上に、広島地検の河井夫妻に対する強気の姿勢が話題になっています。分かりやすく言えば、地検は完全に臨戦態勢で、気合い充分なのです。携帯の押収が重要なのは分かりますが、それだけでなく、地検は捜索で断固とした態度を見せ、『おざなりな捜査ではない』と官邸やメディアにアピールしたのではないでしょうか」

■検察は官邸に反逆!?
 河井夫妻に対する捜査は、広島地検のレベルをとっくに超えており、“検察庁の威信”を賭けたものだと言われている。検察に詳しい記者が言う。
「地検が河井夫妻の事件を徹底的に取り調べる姿勢を見せている背景に、黒川弘務・東京高検検事長(63)の定年延長問題があると言われています。黒川検事長は安倍政権に近いとされ、今回、異例中の異例とされる、半年間の定年延長が行われました。これに現役の検事が強く反発しているのです」
 定年延長に、どうして反発するのか。改めて解説する。何しろ黒川検事長は“安倍政権の守護神”、“菅の腰巾着”と揶揄されているのだ。もちろん、菅とは菅義偉官房長官(71)のことである。
「黒川検事長は数年前から、『官邸の意向を受け、様々な事件の捜査を潰したり、矮小化させたりした張本人』と経済誌などで報じられるようになりました。具体的には東芝巨額粉飾決算事件、小渕優子衆議院議員(46)[群馬5区]の政治資金問題、経済再生担当相を務めた甘利明衆議院議員(70)[神奈川13区]の斡旋利得処罰法違反疑惑で、官邸の意向を汲んで動いたと報じられています。一方、17年には、いわゆる『共謀罪』法案の成立に奔走、国会を通過させたことで安倍晋三首相(65)に高く評価されたとも言われています」(前出の検察に詳しい記者)
 なぜ安倍官邸が黒川検事長の定年を無理矢理でも延長させようとしているのかと言えば、検察官としてトップである検事総長に就任させるためだと言われている。
 現在の検事総長は稲田伸夫氏(63)。そして稲田検事総長は65歳で退官となる。一方、総長以外の検察官は63歳で定年・退官することになっている。
 放っておくと、稲田検事総長が定年を迎える前に、黒川検事長が定年を迎えてしまう。安倍政権は何としてでも黒川検事長検事総長にしたい。そのため、前例のない定年延長に踏み切ったというのだ。
「あまりに恣意的な定年延長だと、国会では野党が猛反発。検察内部も異論が根強いのです。そもそも検察官とは、難関の司法試験に合格したエリートです。おまけに、政治家を逮捕できるほどの捜査権限を与えられています。検察官をクビになっても、弁護士として働けるという自負もあります。プライドは段違いに高く、『あの田中角栄元首相(1918~1993)でも、検察内部の人事は手が出せなかった』ことを誇りにしています。ところが安倍官邸は、それを無視して、トップ人事に手を突っ込んできたわけです」
 河井克行議員は前法務大臣であり、なおかつ“菅側近”と言われている。
 菅官房長官は派閥を持っていないが、無派閥の自民党議員と勉強会を開くなどしている。彼らは“隠れ菅派”と呼ばれ、その幹部クラスが河井克行議員というわけだ。
「黒川検事長は“菅の腰巾着”と陰口をたたかれるほど菅官房長官と近い。菅さんの右腕で、なおかつ法務大臣公選法違反に手を染めたとなれば、菅官房長官や安倍首相の面子は丸潰れです。それを目的として、検察は河井夫妻の事件に全力を注いでいると思われます」(前出の記者)
週刊新潮WEB取材班


これ『ウグイス嬢買収事件 スマホ押収で「河井夫妻」と検察が乱闘寸前 強引捜査のワケ』と題したディリー新潮2020年3月7日の記事である。


安倍政権政治は権力者の権限を勘違いしてると思わざるを得ない。
民間企業ガバナンスのボトムダウン方式とは違うのである。企業の場合は自らの責任で行うのが基本だからである。失敗は許されても、その責任者は自己責任において自ら処理するのが基本だからである。だが政治には失敗は許されないのである。何故なら国家には破綻は許されないからである。企業と違いその主役はそのトップではなく国民だからである。だが安倍政権の場合は見るとこ全て気が狂ったかのように、独断専行が多過ぎる。言葉を変えればやれない事が無いと思っているように見える。その代表例が安倍政権の守護神検事総長含みの検察のナンバー2黒川弘務・東京高検検事長の定年延長問題であろう。未だ無い行政の司法への介入と言える。余りにも露骨であるし、立法さえも馬鹿にしてる行状である。これを独裁と言わずして何て言うのか。政治を恣意的に私物化してる。こんな政府、戦後の政治史にもかって無い事である。それほど安倍政権は政治と行政をコントロールしたいのだろうか? 安倍政治はいったい何を望んでいるのか? これほど勝手に政治を動かして来てまだ何を望むのか?
黒川弘務・東京高検検事長の定年延長をやるために、現稲田伸夫検事総長は政権に早めの退官を要求され、拒否したと聞くが、当たり前である。司法トップと言えども人間である。私は早めの退官要求拒否を理解し支持したい。稲田伸夫検事総長さん黒川定年延長問題どうか潰して下さいお願い致します!!