「桜を見る会」の問題で、安倍政権に対する世論の風向きが変わっている。早期解散をにらみ対抗軸になろうと合流を目指す野党だが、「一枚岩」になれるか。立憲民主党と国民民主党の合流協議入りなど、野党が活発に動き始めた。
「結果を謙虚に受け止め、国民の声に耳を傾けながら、一つ一つ丁寧に対応していきたい」
各社の世論調査で軒並み安倍内閣の支持率が下落したことを受け、菅義偉官房長官は記者会見でこうコメントした。しかし、その要因となった「桜を見る会」についてこれまでの対応を反省し、「丁寧な対応」をする様子はない。
12月にあったNHK、時事通信、TBS、読売新聞・日本テレビ、共同通信、テレビ朝日、産経新聞・フジテレビの世論調査ではいずれも支持が下落、不支持が上昇した。国会での説明を求める野党の再三の要請にもかかわらず、早々と国会を閉じ、逃げ切りを図ろうとした安倍政権に対する国民の不信感が高まっている。
共同通信の調査では安倍首相や政府が「十分に説明しているとは思わない」が83.5%。政権寄りの論調が目立つ産経新聞でさえ「招待者の取りまとめに関与していない」との首相の説明に「納得できない」が74.9%だった。
ある自民党関係者は、この傾向が、安倍政権にとってはすねの傷である「あの問題」を思い起こさせると警戒する。
「モリカケ問題と同じ構造です。追い込まれた揚げ句、国会を閉じて逃げ切りを図ろうとしたけれども、新たな疑惑が次から次に明らかになる。あの時も問われたのは首相の説明責任でした。1度目ならともかく、同じ政権で2度目ですから。内閣を支える官僚の答弁も誰が見ても破綻していますよ」
また、連立を組む公明党関係者からは、これ以上、かばいきれないという本音も漏れ聞こえ始めた。
「納得のいく説明を『していない』のではなく、『できない』ところが苦しい。いずれも、問題がないというのであれば、資料を堂々と提示して早々と問題を終息させればいい。それができないという態度が、半ば、いずれの疑惑もクロではないかと国民に思わせてしまっている」
一方、野党の動きも活発化している。17日、立憲民主党の枝野幸男代表と、国民民主党の玉木雄一郎代表は国会内で会談し、両党の合流に向け、本格的な協議に入ることで合意した。
枝野氏が「永田町の数合わせには与しない」というこれまでの発言を翻したのは、年明けにも安倍政権が解散総選挙に打って出るのではないか、という臆測があるからだ。立憲民主党の関係者は、この機を逃すとバラバラになっている野党の合流は困難だと語る。
「消費税や憲法など個別の政策で、野党各党が合意を見いだすことは限りなく難しい。しかし、次の選挙は政権選択の選挙。個別の政策も大事だが、まずは安倍政権に対峙する大きな塊をつくるのが先であることは、共産党も理解している」
その上で、こう続ける。「その意味では、桜を見る会は身内を優遇し、不都合なことは説明を拒否し、証拠は行政文書であっても隠すという安倍政権の体質が象徴されている。野党にとっては、政策で戦うよりも有利なんです」
問題の鍵を握るのはれいわ新選組の山本太郎代表の動向だ。山本氏は、消費税5%への減税という共通政策が合意できなければ、各選挙区に独自候補を出すと明言している。ただ立憲の幹部は合流に乗れないのであれば、それは仕方がないと山本氏の説得には消極的だ。
「まずは安倍政権に対峙できる大きな塊を作るのは、誰が考えても政治の鉄則。合流という選択肢は無理でも共闘できればいい。それも無理なら受けて立つしかない。個別に戦って、その先でまた考えればいい」
年明けの通常国会でも、野党が桜を見る会の疑惑を追及することは必至だ。これ以上、この話題に触れてほしくないと政権が判断すれば、1月20日に召集される通常国会の冒頭で、安倍首相が解散に踏み切る選択肢もないわけではない。(編集部・中原一歩)
※AERA 2019年12月30日号-2020年1月6日合併号
これ『公明も「もうこれ以上かばいきれない」 野党合流、年明け解散の可能性は…〈AERA〉』と題したAERA dot. 12/25(水) 8:00の配信記事だ。
政権与党の旨味を知り尽くした公明党だ!安倍4選も無い今黄昏に等しい安倍自民に用はないと言うのが本音であり、今必死に安倍自民に代わる「ポスト安倍」の様子見だろう。このハイエナ違憲政党!!