石原東京都知事の4選に思う

 私は10日の夜、東京都知事選が気になりテレビにかじりついていた。
もちろんNHKテレビである。 大河ドラマ 「江 ~姫たちの戦国~」 を見てからだから8時前からである。開票が始まる前に、もう当確が出た。NHKお得意の投票所出口調査である。これでは選挙の醍醐味と余韻など無くなってしまった。しかし、石原都知事は強い。ロクな選挙運動しないで約261万票である。驚いた。何故にこのように強いのか。それはやはり自分の口で、自分の考えで、本音で、それこそ歯に衣を着せずにしゃべるから好感をもたれるのであろうと私は考えている。
 主義主張は完全なる右翼の塊である。その彼が政治の世界に入り、良く見聞きする国会答弁に逆らう発言が都民に好感を持って受け入れられたのではと思う。
 彼の話を良く聞くと、ベランメー口調からのストレートな発言は人によっては共感を覚える人も多いと思われる。
 私などは、本音はそれとしても、相手を考えた、つまり、相手を敬う気持ちを考えない、TPOを考えない発言の多いこの男は大嫌いである。もし、私が都民だったら今回の都知事選、投票しないか、白票だったろうと思う。それほど対立候補のタマが不足していたからだ。

 終わりに偏執記事と覚えるが、それなりに面白い記事を目にしたので紹介したい。朝鮮日報の記者で、車学峰(チャ・ハクポン)と言う人の記事である。
 
「テーマ」:「妄言製造機」の石原氏が4選=東京都知事
 
地震は天罰」発言で騒動も、他候補に大差で勝利
 
 「日本が韓国を侵略したのではなく、韓国が選択したのだ」「南京大虐殺は中国側の作り話だ」「日本は2年で核兵器を持てる」
 韓国や中国で「妄言製造機」として知られるなど、極右的な発言を繰り返してきた78歳の石原慎太郎氏が、10日に投開票の行われた東京都知事選で、圧倒的な支持を獲得して4選に成功した。NHKなど日本メディアが報じた。石原氏は3月11日に発生した東日本大震災をめぐり「地震は天罰」と発言し、日本国内で多くの批判を浴びた。
 石原氏は選挙を前に「私がこの先も都知事をやるのは年齢的にどうか」「若い人たちがやるべきではないか」などと発言し、不出馬説が流れていたが、最終的に出馬を宣言した。妄言に加え、出馬をめぐっても二転三転したため「都知事を変える時期だ」との世論もあり、知事交代の可能性も浮上していた。 
 だが石原氏は、元コメディアンで人気の高い東国原英夫・前宮崎県知事や、実業家の渡辺美樹氏ら対立候補を大差で破った。民主党は石原氏の対抗馬として、若手の人気女性大臣、蓮舫・行政刷新担当相(43)の擁立を進めていたが、蓮舫氏は石原氏の牙城を崩すには力不足と感じたのか、出馬を固辞した。
 石原氏が4選を果たしたのは、民主党の人気が低下し、独自候補を立てられなかったため、という理由もある。菅直人首相が東日本大震災福島第1原子力発電所の事故をめぐり、危機管理能力が不十分と指摘される中、石原都知事が相対的に評価を上げたとの見方もある。これまで政権運営の経験がなかった民主党について、震災や事故対応のまずさを指摘する声が上がる一方、石原氏については「危機の際には経験豊富な石原氏が最高」との評価が有権者の間で広まったというわけだ。
 東京都庁所属のハイパーレスキュー隊福島原発の使用済み核燃料棒の貯蔵プールに水を散布する作業に成功し、国民的英雄になったことも、石原氏の支持率上昇につながった。ハイパーレスキュー隊は、水の散布に成功した後、テレビのインタビューで石原都知事のことに必ず触れた。海外では妄言として非難される極右発言だが、共感する日本人も多く、これが石原氏の人気につながっているとの分析もある。
 石原氏は23歳のときに小説『太陽の季節』で芥川賞を受賞、日本を代表する人気小説家となり、現在でも執筆活動を続けている。『NO(ノー)と言える日本』など右翼的な観点の政治評論集も何冊か出版している。
 1968年に政界に進出し、国会議員に初当選、その後は環境庁長官運輸大臣などを務めた。長男の石原伸晃氏は現・自民党幹事長。伸晃氏は石原氏の不出馬説が流れると、代案がないとして父に出馬するよう説得した。石原氏は今回、2020年夏季五輪招致を公約に掲げていた。
 
以上である。