参議院は独裁の抑止力?

 先の参議院選において与党敗北のため、またもや衆参のねじれが起こり、今後何年かは非常に不安定な政治が続く事になる。と言う事は今回の参議院選が与党にとっては如何に大事であったか、と言う事になり、与党の幹部にとっては、責任を取り辞任では到底ペイ出来る事ではなかった筈である。それが責任を取らず続行では、政治的常識に欠けていると言わざるを得ない。しかし、選挙の得票数を見れば、ダントツなのに、何故負けたのか。要するに選挙が下手だったと白状した事になる。
 日本国にとってコロコロトップを代えるのは諸外国に対してみっともないし、恥ずかしいと思うのであれば、トップを据え置き選挙実務指揮者を代えれば済むのにそれもしないと言う事は、例えて悪いが、今までミスしても悪事を働かなければ辞職しなくても良かった、公務員と同じである。
 ところでこのねじれ現象は、昭和の終わりの竹下内閣の消費税導入やリクルート事件への世論の反発で、その以後引き継いだ女性問題で辞職した宇野内閣の時の第15回参議院議員通常選挙自民党が敗れた時からである。
 いづれにしてもねじれが現実にあると言う事は、今後首班指名、予算議決、条約の承認以外は法案は1本も通らなくなる。以後は野党との話し合いが必要になってくるし、多くなる。
 と言う事は現在の参議院は与党独裁への抑止力と言えなくは無いのであるし、逆説すれば国民・国家にとればかえって良い事なのかも知れない。