12球団合同トライアウトが、13日にタマスタ筑後(福岡)で行われる。投手、野手計47選手が参加予定。戦力外を通告されている選手は、トライアウト終了後に各球団との契約が可能となる。今季限りで阪神を戦力外となり、トライアウトに臨む西岡剛内野手(34)がスポニチ本紙の取材に応じ、現在の心境を激白した。
10月1日に戦力外通告を受けてから1カ月強。日米通算1241安打を誇る西岡が、トライアウトの舞台に立つことを決めた。
「現役を続ける意思を固めた以上、受けない理由はない。クビになったんですから実績は関係ありません」と話すと、心の中にある熱い思いを吐き出した。
「選べる立場ではないのは分かっているが、どこでプレーしたいんだと言われればロッテに戻りたい。それが僕の素直な気持ちです。育ててもらったロッテでユニホームを脱ぎたい」。高卒でロッテに入団。10年には首位打者を獲得して主将として日本一に導き、海を渡った。裏切り者扱いを覚悟した優勝パレード。ファンが「頑張って!いつか戻ってこいよ」と送り出してくれた光景を忘れた日はない。阪神時代の16年に左アキレス腱断裂の大ケガを負いながら、懸命なリハビリでグラウンドに戻ってきた。
この1カ月間、誰もいない甲子園の室内練習場で、たった一人で練習を続けた。「来年ユニホームを着られるんやろうか」。不安が押し寄せることがあっても「この経験ができたことはラッキーだ」と前向きに捉えた。
福岡入りした11日、今季開幕前に自律神経の病気でソフトバンクを退団した川崎宗則さん(37)が練習相手を買って出てくれた。06年WBCで二遊間を組んだ兄貴分。「おまえの生き方が好きだ。俺のためにも頑張ってくれ」という川崎さんの言葉を胸に刻み「ムネリンの存在が僕にもう一つスイッチを入れてくれた」と感謝した。
「プロ野球選手になりたいという目標と、その中でもロッテに戻りたいという目標を持ってやります」。変わらない目の輝きと、強い気持ち。西岡が最後のアピールに懸ける。(町田 利衣)
◆西岡 剛(にしおか・つよし)1984年(昭59)7月27日生まれ、大阪府出身の34歳。大阪桐蔭から02年ドラフト1巡目でロッテ入り。05年から2年連続で盗塁王。10年は首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、日本一に貢献。同年オフにポスティングシステムでツインズへ移籍。13年に阪神で国内復帰。06年WBC、08年北京五輪日本代表。1メートル82、81キロ。右投げ両打ち。
報道が全てだから何も言わないが、「今さら」の感じがしないでもない!