安倍晋三首相は1日、JR秋葉原駅前で都議選期間中初めてとなる街頭演説に立った。一部の聴衆から「帰れ」コールが巻き起こり「演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」といらだちをあらわにし、ヤジを飛ばす聴衆に向かって指を指して「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」と反論する一幕もあった。
演説会場には「安倍辞めろ!」と書かれた横断幕が掲げられ、これを覆い隠すように自民党ののぼりが密集。日の丸の小旗を振る自民支持者と、「安倍たおせ」などと書かれたプラカードを掲げて首相到着前から「安倍辞めろ」と連呼する集団が入り乱れて、騒然とした。森友学園の籠池泰典前理事長も姿を見せ、混乱に拍車をかけた。
自民党にとっては「逆風」となる事案が相次いで重なった。
そのような状況で安倍首相は何を語るのか。約14分間の演説で、首相が一連の問題に触れたとみられるのは冒頭のこの言葉のみだった。
「連日の報道によって、『自民党何やってるんだ、しっかりしろ』と厳しいお言葉を頂いています。私も政治与党を率いる総裁として、ご心配をおかけしていることを申し訳なく思っています」
「ですが、みなさん、私たちは負けるわけにはいかないんです」
そして、民主党が担った前政権への批判を続けた。
「鳩山政権、菅政権の間に日米同盟の信頼が崩れてしまった。外交安全保障を立て直すために私たちは国家安全保障戦略を作り、安保法制を成立させました。これによって日米の絆は強くなった。助け合えることができる同盟は間違いなく絆を強くしたんです」
「民主党政権下を思い出していただきたいと思います。どんなに頑張って、どんなに汗を流してもなかなか仕事を守れない。学生さんたちはなかなか仕事を得ることができない。『連鎖倒産』という言葉が日本中を覆っていたわけです」
「この都議会選挙は新しい議会か、古い議会かを決める選挙だ。そんなことが言われていますが、いま新しい政党でマイクを握っている人、よく見てみれば数年前は民主党だったという人もたくさんいるじゃありませんか」
「でもみなさん、看板を書き換えれば変わるでしょうか。いえ、中身は変わらないんです。そんな人は信頼するわけにはいかない」
「たとえ厳しい逆風の中にあっても、愚直に政策を訴える。自民党から立候補して政策を訴える。古いか新しいかではありません。仕事ができるかできないかを問わなくてはなりません」
拍手と野次が入り混じりながらの14分間。安倍首相はおきまりの言葉で演説を締めくくった。
「世界に輝く東京を、世界の真ん中で輝く日本を。どうぞよろしくお願い申し上げます」
都議選は自民党の大惨敗で終わった。当然と言えば当然か。そう思わないのは政権権力者の安倍首相とその取り巻き連中だけである。恐らく彼らはある程度の逆風は予想はしてただろうが、これほどとは思っていなかったろうと思われる。今までと同じで「喉元過ぎれば・・・・・・」だろう位の気持ちだった筈。だが彼ら以外の自民党の面々は違っていた。「安倍一強」と言われる現状に不満を持っていた。何でもそうだが不満を持たれれば必ずや逆作用のベクトルが働く。都議選に限れば、自民党の都議にそれへの不満が高まっていたたまに、恐らく表向きの選挙応援はしただろうが、裏では「都民ファースト」を心で応援してたかもしれない。それが議員心理と言うものである。つまりは今回はそれでよいがその次はよろしくと言ったようにである。現場を指揮した事もある私にはそう思われた。こうなれば不思議なもんで、選挙する当人立候補者の選挙するモチベーションが維持できなくなるのである。簡単に言うと選挙で頑張ろうとする意欲がわかなくなるのである。だからこそ今回の都議選は末端の自民党員がやらない、だから自民党反安倍勢力の反乱であると言った訳である。