ドジャース入りした前田健太投手には頑張ってもらいたい 決して、松阪投手や和田毅投手みたいにはなってほしくない

 ドジャース入りした前田健太投手(27)の年俸を低く抑えて多額の出来高を払う、という異例の契約は、改めて米メディアの関心を呼んでいる。「本来、年俸は過去の実績を基にはじき出すもので、将来予想される結果ではない」「メジャーリーガーなら絶対にのまない契約だ」というのだ。
 これまでの情報をまとめると契約は8年で、年俸総額は2500万ドル(約29億4000万円)。それに毎年1015万ドル(約11億9000万円)の出来高払い(開幕1軍で15万ドル、32試合に先発したら650万ドル、200イニング投げたら350万ドルなど)が含まれる。
 米スポーツサイトの中には、「とても奇妙な契約だ。選手たちの年俸が高騰する移籍市場で、チームにこれほど有利な契約は非常にまれだ。メジャーの選手なら怒り心頭に発し、絶対拒否するタイプの契約だ」と報じたところもある。
 また、ロサンゼルス・タイムズ紙も入団会見直後の報道で「本来、年俸は過去の実績を基にはじき出すもの。こういうことがトレンドになっては困る」とクギを刺した。
 権利意識の強いメジャー選手相手の交渉では破談になるケースだが、米国での実績がなく、日本での成績がメジャーでどれほどの価値があるのか判定しにくい日本人選手に関しては、今回のドジャース流が今後、適用される可能性がある。
 松坂大輔投手(現ソフトバンク)が3年目から結果が出せなくなり、ヤンキース田中将大、レンジャーズのダルビッシュ両投手も肘に故障を抱えたことを考えると、メジャーの各球団が「精密だがひ弱」な日本人投手との契約に慎重なのは当然ともいえる。
 前田は4月で28歳。これまでの故障歴から契約最終年の35歳でなお30試合以上に先発し、200イニング以上投げる可能性は少ない。ESPNが報じたようにドジャースが3、4年後には手術が不可避と知りつつ契約したのであれば、「8年約30億円」は決して悪くない。
 ロサンゼルス・タイムズ紙は前田の記者会見後、「彼は自分自身に賭けている。まだメジャーで1球も投げていないが、彼が好きになってきた」とエールを送った。
 いずれにせよ、2016年は日本人投手がそろって「健康」と「頑丈さ」を証明しなければならない年になった。
 
 
これ『マエケンの“異例契約”は屈辱か妥当か 米メディアも関心「とても奇妙」』と題した夕刊フジ 19()1656分の配信記事である。
 
 
前田健太投手と言えば、日本を代表する投手である。最近のFA市場を見れば確かに低額の感はする。がしかし、私はドジャースのしたたかな読みが、日本人の「サムライ」魂を上回ったと思っている。記事にもあるが一度契約までこぎつきあわやの寸前まで行ったが健康診断でしぼんだ事を考えれば妥当な線とも言える。しかし、見た目よりもメジャーはシビアである。長い目で見た投資とも言えるし、広島を出て後の無い前田の心理状況を巧みに突いた最近にないメジャー球団の経営術を見たとも言える。オソレイッタと思う。今後は前田健太投手には決して、失敗した和田毅投手みたいにはなってほしくないからだ。またそれが応援する我々日本人の願いでもある。