森友学園格安国有地売却問題の赤木ファイルの存在を国が認めたのは、最終的に指示が国のトップから出た言う事に他ならない!

 

 学校法人森友学園への国有地売却に絡む公文書改ざん問題で、文書の改ざんを強いられたとする手記を残して命を絶った財務省近畿財務局職員赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さん(49)が国と当時の同省理財局長に損害賠償を求める裁判が7月15日午後、大阪地裁で始まる。法廷で意見陳述に臨む予定の雅子さんが朝日新聞の取材に応じた。

 

 思い返すたび、胸の痛む光景がある。結婚して20年あまり、いつも笑顔を絶やさなかった夫がいらだちの表情を浮かべる日が増えた。2018年2月のことだ。

 

 「くそっ、くそっ」。自宅の居間のいすに腰掛けた夫は、自分の腕をひざやテーブルに何度もたたきつけていた。

 

平穏な生活は、日曜日のある1本の電話から崩れました。赤木さんが仕事を休む前後、「内閣が吹っ飛ぶようなことをさせられた」と苦しそうに話すのを妻は聞いていました。何があったのでしょうか。

 

 財務省近畿財務局に勤める夫は前年の夏、うつ病と診断され、仕事を休んでいた。

 

 原因は職場の問題だろうとは思っていた。仕事を休む前後、「内閣が吹っ飛ぶようなことをさせられた」と苦しそうに漏らすのを聞いていたからだ。

 

 多趣味な夫だった。週末は夫婦でアートや音楽を楽しみ、篆刻(てんこく)にも挑戦した。だが、療養の間に趣味を味わう余裕も失っていた。

 

 平穏な生活は、1本の電話から崩れた。日曜日だった17年2月26日、二人で外出中、夫の携帯に上司から電話がかかってきた。「困っているらしいから、助けに行くわ」

 

 当時、夫は学校法人森友学園に対する国有地売却問題への対応を担当していた。相場よりはるかに安い価格で国が学園に土地を売った問題が表面化した2月上旬以降、帰宅が深夜になったり、休日に出勤したりする日が急に増えた。電話の日を境に、一人でじっと考え込むような姿が目立つようになった。

 

 自分は、国有地の取引に絡む公文書の改ざん作業をさせられた。夫から初めてそう告白されたのは、あの上司の電話から約1年後、改ざん疑惑を朝日新聞が報じた18年3月になってからだ。「とうとう出た。これを僕がやらされたんや」

 

 数日後、夫は自ら命を絶った。

 

 「僕の雇用主は国民や。だから国民を向いて仕事する」。それが夫がよく口にする言葉だった。改ざんは、夫の良心に真っ向から反した行為だった。

 

 「改ざんは誰を守るためだったのか、本当の責任者は誰なのか。それをきっちり解明しなければ、夫の悔しさを永遠に晴らせない」(阪本輝昭、遠藤隆史)

 

公務災害認定の経緯も「黒塗り」 爆発した気持ち

 妻の雅子さんは15日から始まる裁判に向け、ある「決意」を語った。

 

 俊夫さんが亡くなった2018年3月7日の朝、雅子さんはいつものように仕事に出かけた。俊夫さんは玄関まで出てきて、「ありがとう」と口にした。ふと不安がよぎり、その日何度かメールをやり取りしたが、夕方になって返信が途絶えた。

 

 俊夫さんの手記によると、改ざん指示は17年2月。遺品の手帳からは、その年の4月にかけて終業時間が午前1~2時を回る日も少なくなく、午前3時10分に達した日もあったとわかる。それでも午前7時半には毎朝家を出た。「なんとか体を動かして出勤している状態だった」と雅子さんは振り返る。

 

 俊夫さんは手記に「現場として私はこれ(改ざん指示)に相当抵抗しました」と書き残した一方で、「指示には誰も背けないのです」とも。

 

 その後も、改ざん作業にあたった部署からの異動希望が通らず、病休に入ってからは「長期化すると休職扱いになり、給与が減る」とも財務局側から伝えられた。俊夫さんにとって追い打ちとなるような出来事が続いた。

 

 財務省の調査報告書(18年6月)では、改ざんの方向性を決定づけたのは佐川宣寿・元財務省理財局長とされた。雅子さんは改ざんの指示を含めた問題全体の構図が矮小(わいしょう)化されているのではと疑問を抱き、佐川氏に弁護士を通じて書面で経緯説明と謝罪を求めた。だが、昨年9月に弁護士経由で聞いた答えは「返事はお出しできないが、しっかりと読ませて頂いた」というものだった。

 

 それならと、俊夫さんの公務災害認定(19年2月)の経緯や理由がわかる文書の開示を人事院に請求したが、昨年12月に出てきたのは大半が黒く塗りつぶされた文書約70枚だった。抑えてきた気持ちが爆発した。「何これ、ひどい!」

 

 今年3月、国と佐川氏を提訴した。俊夫さんの手記や遺書も公表した。安倍晋三首相や麻生太郎財務相は従来の調査結果と大きな食い違いはないとして、雅子さんの求める再調査には否定的な考えを示した。

 

 提訴時点では匿名でコメントを出すにとどめた雅子さんは、実名を明かして裁判に臨むことを決めた。今月6日には、近財が俊夫さんの公務災害に関する文書の開示決定期限を約1年も延ばしたのは違法だとし、速やかな開示決定の義務付けを求めて別途提訴した。

 

 国などに損害賠償を求めた裁判の始まる15日は自ら法廷で意見陳述に立つつもりだ。

 

 「私が求めるのは佐川さんたちに『誰かを忖度(そんたく)せず、真実をありのまま法廷で話してほしい』ということ。私は絶対にひかない。匿名じゃ、その覚悟が相手に伝わらないでしょう」(阪本輝昭、遠藤隆史)

 

裁判の焦点は「佐川氏の関与」

 森友学園への国有地売却をめぐっては、決裁文書から安倍晋三首相の妻昭恵氏の名前や複数の政治家側の照会の経緯などが削除された。15日から始まる裁判で雅子さんと弁護団が目指すのは、俊夫さんを死に追いやる結果となった一連の改ざん行為の原因と経緯を明らかにすることだ。

 

 焦点の一つは、佐川氏が改ざんにどのように関与したかだ。財務省は2018年6月に公表した調査報告書で、佐川宣寿元理財局長が「改ざんの方向性を決定づけた」としつつ、明確な指示については言及しなかった。一方、俊夫さんの手記には「元は、すべて、佐川理財局長の指示です」と記されている。

 

 同省の組織の体質も問われる。手記によると、近財の部長は当初、本省の指示に応じない姿勢だったが、本省理財局の総務課長らからの電話で指示を受け入れたとされ、上からの不正の指示を拒否できず組織ぐるみで改ざんを行う様子が描かれている。

 

 学園側と近財の交渉記録が一時不開示とされた大学教授が国に損害賠償を求めた訴訟で大阪地裁が6月、「意図的に不開示としており、相当に悪質だ」と指摘するなど、財務省の隠蔽(いんぺい)体質を批判する司法判断も相次いでいる。

 

 雅子さんも今月6日、近財が俊夫さんの公務災害に関する文書の開示決定期限を約1年も延ばしたのは違法として、速やかな開示決定などを義務付ける訴えを別途起こした

 

 原告側は、俊夫さんが改ざんの過程を記録したファイルが国側に残されているとして、提出を要求。佐川氏や当時の本省総務課長、近財局長、近財部長らを証人尋問し、改ざんの指示の流れや組織ぐるみで改ざんを実行したとして組織の体質も明らかにする方針だ。

 

 一方、国と佐川氏は請求棄却を求めて争う姿勢を示している。(米田優人)

 

 

これ『「内閣が飛ぶ」自死した夫の近財職員は漏らした 妻語る』と題した朝日デジタル2020年7月12日 15時26分の配信記事である。

 

 

モリカケ」問題の不祥事が忖度で片づけられる事に非常な憤りを持つ!

こんな事はいくら役人であっても何もない所から忖度等生まれないのである。そんなの国民向けのパフォーマンスでしか無い!

常にドロドロした裏社会を渡って来た土建屋風情(私)が言うのだから間違い無い(笑い)

こういう場合、本当は大体国のトップ(最大権力者=首長)が自分の関係する人間(友人や知人・親戚)が絡んでいる場合には、権力を見せるため、「よろしく頼むよ」と言うからやるので、決して役人が自分の考えでの忖度等ではないのが普通である。何かしら良好関係をかぎ取るからやるのである。それをマスコミ等は忖度等と言ってるだけである。首長が何のアクションも起こしてなければやらないのが役人と言う人種である。

権力者から見れば些細であっても、時には末端の人間の命が掛かる事もあるのである。その首長はもうとっくに忘れていていづれ風化される、これが現代社会である。

今頃その首長鼻ちょうちんで口開けてイビキかいて寝てる事だろう(笑い)。悔しいけどそれが現実である。