自民党その後

  8月30日の衆議院選大敗から40日となる。その間に政権が交代し民主党政権が発足始動し予算の見直し、削減等の報道で連日マスコミが賑わっている。また、その間に中川前財務相の訃報もあったが、いづれにしても1面記事から忘れ去られてしまった。これが野党の現実であろう。寂しい限りだ。
 今後の自民党を占う谷垣新総裁の誕生もあったが、やらせみたいな若い議員が立候補したり、この総裁選を見ていれば、再生の道がいかに険しいかがわかる。「世代交代」「派閥解消」と、窮地に陥ると必ず出てくるスローガンを口にはするが、相変わらず派閥単位でしか行動できない議員がほとんどだ。「古い自民党」の象徴といえる、森喜朗元首相や青木幹雄参院幹事長らが調整に暗躍するようでは、国民の支持は一層離れていくだろう。
 ましてや今の関心事は何かと言えば8日告示25日に投開票の参院神奈川、静岡両補欠選挙であり来年夏の参院改選総選挙である。自民党と谷垣新総裁はウカウカしてられず、総裁選勝利の余韻になんか浸ってられないのだ。もう民主の小沢幹事長は各方面に手を打って終わっている筈だ。小沢幹事長にはこんな言葉がある。支持母体の連合の中の1人は「こちらは長い長い選挙戦でへとへとになっていたのに、もう、関心は参院選に向いているとは驚いた。というより、その執念に恐れ入った」とある。浮かれている場合ではないということだ。しかし、こんな人を相手にして本当に自民党は勝てるのだろうか。将棋で言うセオリー度外視の羽生マジックでも無ければ無理ではないか。自民党の再生はその羽生マジックを果たして谷垣自民党が今後出せるかに掛かっている。